リアルとファンタジーが溶解した映像美 映画『グランド・ブダペスト・ホテル』
先日、映画『グランド・ブダペスト・ホテル』を観てきました。
監督は、『天才マックスの世界』などが知られるウェス・アンダーソン。ウェスといえば、『ダージリン急行』のプロローグ的作品『ホテル・シュヴァリエ』を制作していますが、彼はホテルに縁があるようで・・・。
とまあ、戯れ言はこのへんにして、ウェスの特徴でありスタイルであるシンメトリーな構図はもちろん健在。リアルとファンタジーが溶解した映像も、“作家主義”に括られることも多いウェスの美学が見事に反映されている。
テンポのよいストーリー展開は、ポップコーンやコーラを手にしながら楽しめるエンターテイメント性を含むものですが、同時に作家が作品に込めた想いにも想像力を働かせると、また違った面白さが出てくる。そういった意味では、間口が広い映画と言えるのではないでしょうか。
猫が投げ飛ばされるといったシーンに顕著なユーモアも面白く、これからウェスの世界に入ろうと試みている人にもオススメできる、素晴らしい映画だと思います。
(近藤真弥)
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