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【スキル編】2020年からのデザイナーの生き方予想2

前回、好評いただいたので、もうちょい解像度あげたスキルについて書いてみます。2020年以降、景気など周辺環境が落ち込むとして、周辺環境について書いたのが、前回の『2020年からのデザイナーの生き方(予想)』です

前段 = デザイナーが持つ二つの特性とスキル

そもそもデザイナーという職業は、他の職種の人だけでなく、デザイナーをも混乱させる不明瞭さがあると思います。
私としては、それはArt(芸術性)を重んじるか、Logic(理論性)を重んじるかの差で揺れている部分のブレだと考えています。本来的には、デザインは、その二つのバランスよく持ち、Business(商業的な)課題を解決することにあります。

今の時代は、
デジタルによって数値が測ることができ、給料という数字をもらうので、給料に関心がある場合は、数字でのコミュニケーションが筋のように感じます。
(例)数字を研究してデザインを作り、売りをあげました。他の事業でも再現しました。給料あげてください(=多分、経営は断れません

でも、
Artは不思議な魅力で人を夢中にさせそちら側ばかりを勉強してしまったり、そちら側に励んでいる人ばかりが巨匠と崇められてしまう傾向があります。
そして独自性を持つ人は給料テンプレートにはまらず、行くところまで行けば、青天井となることもあり得ます。特に経済の元気な国では起こります
この場合、突っ切れてないArt能力は数字での価値化はしにくくなり、労働時間と給料が比例しにくくなることでしょう

また、
ArtとLogicの間にある特性の違いは、『Art(芸術性)=爆発する力』と『Logic(理論性)=再現する力』だと考えています。
当たり前ですが、平和である、大企業であるグループだけが、再現する力を求めるわけでなく、スタートアップとしても、しくじれば一発で死ぬわけですから、そういう人たちも再現性を欲しがり、結果的に、現状のスキルバランスとしては、『Logic(理論性)=再現する力』寄りと考えられるUX/UIデザイナーや、チームビルドができるディレクタータイプの人々が数字的な評価を得やすいのだと思います。

そこに、芸術性に振っているデザイナーは不満を感じるでしょう。

というところで、本記事の参考の仕方として、
たとえばArtはデザイナーとしては絶対にfullでやり続ける、でも将来も心配。
とか、
デザインの勉強を学校でしてなかったけど、どのようにデザインに入門するべきだろう、、
という人に読んでもらえると何らかの足しになったりするのかもしれません。

海外でもあることですが、デザインの勉強してるばかりがいいデザインを作るわけではないです。
むしろ歴史上は、いい大学出て、あえてデザインに突っ込んでくる人のほうが跳ねてる気すらします
※私は低脳デザイナーです。全く勉強嫌いです。

私のバランス感としては、
基本Art型の勉強をし、アワードも撮りたかったのでそちらに振っていた。ハイテクも好きであったり、海外での生活を通して、勉強するうちに、ロジックもある程度理解し中和された。エンジニアリングはできない。
という感じです。下に出てくるスキルに関しては、なるべく中立に書いているつもりです。私も時間や知力があるなら、上記のスキルセットにはしなかったかもしれません。

2020以降のスキル勢い予想

・デッサン
2020:○ 2025:○ 2030:○
絵としての技術というより、画面内での物の整理の力の基礎として。
もともとそうかもしれませんが、印刷やデジタル、素材屋などが増え、絵をがっつり書く時代からは次第に離れるのかもしれませんが、少ないスペース中で、限定的オブジェクトをどう配置するのかなどを磨ける。

・グラフィックデザイン
2020:○ 2025:△ 2030:△
上記と多少重複しますが、デザイナーが全ての写真やイラストを書くというより、コンセプトや全体の配置などを決めて細部は、写真やイラストなどそれぞれの練度が高いプロ中のプロに依頼するという流れが、今後もより強まりそうだなということです。仮にグラフィックデザインが印刷物に強みを持つデザイナーだとすると、数字計測できないものはArt性はさておきLogicにかけるところが構造上出るため、勢いに反映されそうです。

・コピーライティング(日本語)
2020:△ 2025:△ 2030:×

デジタルデバイスの台頭によって、日本語の文章からなる良さのようなものであったり、紙の印刷に比べると肌さわり感の演出もしにくく英語の持つ単刀直入さの方がマッチしやすく感じます
また、インターネットの強みである世界を縮める力、デジタルのバイトの世界の双方に日本語自体が不利でもあります。
日本語を読めない、日本語を送信するだけで重い
Artとして日本人としてどう思うかというより、デザインがマイノリティも含むみんなのものであり、全体から見ればそうなるのではという予想です。
※ちなみに、インターネット上の日本語の割合は、ここ1.5年ほどで、30%も減ったとか。=単に他の言語が勢いを増し相対的にそうなってるだけだと思いますが。

・色彩心理学(色の知識)
2020:○ 2025:◎ 2030:◎
色の意味、心理的影響に関するスキルは今後重要度を増す傾向
スマホなど限定的なスペースと1画面に配置できるオブジェクト数、シンプルなデザインの流行があるため
技術の進歩によってどのような環境でもある程度色を合わせられるようになってきた。
また、様々な身体的、精神的特徴を持つ人であっても、その多様性を包めるような技術として、色彩心理学は今後は伸びてきそうだなと思います。 ただし、民族によって色の意味はかなり変わるので、脳死状態でバンバン使えるわけではありません

・タイポグラフィ
2020:○ 2025:△ 2030:×
電子デバイスの流行や、制作時間の費用対効果、作れるハイスキル人の少なさ、料金体制の難しさなどからスキル取得難易度に対して、市場の重要度が下がる傾向になるのではと予測しています。
そもそもありとあらゆるデバイスで、ほぼ同じ形状を見ることが難しい今、名刺だけ、プレゼン資料だけ綺麗にすることは、コンセプトがない限り、その工数に対する理由を求められそうです。
かつてのタイポには時代背景があり、(酒は飲まないのですが、たぶん)ワインのように産地や風土を気にしながら使うオシャレさもあると思います。しかし、再現性や効果・速度は良くも悪くもそことは完全な共存するものでもないと思います。審美的、芸術的価値が落ちるということでなく、商業的デザインで使うなら、の話です。
とはいえ、どの領域もですが、エッジの立っている人が無下に扱われることはありませんgoogle fontの制作に携わるなどはおそらく大変な敬意を払われることでしょう。

・エンジニアリング
2020:◎ 2025:◎ 2030:◎
エンジニアリングもまた大きいトピックなので、デザイナーがエンジニアリングできる場合、余計な素材・切り出しを作る必要がなくなるし、演出などにも凝れるので相乗効果があると思います。
デジタルに触れる時代、世界が近くなる時代、エンジニアリングは外国語話せなくても通じる世界語の一つのなっており、より強まると思います。
※余談ですが、数学は神の言語らしいです。

・ソフトウエアツールスキル(Adobeなど)
2020:◎ 2025:◎ 2030:◎
Adobeなどのことで今も必須ですがこれからも必須だと思います。Adobeのソフトは良くも悪くも機能過多で、UIに関して課題が槍玉に上がりがちです。しかし、フィルターやペンツールなど細かいところで職人の期待に応えることの技術を持っているように感じます。その時、Adobeかそれ以外かなどの議論は今後も定期的に起こるかと思いますが、最近のAdobeのビジネス観点での恐ろしく勢いがあり、Adobe以外のソフトを深追いして、他の勉強の機会を失わないようにするという戦略もありかもしれません。スキルを選ぶということは時間やお金の限界に合わせた取捨選択ということだと思うからです。

・語学(英語など)
2020:△ 2025:○ 2030:◎
今はなくても全然問題なく業務が実行
できると思います。いうまでもないかもですが、時間経過とともに重要性を増します。
どのようなシーンか具体的にいうと、不景気で海外人材プールと交わる場合企業単位ではすごくうまくいっており、海外の市場を狙いたいそうなったときに、国内で培ったデザイン能力は結構使えないものも出てきます。
流行りもタブーも異なるためです。その時に言葉があれば、情報収集やまだ打開できる可能性もあるかもしれません。しかし人種の壁もあるので、超えられないものもありますが、だからこそ高いレベル有する意味もでます。
流石に2030年は英語スキルがないとデメリットも出てくると思います

・ブランディング(英語など)
2020:△ 2025:○  2030:○
最近微妙に脚光
を浴びているように思います。そもそもデザイン以上に多様な人たちがアクセスし、定義が存在しにくいエリアになっています。マーケほどお金は落とせないだろうし、デザインほど、ぶっ飛んでるわけでもない。学術としてのブランド論や、マーケとしてのブランディング、計測法としてのvaluationなどどれもが違うものを追っているかのようです。
ただ異文化と交わる時に重要度が増します。私は割とこの辺りをやっていることも増えました。

・コミュニティビルドスキル
2020:○ 2025:◎ 2030:◎
脚光を浴びつつあると思います。
コミュニティデザイナーのコアスキルです。ここはデザイナーのスキルというより、人のもともと持つ性格なども深く影響する領域で、他の業界の人でも上手い人はいくらでもいると思います。
デザインのタッチポイントして、メディアバイイングが旧時代的であると考えられてくるのであれば、自社の名声を再現性のある形で稼ぎたい
>オウンドメディアの形成、コミュニティの形成となります。
このスキルは、基本的な、SNSのスキルや、コンパクトにチラシを作ったり、場所を飾ったりするスキルの集合体であると思います。
獲得するには自分がやってみるのがいいと思います。
あまり学科があるなどは聞いたことがないです。

・経済学&マーケティング
2020:△  2025:○  2030:◎
現状は、なくても大丈夫かもしれませんが、数字を分析して、それをビジュアルに落として、実際に数字を改善する職種に明らかに評価が集まっています。
デザイナーになってから経済学を学ぶというのは奇妙に感じるかもしれませんが、経済学を学んだ人がデザイナーになるという時にそれも立派な武器であると思います。
というところです。

ほかにもいろいろあると思いますが、なんか思いついたら追記します
またしても長くなったので、この辺りで。
では:)