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Story 1. WOOLTILEのはじまり。ブランドの建てつけ

ウールカーペット産地を未来に残していきたい!

WOOLTILEの構想は約2年前、2017年からはじまりました。

2017年、カーペット業界に激震が走りました。堀田カーペットの同業者のカーペットメーカーが、倒産するという出来事がありました。そもそも、ウィルトンカーペットメーカーは国内に数社しかない中で、業界で1番大きな会社の倒産は、大変な驚きとともに、大変な危機感をおぼえた出来事でした。

堀田カーペットは、これ以上のカーペットの市場の減少を食い止めること、産地を守っていくことを考え、その会社の一部の機械を買い取り、引き受けることにしました。その機械は、「アキスタイル」という、倒産した会社の特許技術がつまった、世界でもどこもつくることができない機械で、機械を引き受けるとともに、職人もいっしょにきていただくことになりました。

買い取った機械をそもそもどこに据え付けるのか?カーペットの織機は巨大で、そう簡単には設置できません。堀田カーペットは、和歌山工場を増築し、そこに据え付けることを決め、その準備に入りました。

カーペットの機械は、特殊なもので、現在日本には織機メーカーは存在しません。つまり、引き取ると決めたもののの、それをどうやって和歌山工場に運ぶのか?そもそも解体、新設置が可能なのかどうか、そこから検討が始まりました。

2018年8月、いろいろな方のご協力のおかげで、なんとか設置するところまではでき、ここから機械の調整、立ち上げに入っていくことになりました。

堀田カーペットが「アキスタイル」を買い取って設置したことは、もちろん堀田カーペットの未来のためであることは間違いありませんが、ウールカーペットの産地の未来に少しでも貢献できていくことを願っています。

売上の軸をもう一つつくりたい!

僕は2018年の初め頃、こんなことを考えていました。

・オリンピックが終わったあとの売り上げ減少の可能性に備え、何か打ち手がないか?

・本社工場のキャパシティには、限界がある中で、それ以外で新しい会社の軸はつくれないか?

・和歌山工場には、アキスタイルだけではなく、相当な投資をしていたので、そろそろ売り上げをしっかり上げていける商品開発をしなければ・・・。

どんな会社もそうだと思いますが、ある1つの市場や、1つの製品だけでは、それがわるくなってしまうと、会社も一緒に倒れていくことになります。堀田カーペットも、会社としてのリスク管理という側面、今後の成長戦略という側面、両面から考えると、「アキスタイル」を活用したあらたな商品開発をしていくということは、自然と考えつくところでした。

お客様のご要望に答えきれないもどかしさを解消する!

一方で、工事を必要とするブランド「woolflooring」、ラグブランド「COURT」だけでは、お客様のご要望にお答えしきれていないことが、最近増えてきていました。

・お客様から会社にお電話をいただき、北海道の***の街に住んでいて、カーペットを敷いてほしいのだけで敷いてもらえるか??

・現在マンションを購入したんだけど、カーペットを敷きたいのだけど敷けるか?(マンションなどすでにフローリングが敷かれている状態の場合、その上にカーペットを敷き詰めるとドアと干渉してしまったりする場合もあり、敷けない場合もある)

せっかくカーペットの暮らしに興味をもってくださっているのに、なかなか会社としてお受けすることができないことが、大変心苦しく、悔しい思いをしていました。

ご紹介した3つのことを考え続けている中で、ひとつに繋がったのが、

「ウールのDIYカーペットブランドをつくる!」

ということでした。

「ブランドの建てつけ」の整理

強みの分析
堀田カーペットの強み =ウールカーペット
アキスタイルの強み =タイル状でありながら柄がつながる

市場の環境
本格的なロールカーペットは専門職の施工が必要で市場開拓に時間がかかる
新築の住宅市場は飽和状態でリノベーション、DIYという市場が注目されつつある

社内の環境
和歌山工場の稼働を上げることで売り上げの軸をもうひとつつくるとともに、成長戦略においても、和歌山工場の稼働が必須

セグメント
タイルカーペットの市場は、ロールカーペットに比べると圧倒的に大きな市場性がある
一方で、ウール素材に訴求した商品、高価格帯商品は少ない
「DIY」という切り口のカーペット商品はない
(InstagramやGoogle検索で「DIYカーペット」はほぼヒットしない)

Story.2 WOOLTILEブランドの組み立て(流通とチームづくり)


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