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市場分析の精度を劇的に向上させる~エリオット波動とフィボナッチリトレースメントの完全攻略~

「エリオット波動深堀に関してどのように学習を始めればいいか分からない」

「フィボナッチリトレースメントの概念や使い方が理解できない」

「どのようにエリオット波動とフィボナッチリトレースメントを組み合わせてトレード戦略を構築すれば良いのか分からない」

エリオット波動は、株価や為替レートの変動を特定のパターンに基づいて予測しようとするテクニカル分析手法です。
一方、フィボナッチリトレースメントは、価格の上昇や下降時における調整の範囲や目標レベルを特定するための数学的ツールです。

エリオット波動やフィボナッチについてあまり知らない方は、これらの基本概念、特定のパターンの識別方法、また学習の進め方について迷うかもしれません。エリオット波動理論から学び始め、その理論を基にフィボナッチを学ぶことで、これらの概念をより容易に理解できるようになります。

エリオット波動の深い理解には、実践的なトレーニングが役立ちます。過去のチャートデータを用いてエリオット波動のパターンを識別し、実際の市場データと比較しながらトレードシグナルを見つけることが重要です。

この記事を読むことで

  • エリオット波動深堀とフィボナッチリトレースメントについての悩みを解消し、基本的な概念や使い方を理解することができます。

  • エリオット波動深堀とフィボナッチリトレースメントを活用できるようになります。

ぜひ最後までお読みください。

※今回の記事は中級トレーダー向け第一弾として書いています。

1.今回の学び

エリオット波動深堀①、フィボナッチリトレースメント

エリオット波動は相場のトレンド予測に役立つテクニカル分析手法です。しかし、エリオット波動の基本原理を理解したとしても、それを実際のチャートに適用してトレンドを予測することは容易ではありません。

この講義では、エリオット波動の基本概念から始めて、フィボナッチリトレースメントの活用方法までを詳しく解説します。エリオット波動を効果的に使用し、トレンド予測のスキルを向上させたい方は、この機会に学びを深めてください。

2.エリオット波動とは

エリオット波動、またはエリオット波動理論は、1930年代にアメリカのラルフ・ネルソン・エリオットによって発見された株価変動の理論です。この理論は、相場動向の予測に役立つ原理を提供しています。私自身、エリオット波動を「相場の教科書」と見なし、その学習を始めたことがチャート分析スキルを身につけるきっかけとなりました。

エリオット波動と言うと一番に思いつくのが


上昇5波調整3波


ではないでしょうか?

エリオット波動を考える際、最も基本的な概念は「上昇する5波と調整する3波」です。この理論には、様々な局面での考え方や用語が存在し、それらをすべて覚えることは確かに大変です。しかし、エリオット波動分析を適切に適用できるようになると、以下のような重要な判断が可能になります:

・今波動のどの位置にいるのか
→(上昇波動や下落波動は初動なのか途中なのか終わりなのか)

・今後どちらの方向にいくのか
→(上昇か下落か)

・どの地点まで動くのか
→(上昇や下落の目標)

という、目の前にあるチャートが今どういう状態なのかを判断する能力が格段に上がります。


3.エリオット波動を学ぶ前に

波の大きさとは価格変動率の大きさと考える

・ケース①1000円の上昇をみせ5%の伸び
・ケース②800円の上昇をみせ9%の伸び

これらを比較すると、1,000円の値上がりが良い結果のように見えるかもしれません。しかし、価格変動率を基準に考えると、9%の上昇を示すケース②の方が波の大きさが大きいということになります。これは、トレードで利益を出す上で価格変動率が重要な役割を果たすためです。

トレードでは、利益を出すためには距離(価格変動率)を取る必要があります。そのため、価格変動率の考え方は非常に重要です。

扱う通貨ペアや株によって伸び率は異なるため、この「伸び率」の概念を基に分析を行うことが推奨されます。

片対数目盛りのチャートを使う

価格の変動率を正確に把握するためには、片対数目盛りのチャートの使用が有効です。この種のチャートでは、価格変動の幅ではなく変動率を基準にして見るため、Tradingviewなどのプラットフォームで「対数(ロングスケール)」をオンにすることで、通常の目盛りチャートから片対数目盛りチャートへ切り替えることができます。

対数

片対数目盛りのチャートでは、縦軸が対数目盛りになっており、変動率が長さとして直接表示されます。これにより、価格の絶対的な幅にとらわれずに、変動率で価格動向を評価することができ、特にエリオット波動分析においては、変化率を重視するため、対数スケールの使用が推奨されます。


4.エリオット波動基本の形 ~定義&表記の仕方~

「5波によるトレンド(推進波)、3波による調整(修正波)」

エリオット波動とは、相場の値動きは5つの上昇波と3つの下降波という周期的なパターンで動くというチャート理論です。

・推進波とは文字通り進行することを意味します。
・修正波とは波の進行が一時的に中断したり逆戻りする事

基本的な推進波の表記は1波、2波、3波、4波、5波と表記し

推進波・・・1波、3波、5波
修正波・・・2波、4波

で構成されています。

修正波はA波、B波、C波
というアルファベットで波を数え表記します。

そして推進波は5波構成でありアクション波としてだけ現れる、修正波は基本的に3波構成で主にリアクション波として現れます。

と、エリオット波動理論では唱えられていますがここはややこしくなるので、

5波構成の大きな波=推進波(トレンド)
3波構成の調整の波=修正波(調整)

と定義します。

エリオット波動

〈補足〉画像↑のエリオット表記では
波の方向による分類があり、各名称の意味は次のとおりです。

・アクション波→1回り大きな波(トレンド)と同じ方向 ①③⑤AC
・リアクション波→1回り大きな波(トレンド)と反対の方向 ②④B

ここで波の形による分類をしていくと

推進(アクション)波→(①③⑤AC)5波
・インパルス
・ダイアゴナル

修正(リアクション)波→(②④B)3波
・ジグザグ
・フラット
・トライアングル

と説明されることが多いので覚えておいてください

エリオット波動 各名称

この名称は今後たくさん出てくるので覚えておいてください。


5.波の階層

階層は15個

エリオット波動理論において、市場の動きは15の異なる階層に分類されます。これらの階層は、異なる時間軸(D1、H4、H1、M30、M15、M5、M1)に基づいており、「期間の目安」や「波の階層」として知られています。この階層システムの理解は、共通の基準で分析を進める上で極めて重要です。

全ての階層を詳細に覚えるのは困難ですが、主要なものを抜粋して紹介します:

プライマリー=2~5年周期  D1~H4
インターミディエイト=数カ月 H4~H1
マイナー=数日        H1~M15

まず、本講義ではこれらの3つの時間軸を使用して、各時間軸のチャートを比較しながら分析をしていきますので、覚えておいてください。

ではもう一段階深く掘っていきます。

エリオット波動理論の大切なポイントの一つは


インパルス、ダイアゴナル、ジグザグ、フラット、トライアングルの5つの波形にまとめることができ(厳密には拡大波を含めると8つ)、どんな波動もこれら5つの波形の組み合わせで表すことができるということです。


これまでの学習内容を踏まえると、以前は複雑に感じていた相場の波が少し単純化されたように思われるのではないでしょうか?

6.推進波の種類

インパルス

インパルス

下記条件がすべて満たされている波動の事を指します。
①2波は1波の始点を割り込まない
②1波、3波、5波の中で3波が一番小さくなることはない
③4波は1波と重ならない

ダイアゴナル

ダイアゴナルは、エリオット波動理論における5波動の推進波です。

ダイアゴナルは、他の推進波とは異なり、3波が1波と4波よりも短いことが特徴で、収縮型と拡大型の2種類があります。

・収縮型ダイアゴナルは、1波と4波が徐々に小さくなるくさび型の形をしています。
・拡大型ダイアゴナルは、1波と4波が徐々に大きくなる逆くさび型の形をしています。

ダイアゴナルは、強気相場と弱気相場の両方で発生する可能性があり、トレンド転換の兆候として解釈されることがあります。

収縮型ダイアゴナル
拡大ダイアゴナル

覚えておくべきポイント
ダイアゴナルは、主にトレンドの開始時(1波やA波)や終了時(5波やC波)に出現し、インパルス波の中間(3波)には現れない傾向があります。この特性は、トレンド分析において重要な手がかりを提供します。


7.修正波の種類

ジグザグ

下落方向のジグザグなら、A波で下落し、B波で反発するも、A波の下落分を「回復できず」、C波でA波の終点を割り込むという形

トレンド後のジグザグ

ジグザグは、相場が方向感を持たずに上下動する形態です。

下落方向のジグザグは、相場が下落する一方で、一時的に上昇する局面が現れる形態。

A波は相場の下落、B波は相場の上昇、C波は相場の下落を表します。
C波でA波の終点を割り込むということは、相場がA波の下落分を回復できず、さらに下落する可能性が高いことを示しています。


フラット

下落方向のフラットの場合、A波で下落し、B波では基本的にA波の始点付近まで「戻る」、これがフラットの特徴
基本上下同じ値幅で動きますが、C波の拡大や、B波とC波が大きく波打つ動きを見せる場合があり、これを「拡大型フラット」と呼びます


フラット


拡大フラット


トライアングル

修正波が5つ横に連なり、ふり幅が徐々に小さくなっていくパターンで、トライアングルは4波やB波として出現することが多く、2波として出現することはほとんどありません。

また逆にふり幅が徐々に大きくなっていくパターン(拡大型トライアングル)も時々出現します。

トライアングル
拡大トライアングル

トライアングルは、一時的に相場が方向感を持たずに上下動する様子を表しています。
トライアングルは4波やB波として出現することが多く、2波として出現することはほとんどありません。
これは、4波やB波はどちらも修正波であり、トライアングルは修正波の一種であるためです。


5つの波+1を覚える

基本的な5つの波を覚えるのは簡単かもしれません。
しかし、実際の市場では、先が見えず、「今はどの波のどの段階なのか?」「次はジグザグになるのか、フラットになるのか?」と戸惑うことがよくあります。

しかし、落ち着いて過去からカウントしていけば、理解できるようになるので、まずは種類を覚えるようにしましょう。


・インパルス波(第1波):上昇トレンドが始まる最初の波動。通常、最もゆっくりとした波動です。

・フラット波(第2波):第1波の反発。第1波よりも短く、第1波の初音を割ることはめったにありません。

・インパルス波(第3波):上昇トレンドの中で最も長く、最も強い波動。

・フラット波(第4波):第3波の反発。第3波よりも短く、第1波の最高安値を割り込むことはめったにありません。

・ダイアゴナル波(第5波):上昇トレンドが終わる最後の波動。

・ジグザグ波(修正3波): トレンドが終わり、方向性がない波動。


これらの目安から現在の「位置」をよりよく理解するのに役立ち、将来の価格変動を予測する際に考慮できる重要な要素です、覚えておきましょう。


8.フィボナッチ

自然界にはフィボナッチ比率で寸法が取られた構成物が多くみられ、フィボナッチ比率が人の目に最も美しく映ることから、人工物にはかなり多くのものがこの比率に基づき製作されている

ということから、チャートにおいてもフィボナッチ比率は有効になると言われています。

フィボナッチ比率(級数)の特徴はイタリアの数学者「レオナルド・デ・ピサ」によって有名になったと言われています

フィボナッチの級数は0と1で始まり、級数の次の数は前の2つを足して導き出すことで無限大に続きます(下記参照)
0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,987・・・無限大

級数では無限大へ進むにつれ級数内に定数が見つかるらしく、級数の数どおしの関係では1.618の比率、つまり黄金比率(黄金分割、黄金比)と呼ばれるものであることが分かりました。

しかしトレードで使う数字は限られており

「0、0.382、0.5、0.618、0.786、1.0、1.618」を使います

主に使うものは
・フィボナッチリトレースメント
・フィボナッチエクステンション ※MT4ではエクスパンション

この二つであることが多いです。

①フィボナッチリトレースメント

押し目や戻し、トレンドがどのように動くのか予測するためのツール
フィボナッチリトレースメントは、トレンド相場における反発や反落のポイントを見極めるテクニカル指標です。

使い方
・画面内チャートの高値と安値を引く

フィボナッチリトレースメント


フィボナッチリトレースメントでは、フィボナッチ数列の比率である0.382、0.5、0.618、0.786、1.0、1.618をチャート上に引くことで、価格がどの水準で反発・反落するかを予測することができます。

一般的には、強いトレンドの場合は38.2%前後の戻りにとどまり、弱いトレンドの場合は50.0%前後又は61.8%前後まで戻ると考えられています。
それ以上戻った場合には、このトレンドの起点となったポイントまで全て戻ると考えられています。

②フィボナッチエクステンション

相場がどこまで伸びるかを分析するツール
フィボナッチエクステンションは、トレンド相場の次の目標価格を予測するテクニカル指標です。

使い方
・トレンドを見つける
・押し目買い、戻り売りでエントリーをする
・エントリー後にフィボナッチエクステンションを引いて決済ポイントを分析する
・フィボナッチエクステンションを参考に決済(決済目安は61.8%、100%、161.8%を目安に)

フィボナッチエクステンション


フィボナッチリトレースメントが価格の反発や反落のポイントを予測するのに有効であるのに対し、フィボナッチエクステンションは価格の次の上昇や下落の目標価格を予測するのに有効です。

フィボナッチには他にも多くの数字がありますので、それらを試してみるのも良いでしょう。
紹介した2つの指標は比較的使いやすいので、ぜひトレードで活用してみてください。

9.まとめ

この講義では、エリオット波動理論とフィボナッチ比率を中心に、相場の値動きを予測するためのテクニカル分析手法について学びました。

エリオット波動理論では、相場は5つの推進波と3つの修正波のパターンで動くとされ、これらの波はそれぞれトレンドと調整を表しています。

エリオット波動の基本的な波形は5つ。
・インパルス
: 最も長い波で、推進波の大部分を占めます。
・ダイアゴナル : 第5波の最終推進波としての性質を持つ波です。
・ジグザグ : 修正波の中で最も短い波です。
・フラット : 2つの小さなジグザグ波で構成される修正波です。
・トライアングル : 3つの小さなジグザグ波で構成される修正波です。


フィボナッチ比率は、自然界で広く見られる比率であり、相場の値動きの予測にも応用されます。
主に使用されるテクニカルツールはリトレースメントとエクステンションです:

・フィボナッチリトレースメント :
価格の反発や反落のポイントを予測するために使用されます。
・フィボナッチエクステンション :
価格の次の上昇や下落の目標価格を予測するために使用されます。

というわけで、以上です。

第4回目の講義では、内容が充実し、新たな発見があったかと思います。
この講座の目的は、エリオット波動を中心に独自の理論を用いて相場分析を行い、相場をより分かりやすく理解できるようにすることです。
ご不明な点があれば、お気軽にご質問ください。

次回第5回目は


中級トレーダー必見! 勝率アップの秘訣:エリオット波動、一目均衡表、移動平均線の組み合わせ戦略 

この講座では、エリオット波動理論をさらに深く掘り下げ、実用的な分析手法を紹介します。
一目均衡表やSMA(ダウ理論)などのテクニカル指標と組み合わせることで、エリオット波動に基づいたより精度の高い分析が可能になります。

では本日もお疲れさまでした


※当講義で使用されるチャートはすべて「Tradingview」に帰属します


次はエリオット波動理論をさらに深く学び、精度の高い分析を目指しましょう!

この講座では、出来高やチャネルラインなどのテクニカル指標を用いて、エリオット波動に基づいた具体的なトレード戦略を解説します。これらの指標を活用することで、より有利なタイミングでエントリー・エグジットを行うことができます。


フィボナッチリトレースメントを理解を深めたい方向け

この講座では、フィボナッチリトレースメントを用いた具体的なトレード手法を紹介します。
エリオット波動と組み合わせることで、より精度の高い分析をすることができます。


有料記事になりますが
さらに「エリオット波動、フィボナッチ」などの理解を深めたいと思っていただけたら、是非チェックしてみてください!



注意事項

・投資、投機はいかなる場合においても自己責任です。
・エントリーした価格や利確の目安などは記述しているだけであり、読者様に同様の売買を「推奨」するないようではありません。
・トレードなので100%かつ保証はありません。
・建値カットという記述は建値で0カットを意味しますがスリッページによる損失を被る可能性があるので、100%損しないと言うことではありません。

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