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カンヌライオンズPART1『獲ったらどうなる? 』編

この記事は、1週間後に有料化しようと思ってましたが、中身があんまりなのでPART2『獲り方編』を有料にしようと思います

まず一応、カンヌライオンズとは、世界でもっとも影響力のある広告、クリエイティブのアワードで、獅子の形をしたトロフィーで有名です。他にもクリオ、One Showなどもあるのですが、実際のところ、世界中のクリエイティブディレクター、デザイナーなどはカンヌライオンズを本丸としています。

ここからは、私の実体験を基にして、下記のトピックに分けて記事を書いています。PART1では【1】のみについて触れます。ちょい長くなっちゃったので。PART2で、【2】と【3】をまとめようと思ってます
【1】カンヌライオンズを獲るとどうなるのか?
【2】カンヌライオンズの金獅子以上を獲るには
【3】
カンヌライオンズのクリエイティブの活かし方
私が金獅子賞をチームで獲ったのは2014年で、それ以降は応募もしていません。状況・流行の変化などはあると思います。ご了承ください

【1】カンヌライオンズを獲るとどうなるのか?

大きな意味でいうと別にどうにもならないと思います。大きな意味とは、社会的、歴史的意義や理想のデザイン性など私の主観によるところも大きいのですが、でも読者さんの中の受賞者経験者さん、未来の受賞者さんがいたら多分、同じ気持ちになると思います。

でも細かい話でいうとかなり効果があるとこもあります。視点別にみていきましょう。
※海外で獲った場合をベースにしています。日本国内のプロジェクトで獲る場合は、共通しない部分もあります。

【デザイナー】
関わり方にもよるが、昇給や他の会社からのオファーが来ることがあります。ただ、カンヌライオンズの場合、チームが大人数になりがちで、映像を含む戦略的プレゼンテーションが重視されるため、デザイナーにフォーカスが大きく当たることは考えにくいです。※アートティレクターは別
もともと若者に焦点を当てる目的のヤングガンズという部門だとものすごいフォーカスされると思います。

例えば、面接で『カンヌライオンズ獲ったことがあります!』といえば、代理店やデザイン会社の面接官は”おっ”と思うかもしれませんが、同時にどこまでやったんだろう、貢献したんだろうとも思われてしまいます。複数回獲っていれば、そういった疑われるみたいなことはなく、若い分だけかなりの高い評価を得ることができると思います。

【クリエイティブディレクター or チーフオフィサー】
制作チーム内では、当たり前ですが、このポジションがもっとも評価されます。具体的には、出世、昇給などです。海外で獲れば、国をまたいで、オファーが来ます。就労ビザも取得しやすい
です。
過去の英語の勉強記事でも触れましたが、クリエイティブディレクターなどは、世界的に尊敬される専門職で、様々な国が新しいコンテンツを作るために欲しい人材です。
年収なども日本の常識を超える範囲でも自由になると思います。
ただし、そのオファーを受けると、『もう一回獲ってくれるよね?』という期待とアワード争い螺旋への招待が待っています(笑)。まあ、当たり前ですよね。

【制作会社=映像、グラフィック、ウェブなど】
このポジションもかなりの効果があります。具体的には、受注額の上昇、営業をしなくても仕事が来る、仕事の質の向上、人材採用の効率化などなど。
いわゆる会社としてのブランドの獲得です。

一般的に、アワード案件と言われる受賞を狙うプロジェクトには金がありません。暗黙の見返りとして、獲れた時は名誉だけでなく、実際に仕事などを手に入れることができるという一種の投資です。
しかし、発注側(クライアント、代理店)も真剣なので、誰でも頼むわけでなく、そこまでの制作能力があって初めてその投資に参加できる仕組みになっています。
日本だとどんな会社が?世界だとどんな会社が?というのは、カンヌライオンズの受賞ページのチームを見ると載っているケースがあります。
基本的に広告賞の主役は、広告代理店であるため、載ってない、載せないケースがあるというところです。

【広告代理店】
制作会社とほぼ同じ効果が出ます。総合的ブランド力の獲得です。
普段、他の広告代理店と競合コンペなどを行う場合に、いかにクライアントの心を掴める、掴み続けられるかが課題となりますが、アワードのようなぶっ飛んだものを獲っておくと、まずは強みの一つになり、真似されることが大変難しい。というのはあると思います。つまり、自社内のクリエイターの箔付けなどにも一役買い、単価をあげることも同時にできるということですね。
ただし、アワードは費用対効果、マーケティング効果はほぼないので、冷静なクライアントだとそれがなんだ?となると思います。

同時に、代理店内の社内評価として、他の人が真似しにくいので、出世の一つの指標になることも会社によってはあると思われます。

【クライアント】
アワード争いに参加する上で、利点がもっとも少ないのではないかと思います。
私は、クライアントの立場で、広告代理店や制作会社にアワード案件の発注をした経験がありませんが、なぜクライアントはアワードに応募するのだろうか?は謎です。
そう思う理由は、下記のようなものです。
・広告賞プロジェクトはほとんど一般人の目に触れないため、ブランドにもマーケ効果にも影響を与えない
・カンヌライオンズなどは特に応募費用がとても高い上、当然獲れない可能性の方が圧倒的に高い

推測するところ、広告代理店や制作会社との付き合いの延長上で行われている。社内若手有志などのガス抜きなどかなぁというところです。
有名アワードの名称を一般人の一部がちょっと知っていて、なんとなく信頼できるというブランドの醸成にはなるかもしれませんが、実際のところそれを証明するデータなどはないと思われます。
あったら教えてください  カンヌ広告賞の費用対効果の論文

獲った時の見返りが大きいポジション順位まとめ
1位:広告代理店 、制作会社
2位:クリエイティブディレクター、各チーフオフィサーなど
3位:デザイナー、コピーライター、PM、ムービーディレクターなど
4位:クライアント
という感じだと思います。
そのため、広告代理店や制作会社はアワード案件の費用を出す、受け取らないなどしてクライアントに参加をお願いするケースすらあります

一方、カンヌライオンズをはじめとした各種アワードは、
『必ずクライアントの同意のもと応募してください』
という規約があったります。
これは、クライアントは興味がないのに、勝手にクライアントの名前を使って応募をしてしまう代理店、制作会社があったからということでしょう。

詳しくは、PART2で書きますが、獲りたいなら獲った実績のあるところに入るのがとてつもなく早い手だと思いますよ。(それでも金以上ともなれば、倍率はかなりの高めとなりますが)

ということで、PART1終了です。また数日以内ぐらいにPART2を書きます。
ではでは:)