El Ángel

昨年2018年に観た映画で頭を離れないものが何本かあります。その中の一本に『El Ángel』というアルゼンチンの映画があります。

1970年代前半のアルゼンチンで、10代にして11の殺人、17の強盗など、数多くの犯罪を重ねたCarlos Robledo Puch(今も服役中です)にインスパイアされたこの映画は、主人公の少年カルリートス(恐らくCarlosの愛称なのでしょう。Lorenzo Ferroが演じています)が、同じ学校のラモーン(Chino Darín)と手を組んで犯罪に手を染め、最終的に10人以上もの人を殺す殺人鬼へと変わっていくストーリーです。監督はLuis Ortega、そして製作には、あのPedro Almodóvarも名を連ねています。

僕はこの作品を去年のトロント国際映画祭で見たのですが、夜11時くらいからの上映で、ヘトヘトの中半分眠りに落ちながら、銃声のたびに目が覚め、一人一人と殺されていくのが、ものすごく強烈な印象でしたが、半分眠りに落ちながら、ということからもわかるとおり、実はストーリーの細部はかなりうる覚えです。

ただ、それでも時々挟まれるブラックジョークや、親子のやりとり、エロチックな香りが漂うラモンとカルリートスの関係、そして、何より何の迷いもなく次々と人を殺す殺人鬼でありながら、童顔で音楽に乗せて踊る姿は、日本やアメリカの映画ではなかなか見られない種類のものです。そしてメキシコの映画などにも見られるラテン系の映画独特の哀愁とドライな残酷さ、そしてどこか人生をシリアスに捉えていないキャラクターたちは、一度みたら頭からなかなか離れない不思議な魅力があります。

日本では、2019年8月16日に公開になるようです。絶対にもう一度見に行きます。

#elangel #luisortega #LorenzoFerro #ChinoDar ín #海外映画 #南米 #アルゼンチン #映画 #PedroAlmod óvar