“痩せすぎ=悪”なのか



 先日、打ち合わせでモデルの方と会う機会がありました。会うのは初めてだったんですが、いろいろ話をしてみたら、なんと筆者がこれまで書いてきた原稿を一通りチェックしたとのこと。初対面だから、事前にどういう人か知りたかったそうです。
 モデルさんが言及してくれたのは、ブラックピンクの「Kill This Love」評でした。ブラックピンクの大ファンなので、とても興味深く読んだという嬉しい感想。そこから彼女たちについて語りあう流れになり、楽しいひと時を過ごせました。そのなかで、特に筆者の興味を引いたモデルさんの言葉は以下のもの。

「過剰さについて書いてるところは、スレンダーな体こそ唯一の美とするような見せ方への批判ですよね。近藤さんは痩せすぎそのものがNGだと思ってますか?」

 「Kill This Love」評の論旨をちゃんと理解したうえでの、鋭い質問。これに対してはNOと答えました。筆者が抵抗感を抱くのは、スレンダー・ボディーだけが美とされるような風潮だからです。痩せすぎな人の存在を否定する気はまったくありません。脂肪萎縮症など、太れないという悩みを抱えがちな病気の方もいますからね。
 最近、ボディー・ポジティヴという言葉をよく見かけます。意味としては、どんな体形であろうと、自分を愛そうというものです。日本だと、渡辺直美さんがボディー・ポジティヴな発言をしています。

 モデルさんいわく、このボディー・ポジティヴが歪な形で現れることもあるそうです。撮影の仕事で、カメラマンさんに痩せていることを叱られたりとか。同じくモデルの友だちにも、そういう経験が少なくないと言います。
 ここまで行っちゃうと、本来のボディー・ポジティヴからズレた、抑圧的な態度だと思う。先述したように、自分を愛することこそ、ボディー・ポジティヴだからです。そこには痩せづらい体質の人はもちろんのこと、太りたくても太れない人など、あらゆる人たちが含まれる。すべての人が美しい、すべての人がかわいい、すべての人がカッコいい。これこそ、ボディー・ポジティヴの本質ではないでしょうか。

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