Masaya.Mori 森正弥 / AI Institute 代表

東京大学 IPC顧問、東北大学 特任教授、日本ディープラーニング協会 顧問 / メルカ…

Masaya.Mori 森正弥 / AI Institute 代表

東京大学 IPC顧問、東北大学 特任教授、日本ディープラーニング協会 顧問 / メルカリR4D・カオナビ 顧問 / 元・楽天 執行役員、元 デロイト トーマツ グループパートナー https://twitter.com/emasha

最近の記事

サード・リアリティ と Polarity Thinking (両極思考)のすゝめ

この記事は、現代の私たちを取り巻く様々な課題の解決に取り組む際に役立つ、Polarity Thinking (両極思考)という考え方、アプローチを紹介した記事です。 初めに:「サード・リアリティ」昔話の自分語りから入るのですが、楽天グループにて、先端技術開発を担う楽天技術研究所を立ち上げた際、「サード・リアリティ」というビジョンを提唱していました。 90年代の黎明期を経たインターネットビジネス勃興期である2000年代は、現実空間とインターネット(仮想空間)を、「リアル V

    • 生成AI、AI/ML関連ニュース・記事5つ - OpenAI インタビューとDALL・E3、モデルマージでLLM性能向上、回答を探索し洗練させるAI、AIoTの勃興、Cの生産性向上とギャップ

      今後の動きを占う上で気になる生成AI、およびAI/ML関連のニュース・記事・ニュース・動画等を5つピックアップして、今回もご紹介します。 これまではこちら。 OpenAI の内からの視点とDALL・E3 リリースBloomberg による、話題の人物や企業の考えに迫る動画シリーズ「The Circuit」。そのうちの OpenAI に関するインタビューエピソードです。 インタビュアーの Emily Chang がOpenAIのオフィスを訪れ、同社の若きCTO Mira M

      • 気になる生成AI/ML関連ニュース 5つ - ノーコードAI、ChatGPTでのビットコイン価格予測、画像処理も半導体も人工知能で進化、AIへの懸念の拡がり、注目される職種「Head of AI」

        前回、今後の動きを占う上で気になる生成AI、およびAI/ML関連の記事を5つピックアップしてご紹介しました。 生成AIのトレンドにより、社会を進化させていくエンジンとしてその真価を見せ始めているAI技術・ソリューション群。どうこの先の流れを読んでいくのか。奔流する情報と人々の中にあって大きなうねりにつながる予兆を見出していくべく、今回も気になるニュース・記事をピックしていきたいと思います。以下、5つです。 ノーコード AI を可能とする4つのツールコードを書かずにAIを作

        • 気になる生成AI/ML関連ニュース 5つ - 次世代の画像生成AI、Instagramにおける生成AI活用、独自ポジションを狙うAWS、LLMの脆弱性、医療とAIの未来

          先日、企業における生成AIの活用パターンは4つに集約されます、という記事を書きました。(同時に概要を説明した動画も配信しています。) 記事の中でもユースケースの紹介や 3 Dimensions フレームワークの部分で触れていますが、生成AIはその適用範囲が非常に広く、また業務の生産性を向上させるというところから、新しいバリューチェーン・エコシステムを生みだすというスケールまで、大きなポテンシャルがあります。それゆえに、これまでのAIやML(機械学習)での議論とは次元の異なる

        サード・リアリティ と Polarity Thinking (両極思考)のすゝめ

          100を超える企業ニーズから見出された生成AIの4つの活用:業務生産性の向上から、業界を変える価値創出まで

          本記事は今話題の生成AIに関して、企業のニーズからその活用ケースと可能性を示します。 はじめに 生成AIは、最近の技術進歩の中で最も話題になっているものの一つです。 従前のAI技術は、学習させたデータから法則性を獲得し、それに従った分類や予測、タスクの実行を行うものでした。対して、生成AIは、プロンプトと呼ばれるテキストによる指示に基づき、学習させたデータと同じような新しいデータを作成することで、人間の創造的プロセスを模倣し、文章や画像・動画から製品の設計図にいたるまで

          100を超える企業ニーズから見出された生成AIの4つの活用:業務生産性の向上から、業界を変える価値創出まで

          MMORPGの起源と進化、そしてメタバースと人を支えるプラットフォーム

          これは、MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game すなわち、大規模多人数オンラインロールプレイングゲーム)に関する記事です。MMORPGの歴史やいくつかの側面を参照しながら、今後のオンラインゲームやメタバースの発展に想いを馳せます。 はじめに 去年、スクウェア・エニックスの三宅 陽一郎さんと対談しました。ゲーム業界における、メタバースに通じる3D空間でのAIの活用が、スマートシティの高度なAI開発に応用され

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          産業用メタバース・デジタルツインのポテンシャルと活用

          本記事は、メタバースの中でも、産業用メタバースと言われるユースケース、特にデジタルツインに関して、そのポテンシャルと、導入にあたってどのような論点があるかなどをまとめた記事です。 メタバースのトレンドと産業領域での適用 「メタバース」は今や様々な分野でその可能性が議論されているコンセプトです。従前のゲームやエンターテイメントの領域から、スマートファクトリーやスマートシティの実現まではb広くその適用が議論されています。 元々、「メタバース」という言葉は、古代ギリシャ語の「

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          データ品質とは何か? 品質の重要性、測定と改善、マネジメント、ガバナンス

          本記事は、データ品質に関する記事です。 最近、業界を問わず、様々な企業のエグゼクティブやDX推進担当の方から、データガバナンス・データマネジメントに関する相談を受けることが多くあります。相談の中で、実際に議論が白熱するのが、ガバナンスやマネジメントのやり方というよりは、ガバナンスやマネジメントを整備した上でのデータ活用を進めていくユースケースをどう生み出していくかという話と、よりよい効果を生み出すためのデータ品質に関する話です。後者については、例えば、データガバナンスやマネジ

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          世界で沼にハマる人を続出させ、深く社会と自分を見つめ直させる「はじめてのおつかい」:癒しと論争と人生の教訓

          本記事は、タイトル通り、「はじめてのおつかい」の海外での反響を通して、コンテンツが持つポテンシャルについて触れてみます。 世界で反響を呼ぶ「はじめてのおつかい」 2歳~5歳の幼児が奮闘・活躍する日本テレビの名物番組「はじめてのおつかい」が、2022年3月31日より Netflix で世界配信されており、すごい反響を呼んでいます。 海外の配信は今回が初というわけではなく、従前、Old Enough! というタイトルで香港や台湾、ベトナム、ハワイ等を中心に吹替版が放送されて

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          ベンダーへ尋ねるべき55の質問:ソフトウェアのプレゼンやデモによる打ち合わせの際に、質問・確認するポイント

          デジタル時代、誰もがソフトウェアの選定に関わる 今、我々はデジタル時代を生きています。クラウド、ビッグデータ、AI、IoT、5G、ブロックチェーン等、各種IT領域における著しい発展とそのコモディティ化により、利便性の高い様々なツールやソフトウエア、ソリューションが溢れています。そのようなデジタルツールやソフトウェアの恩恵を、ビジネスや日常業務の中で享受することが増え、特に企業の情報システム部門のような専任の部署でなくても、ソフトウェアベンダーからツールやソフトウェアの紹介プ

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          信頼されるAIとサービスのための多層的なアプローチ

          AI の発展と懸念 今日、ディープラーニングによる精度の飛躍的向上により、様々な業界で人工知能(AI)の応用が着実に普及しています。広告配信、パーソナライゼーション、不正検知、需要予測、金融資産運用、ドローンデリバリー、ロボティクス、交通の最適化、癌の診断や治療等にAIが活用されています。AIは社会の新たなインフラとして捉えられており、今後も進化を続け、我々の生活を支え、より便利なものへと変えていくことが期待されています。 AIはその華々しい発展の一方、懸念もあります。例え

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          メタバースのビジネス活用 5つのシナリオ: マーケティングから地球環境シミュレーションまで

          注目を浴びるメタバース「メタバース」という言葉が注目されています。「メタバース」という言葉は、古代ギリシャ語の「meta」(超越)と英語の「universe」(世界)というワードの組み合わせから来ています。その語源より、インターネット上の仮想現実空間を使って、ユーザー同士がコミュニケーションをとり、現実と同じようなライフスタイルを送ることができる世界というイメージで使われる事が多いようです。 デジタル空間においてはオブジェクトは単なるデータであり、プログラムです。物理空間の

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          『成長の限界』から50年: 気候変動にAIで立ち向かう

          この記事は、2022年に注目を高めるであろう気候変動に関して、AIによってどのように立ち向かうことができるかについて書いた記事です。 ローマクラブの警告から50年目の関心新年です。元旦に以下のツイートをしました。 2022年は、1972年にローマクラブが、100年以内に人類の成長は限界を迎えると言った「成長の限界」の発表から50年目になります。今年は地球について考えることが増えそうですとツイートでは書いていますが、以下の、今年の動きに関して、300以上の記事、ホワイトペー

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          世界のスマート農業・AgTech:AI、ロボティクス、IoT、バイオサイエンス活用

          産業領域別の適用 AIやロボティクス、IoT技術を組み合わせ、様々な領域で活用していこうという試みが増えてきています。汎用的なソリューションという位置付けから、産業領域、ドメインを特定して特有の課題を解決していこうとするプレイヤーも増えてきています。ドメインにフォーカスすることで、専門家の知識も有効に活用し、それをテクノロジーの力でレバレッジし、スケールさせていくということが狙えます。 以前、このようなモデルのことを、E&Eモデル(探索と活用モデル)と名付け、解説記事を書き

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          社会実装の立役者たる「T型人材」その意味、起源、特徴について

          "T-shapred people need..." by sketchplnations under CC BY-NC 4.0 本記事は、「T型人材」に関する記事です。 「T型人材」というキーワード スキルビルディングやキャリア構築の観点を踏まえた人材論において、T型人材(T-shaped skills)というキーワードを聞かれたことがある方も多いのではないかと思います。 T型に限らず、様々な応用系があり、I型人材、X型人材、π(パイ)型人材というワードもあります。

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          Bukalapak (ブカラパック):インドネシアのデジタル化をもたらすユニコーン・プラットフォーマー

          "Warung in Garut" by Gunawan Kartapranata under CC-BY-SA-3.0 本記事は、インドネシアのユニコーンである、Bukalapak(ブカラパック)に関する記事です。 今までのEC関連記事今までEC関連の記事として、インドのFlipkart、アフリカのJumiaを紹介してきました。また、中国におけるライブコマースの人気の高まりや毎年勢いを増すECのお祭りである独身の日なども紹介してきました。 今回は、インドネシアのECを

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