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デザイナーイベントはいくらかかる?【イベント後編】

イベント開催のメリット(前記事)がわかったところで、実際にやる時コストはどうなる?についてです。

おさらいですが、『デザインカンファレンスは、黒字化は厳しい』
大事なのでもう一度

デザイン系のイベントは目的別に規模がほぼ決まると思います。
まずそれらを整理した上で、コストを概ね書いてみたいと思います。

デザイナーや、前回の記事を読んでくれている人はパターン【A=小規模】と【B=中規模】を読んでもらえたら大丈夫で、さらに興味のある人は【C=大規模】を読んでみてください。

【A】小規模イベント(-60名ぐらい)

■適した目的
個人の趣味、または企業によるコネクション作りに向いています。
参加者が、20-30人ほどを越えると、オーディエンスの方は懇親会で話すことはもちろん、名刺などを交換することも厳しくなってきます。
情報を広めたいのか、コネクションを作りたいのか目的によって人数を決めてみてください

私はこれまで、60-180名程度のイベントは完全に個人の趣味でやっていました。
そういったことはどちらかというとやるタイプではないのですが、やったことがないのでやってみたというぐらいです。
ただ、この方向性で個人の趣味でやるにしても長期的な資産をあらかじめ考え、記録やブログなどにしておくことをお勧めします。

■コスト 
収入
・チケット代:1000円×50名=50,000円以下
手数料なども引かれると、だいたい4万ちょいぐらいで着地
※人気のイベントでも、ぴったり枚数を売り切ることがキャンセルなどが入るため難しいです。満額が入るのはレアと捉えてください
売上を安定させたい場合、クレカのキャンセル返金なしにすると良いと思います
最近のイベントは安いので、金を払って現場に来ない(来れない)人も結構います
チケットシステムを使うと、15%ほどは売上から引かれます

出費
・会場(都内):0〜10万円
※平日19:00〜22:00ごろまで。機材費混み。
・登壇者:0〜?万円
※人数と交渉によります。
・ボランティア:0〜?千円
※人数と交渉によります。
参加者の7%ぐらいの人数が必要
・飲食:600円〜(一人)
※お酒を出すと、食べ物がスナックなどでも600円ぐらいは行くことがあります。その結果、酒が余ってしまったりすることも、、、
・マーケ:0円
この規模でマーケをすると赤字がとんでもないことになります。facebookやtwitterなどで告知しましょう

総額
概ね5万以上の赤字

まとめ
・個人、企業どちらがやるにしても主催は赤字になります。
・場所は無料を見つけないとその時点で二桁万赤字ほぼ確定
・登壇者、ボランディアスタッフも安価、無料が基本
・マーケは不要。人が集まらなくてもマーケは打たない方がいい

【B】中規模イベント(100〜400名程度)

■適した目的
採用活動や、スタートアップカンファレンスに向いています。
ここまでくると、主催側は発信することが主となり、来場者側との双方向のイベントという雰囲気は薄まります

一方で、デザイナー、エンジニアなどカテゴリーを分け、広く採用のリードの獲得としては以外と人気のあるボリュームのイベントだと思われます。
なぜなら、この規模のイベントで人を集めるのは大体が大企業、または中小企業の連名で行われ、人材の獲得費用としてはリーズナブルになることもありえるからです。

■コスト 
収入

・チケット代:1000円×200名=200,000円以下
※チケット代は、収入目的というより、ひやかしを減らすために設定
・企業からの協賛:0〜200万円
※ブース、チラシ枠などの協賛によるもの
※5〜50万ぐらいまで複数のスポンサーコースを想定
スポンサーを募集する場合、会場設計できる人が必達になります。

出費
・会場(都内):0〜100万円
※半日ぐらいやることが多い。
・登壇者:0〜50万円
※人数と交渉によります。
※この規模になると、客寄せ的役割も出てくるので、人によっては高価になります。
・ボランティア:0〜?千円
※人数と交渉によります。
参加者の7%ぐらいの人数が必要
※この規模の場合、若手社員などの動員が行われることがあります。
・飲食:1,000円〜(一人)
※お酒は余っても会社に保管などします。
※少しおしゃれにしたり、おいしさを求めたりすると、一人単価1,000円では到底収まりません。
・マーケ:0〜?円
※facebookやtwitterなどで告知で集めきれないため、バナーなどを打つか、LPを作ると数十万から数百万は軽く行きます。

総額
概ね50万以上の赤字(投資)
この規模だと、テーマが良くないと協賛は集められません
先進技術、タレント採用などはいつでも人気テーマです。

まとめ
・企業が採用を目的として投資。
・登壇者、スタッフは無料では済まないケースが増えます。
・トランシーバーなどの機材を使いこなせ、会場設計、指揮を行える熟練した運営が必要になります。
・必要に応じてマーケ使うことで、大金がかかります。

【C】大規模イベント(1000名〜程度)

■適した目的
合同製品発表&商談、エキスポ、採用活動に向いています。
この規模になると、数時間で終わることは少なく、半日〜数日やることもあります。
参加費用は、イベントの内容によりますが、無料〜10万以上などもありますので一概に言えません。

■コスト
収入
・チケット代:1000円×1000名=1,000,000円程度
・企業からの協賛:1,000〜2,000万以上
※ブース、チラシ枠などの協賛によるもの
※5〜50万ぐらいまで複数のスポンサーコースを想定
※スポンサーを募集する場合、会場設計できる人が必達になります。
スポンサー獲得営業がいるべきです。

出費
・会場(都内):300〜1,000万円(1日)
 ※平日10:00〜18:00ごろまで。機材費混み。
 ※搬入で前日を使うとこの倍程度になることもあります。
・登壇者:0〜50万円
※人数と交渉によります。
※客寄せ的役割も出てくるので、人によっては高価になります。
・ボランティア:0〜?千円
※人数と交渉によります。
※参加者の7%ぐらいの人数が必要
※この規模の場合、若手社員などの動員が行われることがあります。
・飲食:0〜1,000円(一人)
この規模では逆にお酒や、食事を出すケースが減ります。
・マーケ:数百万円
この規模の場合はマーケはします。ただし、既存の顧客へのDMなどが主になることも

総額
概ね500万以上の投資
※もはや赤字でなく、投資です。

まとめ
・大手企業やイベント専門の会社が行う規模
・チケットで儲けるビジネスではない
・登壇者、ボランディアスタッフは無料では済まないケースが増えます。
・熟練した運営が必須。
・マーケがほぼ必須。

全体をまとめると、
『デザイン・エンジニアリングのイベントは、チケット代は足し程度にしかならず他の目的を持って相殺』
というものでした。

結構タフですが、やってみると面白いものですので、興味がわいたら皆さんもどうぞ。

大小に関わらず、イベントには、企画設計書が必要で、その作り方の記事なんかも気が向いたら書きます
では :)