自己組織化チームってなんだっけ___1_

自己組織化チームってなんだっけ?

こんにちは!デザイナー出身、採用広報のまさよふです。

いま、エンジニア採用にも非常に注力しているのですが、「エンジニア採用を本気でやるにあたって、エンジニアをもっと知りたい!」という想いがあります。

社内エンジニアからの #推薦図書 を真剣に読んでみることに。
今回は「エラスティックリーダーシップ ―自己組織化チームの育て方」!

エラスティックリーダーシップとは

ざっくり強引にまとめると「チームの状況に応じてリーダーシップスタイルを柔軟に変えながら、自ら学習するチームであり、自己組織化されたチーム」です。

この「チームの状況」には

サバイバルモード
学習モード
自己組織化モード

の3つのモードがあります。

それぞれのモードでリーダーの役割や、求められるリーダーシップが違ってるから、モードにフィットした役割を果たし、変化し続けることが、エラスティックリーダーシップだよ、というのが本書の概要です。

3つのモードをちょっと強引に簡単に説明してみます。

サバイバルモードとは

「学習するのに十分な時間がない」状態
今日ほとんどのチームがいるであろう場所
定期的に火消し作業を行っている
遅れと残業

と文中で表現されいます。

こんな状態なら、すぐ脱出すべきって傍目にわかるのに、なんと依存性のある中毒症状となる危険性を指摘されてます。

「めっちゃ残業して夜更けにバグ直したぞー!俺スゲー!」と”危機的状況の中で何かを成し遂げた"達成感と、恒常的な再発防止策ではなく目先の"火を消す"ことを選択することで「やべー状態から一瞬で解放された!ほっ…」という即効性のある安心を得られた記憶が、その状態から出ていかないように作用するのですね。

サバイバルモードで必要なリーダーシップ

サバイバルモードのときは、チームはまだ自己組織化する準備ができていないので、理想からは相反するが、指揮統制リーダーシップで、チームの強みを発揮し、悪い決定を正し、障害を取り除くことが必要となります。

学習モードとは

"チームがゆとり時間を持ち、新しいスキルの集中的訓練にあてている"状態
現状維持を安全に求めていては新しいことを学べない
真の成長機会は恐怖や初期の不快感を伴う
真の学習は「谷」によってもたらされる
「谷」はうまく安全地帯から抜け出せて、スコア・技能・能力が一時的に落ち込む状態

成長は非連続的で、成長の飛躍がぎゅん!と起こる前には、一時的に「怖いなぁ、やだなぁ」と不快な感情を持つことに思い切って飛び込んだり、現状のなにかを壊しておく必要がある、とのこと。

安全に現状維持を求めていたら、そりゃ成長は遠くなるだろうな、というのは読んでいて共感がすぐにできました。

学習モードで必要なリーダーシップ

基本的に、コーチやメンターのスタイルのリーダーシップが求められます。
メンバーが自分たちの問題を自力で解決できるよう教え、挑戦させることによって、チームを自己組織化チームへと育て、リーダーは手を動かさない。

このモードで印象的だったのは「誰かを谷に飛び込むよう促すことができるのは、深い学びを得るのがどれくらい恐怖だったかをあなた自身の体験として語れるときだけだ」という言葉です。

私が最初の転職をしたときのことを思い出しました。大企業のゲームのデザイナーから、未経験でベンチャーのWebディレクターに飛び込んだとき。
ママ社員で未経験職種に飛び込んで転職なんかできるわけないと思ってたけど、それを機に大きな学びを得たのは確かです。

そういった挑戦の恐怖の体験をありありと語ることで、誰かを勇気づけ、挑戦を促したりできるってことですね。「新しいことをやるの、すんごい怖かったー!」ってリーダー。魅力的かもしれない。

文中でこのあとに続く、
「飾ってはいけない」
「虚勢を張ってはいけない」
「まず実践し、それから初めて共有しよう」

って言葉もすとんと落ちていきます。

自己組織化モードとは

"リーダーがなんの心配もなく数日間仕事を放置できる"状態
チームにスキルがあり、自分たちの問題を自己解決できる
リーダーはたくさんの時間を実験したり、チームの発展のアプローチをしたり、目標を探ったりできる
リーダーは生産性に関与しない

ざっくりいうと「ほったらかしで自走できるチーム」ってことですね。

自己組織化モードで必要なリーダーシップ

リーダーはよりファシリテーターに役に徹し、チームがその状態にあることを維持すること、チームが干渉を受けずに多くのことを進められるように導くこと、現状を処理するチームの能力に注意を払うこと、が必要です。

モード間は迅速にいったりきたりできる

自己組織化モードになったらそこで終わりじゃなくて、リーダーはチームの状況を見極めて、いまとるべきリーダーシップのスタイルを見極め、必要なリーダーシップスタイルでチームに接することが求められます。

モードが変わる可能性がある2つのイベント例
・自分の問題を解決するスキル不足の人が来たとき
チームの誰もが挑戦し成長する機会を得る

・目標の期限が変更されたとき
ゆとり時間が失われる可能性がある

すてきな言葉たち

この本の後半は、エッセイ集というか、良質なエンジニアブログ集のようでした。エンジニアではない私にも、覚えておきたい言葉がたくさんあったので、ご紹介します。

チームを育てるとはチームが学習すること
指導とは、手を引っ張っていく行為ではない。一時的にでも、先に行かせる行為だ。
開発者のモチベーションをあげるため…量よりも質を優先させることを絶対に確立しなければならない
プロダクトを開発するだけがあなたの仕事なのではなく、採用活動自体もあなたの仕事です。開発作業の邪魔になる割り込みの雑用では決してありません。あなたの作業時間はその時間を考慮して決めるべき

優秀な人ほど、採用活動に力を注ぐべき…優秀な人ほど、優秀な人を見極める力を持っていることが多いから
大抵の専門家は、自分が一般には通じない専門的な言葉を話しているということを理解していない。チームリーダーはみんなが正しい方向に向かうよう翻訳サービスを提供するんだ。
アジャイル開発はフィードバックループを短縮することがすべて
あなたは少なくともあなた自身のリーダーである

手書きのメモから起こしているので、原文と相違があったらごめんなさい。

まとめ

実は、この本、読みきるのに1年近くかかっていました💦

デザイナー出身とはいえ、
ノンエンジニアのわたしにとっては、

・イテレーション
・タスクディスパッチャー
・リファクタリング
・同期的・非同期的コミュニケーション
・チェックインプロトコル

…などのメダパニをかける単語たちのボディブローがきつくて、うんうん唸りながら、手書きでノート12ページくらいメモしながらの読了でした。

エンジニアを知るために読んでみたつもりが、私自身が発揮するべき今後の「リーダーシップ」について、改めて考える機会となりました。

状況に応じて、とるべきリーダーシップのモードが変容するということ、その状況の見極め方や、とるべきリーダーシップスタイルまで、具体的にしっかりと書かれていたことは大きな学びです。

現在、エンジニアのリーダーをしている方はもちろん、エンジニアじゃないけどリーダーの方、リーダーを目指している方など、幅広くおすすめできる本です。読むの大変だけど!(笑)

この本を勧めてくれたSさん、ありがとうございました!!

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