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トヨタ自動運転車”e-Palette”が描く完全無人物流ビジネス [新・モビリティビジネス論]

 #自動運転 #電気自動車 #人工知能 #コネクティッド #IoT #AI
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自動運転MaaS専用車両トヨタ e-Palette とは

2018年1月9日、トヨタは2018 International CESにおいて、移動、物流、物販など多目的に活用できるモビリティサービス(MaaS)専用次世代電気自動車e-Palette Conceptを発表しました。

完全自動運転をベースにした e-Palette は、シェアリングモビリティをはじめとする様々な分野への活用が期待されています。まずは、物流の分野でどのようなに扱う事が出来るのでしょうか。
(参照:https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/20508200.html)
(参照:https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/)

ラストワンマイルへの適用

まずは、物流システムのどの部分にe-Paletteは活用されるのか考えていきましょう。物流事業者が物を運ぶ方式として一般的に広く活用されているのが「ハブアンドスポーク方式」です。ハブアンドスポーク方式とは、中心拠点(ハブ)に貨物を集約させ、拠点(スポーク)毎に仕分けて運搬する輸送方式になります。店舗で受け取った配達物は、「小型ハブから大型ハブ」長距離移動したのち「大型ハブ→小型ハブ」と移動し、各個人または法人へ届けられます。そして、重要なのは、e-Paletteはこの物流システムすべてに代替するものではなく、「ラストワンマイル」への適応が目的ではないかということです。物流の効率化を目指すためには、長距離輸送、短距離輸送、それぞれ最適な輸送方法が存在し得るはずだからです。ゆえに、現存する物流システムとの連携は必要不可欠になると考えられます。

● 単純な配達業から配達サービスへ

今までの配達業は、トラックを自社で所有するかリース会社からリースをし、運転手を雇う事で運営していました。また、物流事業者は、トラックの担当区域、小型ハブ、大型ハブ、それぞれを運用することで物流の効率化を図ってきました。ただ、トラックの運転手不足やEコマース市場の成長による需要過多により厳しい状況下に置かれているのは間違いないようです。

e-Paletteがその業務の代替するとどのような変化が生まれるでしょうか。e-Paletteになると物流事業者は直接的にそれを所有することはなくなり、代わりに、無人走行のノウハウを持つe-Palette事業者がサービスとして、配達業を請け負う形になると考えられます。物流事業者は、直接的にトラックを所有し運用する必要はなく、配達指示をするのみとなります。また人件費がかからない分、慢性的に発生しているドライバー不足+供給過多への対応が可能になると考えられます。この技術が可能になれば、物流業者にとっては、様々なリスクを回避することができ、また、物流システム全体の自動化も可能になります。

● 配達受け渡しの効率化

店舗から発送された配達物は大型ハブ、小型ハブを介して個人・法人の手元へ配送されていきます。皆さん経験があるかと思いますが、配達物の受け渡しは、いつもひと手間かかってしまいます。受け取り時間が合わなかったり、たまたま留守だったり、受け取り側だけではなく、配達ドライバーにとっても過酷な労働を強いられる事も多々あるようです。

e-Paletteが浸透し、受け取り側が配達時間と場所を指定する事が当たり前になれば、そもそもドライバーの負担もなくなり、効率的な荷物の受け渡しが実現できるかもしれません。

● 物流ルートすべての情報が取得可能

先ほど述べたように、最後の受け渡し等はドライバーとのやり取り、電話予約だったりとドライバーと受け取り側のやり取りで行う事も多く、全ての情報を物流業者が把握できる訳ではありません。
もし、e-Paletteを使用すれば、もちろん無人走行システムですのですべての情報は、収集され次の物流システム効率化のために役立たせることができます。つまり、ラストワンマイルを自動化させることができれば物の流れを完全にトラッキングすることが実質可能になります。

現実化条件

e-Paletteを物流ビジネスに活用させるためには、どんな壁を乗り越える必要があるのでしょうか。無人配車サービスと同じく、技術の成熟や法整備は必要不可欠であることに変わりはありません。それに追加して、従来の物流システムとの連携も非常に重要です。e-Paletteが完璧に作動しても、物流事業者のシステムがそれに協調できないシステムであれば、e-Paletteの活用は困難になります。また、個人への配達業務を含む形になるので、一般人でも扱いやすいUXも大切な要素になるのではないでしょうか。

最後に

良いところ
● ドライバー不足を解消
● Eコマース市場の成長に伴う供給過多に対応
● 配達受け渡しの効率化
● 物流ルートすべての情報が取得可能

今後の課題
▲ 技術の成熟
▲ 物流システムとの協調
▲ 法規制の緩和

ドライバー不足に悩まされている物流業界、自動化に向けた取り組みは様々な場所で活発になってきています。製造ラインの自動化、工場内自動化、トラック運搬の省人化。その中でも、e-Paletteは一番自動化のハードルが高いラストワンマイルへの適応を狙っています。技術的な障壁はまだまだあるかもしれませんが、e-Paletteの描く物流ビジネスが可能になれば、日本の物流システムは一変するのは間違いないかなと思います!

まとめは、以下より
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