韓国から届いたサイケデリックなグルーヴ 〜 Wetter(웨터)「Romance In A Weird World」〜



 韓国の4人組バンド、ウェターに出会ったキッカケは、去年観た「Who」のMVだ。この曲がファースト・シングルという情報以外は持っていなかったものの、その魅力にハマるまで時間はかからなかった。メロウなグルーヴの心地よさ、いい具合に力が抜けた歌声、音を詰め込みすぎないバンド・アンサンブルなど、随所でバンドの高いポテンシャルを発揮していた。


 そんなウェターが、ファースト・ミニ・アルバム「Romance In A Weird World」をリリースした。「Who」も含めた全6曲で構成された本作を聴いて驚いたのは、引きだしの多さだ。たとえば、酩酊感を漂わせるサイケデリアが渦巻くオープニングの「반대로」は、ザ・ヴァーヴを連想させる。ねちっこいベースが、ほのかにファンクの匂いを醸しているのも面白い。さまざまなロック・スターの名前が飛びだす歌詞も、ロック史に残るアーティストたちへ向けた敬意を素直に示しているみたいで、好感を持てる。


 また、性急なガレージ・ロックを鳴らす「이상한 나라의 로맨스」もお気に入りだ。軽快なノリを難なく作りあげる演奏はなかなかのもので、勢いだけのバンドではないことをうかがわせる。しかし、だからこそ、スケールのデカさを中途半端な形で表現してしまった「She Tastes Like Happiness」の粗が目立ってしまう。とはいえ、「반대로」や「이상한 나라의 로맨스」に秘められた可能性は、嘘じゃない。またひとつ楽しみなバンドが出てきた。

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