R.I.P. ソルリ



 f(x)のメンバーだったソルリが亡くなりました。僕にとって、彼女はK-POPの深い森に入る大きなきっかけのひとつです。f(x)の一員として、甘みたっぷり毒気とも言える独特の雰囲気を醸す姿に惹かれました。

 f(x)といえば、他のK-POPアーティストとは一線を画する、強烈なヴィジュアル表現が特徴のひとつです。アルバムのアートワークはもちろんのこと、プロモーション写真や雑誌のグラビアまで、あらゆるところに美学を見いだせる。ゆえに他を寄せつけない孤高さもあったけれど、だからこそf(x)は時代に囚われないタイムレスな魅力を獲得できたと思います。
 その魅力を形作るうえで、ソルリの甘い毒気は要だった。もちろん、4人体制のf(x)による『4 Walls』も興味深いアルバムだし、大好きです。とはいえ、ソルリ脱退以前と以後のf(x)は、まったくの別物だと思っています。そうなってしまうほど、ソルリの存在感は特別だった。

 今年、シンガーとしてカムバックしたときも嬉しかったです。“Goblin”のMVが公開されたとき、繰りかえし観たのは言うまでもありません。このMVには、自由奔放で、自分の言葉をしっかり伝えられるソルリの創造力が迸っている。いろんな解釈ができるけれど、ソルリが作詞に参加したこともふまえれば、自らの過去を受けいれたうえで、新たな一歩を踏みだそうとする内容に感じられます。
 ドリーミーでメルヘンチック、それでいてゴシックなダークさがある世界観もおもしろい。そんな世界観の中で、ファルセットを多用するソルリの歌声がリラックスした空気を漂わせているのも印象的です。その歌声を聴いて、これからどんな音楽を鳴らしてくれるのだろうと、心の底からワクワク感が込みあげてきました。

 それだけに、突然の訃報はとても哀しく、残念です。去年放送されたリアリティー番組『ジンリ商店』で、f(x)時代の苦悩を吐露したことからもわかるように、ソルリの芸能活動は順風満帆ではありませんでした。言われのない非難を数多く浴びてきたことも、ファンの人たちはよく知っています。そのうえで、ソルリにありがとうと言いたい人は多いでしょう。僕もその1人です。
 そしてソルリ、あなたが生きづらかったであろう俗世から哀悼の意を表すとともに、安らかに眠れることを願っています。


※ : 5人時代のf(x)+αなプレイリストを作りました。IUの“Red Queen”をラストに選んだのは、ソルリの絵がモチーフだからです。歌詞もまんまソルリだと思いますし。Spotifyにはすべてのf(x)作品があるわけじゃないので不完全な選曲ですが、お楽しみください。


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近藤 真弥

ポップ・カルチャーが大好きなフリーライター/編集。批評スタイルは「群れずに是々非々」。主な仕事のまとめ : http://masayakondo.strikingly.com/ 連絡先 : acidhouse19880727@gmail.com

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