SKAM

皆さん、ご無沙汰しております。

前回更新したのがいつかわからないかくらい(見ればすぐわかるのですが)久しぶりですが、ここ最近話をした何人かの方がこのnoteを読んでいてくれていることがわかったので、これを機に書こうかなと思った次第です。

そして2019年第1回目の投稿は、『SKAM』について書くことにします。これはノルウェーの国営放送NRKによって製作され、2015年9月〜2017年6月まで、計4シーズン放送されました。というわけで、現在進行中の番組ではないのですが、非常に良すぎて、何話か観た後に「うおー」と声を出してしまうくらいのレベルだったので、ぜひもっとたくさんの人に知ってもらいたいなと。

いくつかのブログなどに書いている人もいる通り、「SKAM」はノルウェー語で「恥」という意味の言葉で、多感な高校生の日常生活を描いたシリーズです。ある友達グループをメインに描きつつ、シーズン毎に違ったキャラクターにフォーカスを当てており、シーズン1では彼氏のJonasが浮気しているのではないかと悩むEva、シーズン2ではEvaの親友のNooraが学校一の美男子だが性格が冷たいWilliamとの恋愛に悩む姿、シーズン3ではJonasの親友のIsakが、自分がゲイであることを受け入れていく姿、そして最後のシーズン4では、イスラム教の女性という圧倒的少数派であることと自分の生き方の折り合いをつけることを求められたSana、これらをメインにストーリーが進みます。(画像の左からEva, Noora, Isak, Sana)

このシリーズは、ノルウェーだけでなく北欧の幅広い年代の人たちに広く受け入れられたようですが、やはりメインのターゲットはティーンエイジャーたち。展開の戦略も革新的で、毎日少しずつの映像が公開され、それがまとめて金曜日に放送されるというものでした。(例えば、「火曜日 夜10:00」とテロップの入った映像が、火曜日の夜10:00に公開されたり)さらには本編の映像からは見ることが出来ない、キャラクター達のテキストメッセージのやり取りが公開されたり、各キャラクターがソーシャルメディアのアカウントを持っていたりするので、視聴者にとって『SKAM』の世界が本当にリアルに感じるように出来ています。

そういった戦略的な展開もあって、爆発的な大ヒットとなった本作ですが、やはり素晴らしいのはその内容。

まずキャラクターの個性がすごくよく立っていると感じました。各シーズンの主人公である4人はもちろんのこと、他にも素晴らしいキャラクターがたくさんいます。例えば、NooraのルームメートのEskild。自信に満ちあふれ、自分がゲイであることを微塵も隠さない彼は、まだ自分のセクシャリティーを受け入れられないIsakとは全く違う描かれ方をしているし、ゲイであることを受け入れられずに同性愛者を見下したようなことを口走るIsakに厳しいことを言いつつ、優しさも見せてくれます。

それに僕のfavouriteであるSanaは、友達にも自分の意見をはっきりと言うし、周りと違うことを恐れないキャラクター。でもそんな彼女でも自分の居場所を守ろうとするあまり間違いを犯すこともあるし、そんな彼女を支えてくれる友達がいることもしっかりと描かれます。

それにストーリーもリアルで、心に突き刺さります。時に涙を誘うようなやりとりがあったり、ハラハラするようなシーンがあったり、そして時に思わず噴き出すようなユーモアも散りばめられている。この辺りのバランスが、本当に素晴らしいと思います。演出も面白く、例えばカッコイイ男子達が登場する場面や女子同士の殴り合いでは効果的にスローモーションを使っていたり、劇中に使われる音楽もカッコイイ。映像のトーンも、非常にアーティスティックにできています。その辺のツボを非常によくおさえている作品だなーという印象です。

このドラマを見ていると、人と違うことが当たり前であると思えるし、間違いを犯しても、きっと支えてくれる人がいると安心させてくる。そして、誰もが自分の知らないところで、それぞれの悩みと闘っているのだと、考えさせてくれます。そして、それを考えさせてくれる機会は、ソーシャルメディアなど、自分の良い面だけを発信することに慣れている現代の人、とりわけ若者に、必要なことだと思います。

この作品については、本当はもっともっと書きたいことがあるのですが、ただの感想文みたいになってしまうので、とりあえずこれくらいにして、また書くべきことがまとまったら書くことにします。

↑は、シーズン1エピソード7の、僕が大好きなシーンの一つ。0:55くらいからのNooraの大活躍が最高です。

最後に、この作品の大ヒットを受け、ヨーロッパの各国ではリメイク版がたくさん作られています。知っているだけでも、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、ドイツ。そしてアメリカでもリメイクされ、現在Facebook Watchにて、『SKAM Austin』のシーズン2が配信中です。

日本ではやらないのでしょうか、『SKAM Tokyo』…。日本のティーンエイジャー達が、これをどれくらいリアルに感じるのは非常に興味のあるところです。もし高校生の読者の方がいましたら、ぜひシリーズを見て、感想を教えてください!

ではまた。

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