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デザイナーに副業が必要な理由

今回はややデザイナーさん向けですが、ビジネスや法の方に読んでいただいても良いかもです。”より良いデザイン(プロダクト)を達成するために、いかに副業が重要か”という話です。※自戒も込めて
興味あったら読み進めてみてください。

副業の最重要点は、デザイン以外の知識が増えるためです。
イラストレーション、タイポグラフィー、心理学、色彩学などをより深く学ぶのも良いのですが、ここでは、デザインのロジカルな価値(経営、法律など)を意味し、数字に紐づいた知識についてです。

デザイン以外の知識を得る意味

私は、自身の趣向でデザインを選び、ビジネス的には全く何にも考えてなかったのですが、デザインをビジネス観点で見ると、ビジネスのいろはをぶっ飛ばしてもある程度成立するラッキーな業態であったと思います。
理由は、デザインは人とスキルがメインで、仕入れ(店を作る、食材を買うなど)が少なく、利益率が高いからです。営業・集客は大変だと思いますが、それは他の業態にもあります。

一般的なビジネスは、借金から初めて、何年で返せるかなどの設計から入ります。デザインは、見通しの立たない状態で、オフィスレンタルや高級機材の購入をしなければ、翌々月には黒字化することもあり得る商売ですから、数字を読むという重要なビジネス基礎をある程度、無視できるのです。

でも、長い目で見れば、そのラッキー状態が、デザイナーにとって悪い方向に働く可能性があると思います。
例えば、商標のいろは、契約を知らない、見通しを立てられないなど、デザイナーとして知っておいた方がいい領域も知らない状態を招くということです。

例えば、商標って申請自体に金と時間がかかるので、あらかじめ通らなそうかデザイナーもわかった方がよくないでしょうか?
最終的には専門家にお願いするのですが、その前に明らかに通らないやつをフィルタリングはできた方がいいということです

デザインにまつわる法については、一般デザイナーも法律家もあまり知らない領域があり、特にフォント、モラル周りでは法的バトルはそこら中で勃発していると思います。知っとけば、九死に一生を得るかもしれない部分もあります

まとめると、デザイン自体は、結構良い商売。基礎ビジネスや周辺知識を修めればもっと良くできる!ということです。
結果、時間やお金に余裕ができれば、デザイン勉強や休息などにも気を割けますね。

デザインとビジネス

以前、私には疑問がありました。
『なぜ非デザイナーのデザインコンサルティングに高価値がつくのか?』

もちろん、経営や統計を修め、アドバイスが正確であることもあると思いますが、もっとも重要なファクターは、ライバルの情報を持っており、数字的な表現がされているからだと考えています。

これがどういうことかというと、ブランド価値基準にプレミアムという項目があります。※インターブランド社制定のもの
これは、同じ物(原価)でロゴを付けただけでどちらが高く売れるか?という指標で、ブランド、デザインの価値の最もわかりやすく表現してくれるものだと思います。
あまりにもシンプルですが、例で言うと、
50円の無垢なコップ+A社のロゴ=100円で売れる
50円の無垢なコップ+B社のロゴ=90円で売れる
A社の方が、人の心を掴めてるばかりか、お金も払ってもらえてます。素晴らしいですね。
※一応、注意:ブランド、デザインのみで価格をつけられているわけでなく、それまでのデザインを含む多様な投資・努力によるものです。

ここでさらなる疑問です。
トップシークレットであるライバルの原価は、誰が知っているのでしょうか


デザイナーがさくっとここまで知るのは厳しいと思います。しかし、コンサルティングファーム、リサーチ会社は、かなりの精度で知っています。これがコンサルティングが高価であることに関して説得力を持つのです。

その原価情報が、デザイナー同士でわかるささやかな良さよりも、他分野の人にとってわかりやすい、ある意味"素晴らしい伝えるデザインが成立"している数字で話すことも、わかりやすい上質なデザイン※って感じでしょうか
※ここでは、”デザイン”が芸術でなく、商業デザインであることを想定しています。

しかし、デザイナーも副業を通して、幾つもプロジェクトを手がけ、多様な情報、専門家と仕事をするうちに情報・推測力を得られるようになることもあります。その情報・推測を元に、デザインのテイストを繊細に、意識的にコントロールして、アウトプットできるようになれば、一気にデザイナーならではの強さがみえてきます

デザインと法律

私は法律、法律専門家をデザインのポテンシャルを引き出してくれる”恐ろしいほど”頼もしい存在として認識しています。一般的に法律の専門家らと仕事をする機会がデザイナーには薄いと思いますので、副業やその他のMeet Upなどで情報交換できる場を探しましょう。意外とデザイン領域に興味を持ってくれている法律家もいます。

これが重要な理由は、法が、デザインの価値のはっきりさせることができるからです。本来デザインは曖昧なところがいいと思っていますが、常に曖昧だと困ることもあります。
そこで、法律専門家たちとの連携で守りと攻めまでいけてしまうのです

守りの法律

守りは、法律の基本領域かと思います。デザインにとっても、事前に危険に配慮し、デザインのクラフトを見る余裕があるぐらいの平和をもたらしてくれます
記憶に新しい話として、ロゴデザインについて、大きな問題がいくつも起こってましたね。法的問題が起こると、ロゴのクラフトの素晴らしさを議論できなくなってしまいます。元も子もないって感じですね。

デザイナーとして、図や名称を考える時に、最低でも、特許情報プラットフォームはチェックはしておいた方がいいと思います。これは、新卒でも学生でもです。

モラルなど曖昧な部分については、チームや専門家と相談し合い、日頃から勉強会などを行なったり、参加することが、自分のデザインを守る秘訣かもしれません。
この辺りは、会社やプロジェクトのステージによってかなり変わるものですが、知っておくことに越したことはないです。

攻めの法律

法律は、決して防御的な退屈なものではないと考えています。
使い方によってはかなり前進的に、デザインの味方をしてくれます。

かつて私が登壇・モデレーションをした記事※にも少し書いています。
※Creative Xから引用

特に面白いところを要約すると、クロスライセンスについてです。
これは、自分の特許を使って訴訟をしてお金を得ることでなく、他社のもつ特許を相互に公開し使い合えるようにすることです。そうすれば、今までできなかった表現が法的に許されるという道も開けます。

海外で、プログラマーやデザイナーの獲得になぜ数十億の価値がつくのか?それは実力だけでなく特許などの保有、またはそれを過去に達成した実績があるからだと思います。



ちょっと長めだったかもしれませんが、
副業をして他の真剣勝負の場でデザイン以外の知識を手に入れよう。そうすれば良いデザインが作れて、キャリアやお金は後からついてくると思いますってところです。では!:)

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