喜びを伝染させる 〜NYのDJ集団ディスクウーマン〜

 ディスクウーマン(Discwoman)は、ニューヨークを拠点に活動しているDJ集団。サイトにはヴォルヴォックス、アムファン(こちらはFORVOの発音を参考にした読み方)、ベアキャット、HDの計4人が載っているが、“techno feminist”を名乗るDJスワイプ・ライト(Swipe Right)というDJも関わっており、他にもメンバーはいそう。正直筆者も、全容は把握できておりません。フェミニズムの影響が見られる点は、ローレン・メイヴェリー(チャーチズ)が関わっているフェミニスト集団TYCIを想起させる。こちらも自分たちでグッズ製作をおこない、パーティーやイヴェントを定期的に開催している。異なるのは、ディスクウーマンがパーティーやイヴェントに特化した活動をしており、TYCIはZineの発行をするなど、ジャーナリズムの要素も濃いところだろうか。

 ディスクウーマンを知ったのは、ブラック・マドンナというDJがキッカケ。彼女は去年日本でもプレイし、ヨーロッパを中心に人気上昇中のDJ。テクノ、ハウス、ディスコ、ポスト・パンクなど、さまざまな音楽を接合する折衷的なスタイルが特徴だ。RAに掲載された記事を読んでもわかるように、彼女もフェミニスト。そんな彼女とディスクウーマンが繋がるのは、いわば必然だったのかもしれない。というのも、今年1月にブラック・マドンナとディスクウーマンはガッツリ共演したばかり。さらなる広がりを期待してしまう。

 先に書いた4人のなかでは、ヴォルヴォックスのDJが一番好きだ。EBMやニュー・ビート系の曲もプレイするし、ドライで淡々としたミックスの雰囲気が心地よい。アゲすぎると冷めてしまいがちな筆者の大好物。また、アムファンはトラックメイカーとしても秀逸で、1080pというカナダのレーベルからアルバム『OK』をリリースしている。静謐でたおやかなサウンドスケープが特徴の良作なので、こちらもぜひ。

 

 

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