DESIGNING FOR SERVICE [CHAPTER 5]スペシャリストによるサービスデザインコンサルティング;始まりの終わり、または終わりの始まり?

こんにちは、まさよふです。
今回は「DESIGNING FOR SERVICE」という書籍のCHAPTER 5を読んで、まとめて発表する機会をいただきましたので、そのチャレンジの記録のnoteです。

いったん密かに公開。
これからも少しずつ追記してみます。

サービスデザインに関心はあったものの、この本は、価格も重量も中身も、なかなかにハード。

何これ重いよ。ページ開くと眠くなるよ、睡眠魔法付きのブキかよ。

とか思いつつも、がんばって読んでまとめてみます。じゃん!

かんたんにまさよふ自己紹介。

ゲームのデザイナーを約10年
求人サイトのWebディレクター
ポイントサービスの採用広報を経て
今はデザイナーエンジニア向けの転職サービスのディレクター。

家庭では13歳と11歳のママ。

ゲームやWebのデザイナー経験はあるものの、サービスデザインは、初心者です。学びたいぞ。

さて、今回の私の担当範囲、CHAPTER5は、スペシャリストによるサービスデザインコンサルティング;始まりの終わり、または終わりの始まり?ってタイトルです。

(意味わかんない。エモい。ソシャゲかラノベのストーリー始まりそう。)

◻️イギリスでサービスデザインてどやってはじまったの?

◻️どやって大きくなったの?

◻️大手経営コンサルがサービスデザインに侵入してきたら、なにが怖いん?

◻️今後は、サービスデザインコンサル会社はどやって生き残ればいいの?

みたいなことが書いてありました。

(主人公がイチから作った技術を進化させながら、村から街に発展させた故郷に、でっかいボス軍が攻めてきて、生き残るための方法を考える、みたいなイメージでお楽しみください)

5-1  はじめに

英国のサービスデザインの始まりのお話から始まります。ほぼ、箇条書きっぽく進めます。





⭐️


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2000年代初頭、デザインコンサルの一環で最初はこの3社から、サービスデザインは始まる。

・Engine Service Design
・Live|Work
・IDEO

上の2社は、スタートアップ。
IDEOは当時すでに、世界的なデザイン会社。
(元々はプロダクトデザインに強みを持つ会社)

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IDEOはその後、2008、2009年に「デザイン思考」の提案を行い、名を馳せた。

サービスデザインの先駆者として、デザインの新たな分野を確立しようってなった。

新しい分野を作るときに求められること。

新しさ
↓↑
確実性

この相反する二つ。厳しい。
あと、意味や効力整合性も求められる。難しい。

「Servive Design Network」を含む初期コミュニティができる。

技術や知識が集約されて、サービスデザインコンサルタントって仕事が、徐々に確立。

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サービスデザイナーは、経営コンサルを超えることがないジレンマは常にあった。モヤモヤ。。。

5-2 始まりの終わり:Engineが掴んだチャンス(ドバイの空港プロジェクト)

ここでは、Enginっていうデザインコンサル会社が、ドバイ空港における、カスタマーエクスペリエンスをどのように向上させていったか、ってお話。

ドバイ空港がEnginに期待したことは、

<実現させたい!>
2020年までにカスタマーエクスペリエンスにおいて世界をリードする空港サービス

だった。

従来、機能収益で空港デザインはなされていたが、そこにメスを入れる形となる。

具体的な数値目標としては、年間の乗降客数を倍増させたいという。

現状:1億3,300万人

野望:2億6,600万人

そこで、ロンドンヒースロー空港におけるカスタマーエクスペリエンスの実績のある、Engineに白羽の矢が立った。

億単位の倍って、経営にインパクトありすぎる施策。

Engineがドバイ空港で変えたこと

・サポート技術を最先端へ
・空港の空間編成
・新たな導線設計
・接客スタッフの行動変容

オープンでコラボレーティブな体制を作る。
中心にカスタマーエクスペリエンスを置く。

未来の空港をテーマに発想型のワークショップ
Lトレンドを予測
LAppleやF1のスピーカーを招いた

ヒーロープロジェクト
Lサービスデザイン顧客中心設計
 Lロードマップ
 Lプロジェクトの実現
旅行客のリサーチ
L旅行客ロールプレイ
Lアイデアスケッチ
Lイラストつきのストーリーボード

組織を横断したリーダーチームにもわかりやすい。

インサイト構築
Lサービスブループリント
Lステークホルダーへのデプスインタビュー
Lシャドウイング

サービスデザインの現場では、当たり前の技術。

旧来の
Lグラフィックデザイン
Lプロダクトデザイン

よりも、サービスデザインがより
コラボレーティブで行動変容を促す
密接に連携する可能性

ドバイ空港のCX責任者には、Engineのディレクターが就いた。ちゃんとレバレッジの利くポジションだったんだね。

大規模で複雑で、新しいプロジェクトを横断的に導くため「エクスペリエンスボード」が編み出された。発明。

このプロジェクトに触れることで、Engineも成長し、大規模で高度なサービスデザインプロジェクトの足がかりとなった。

これが、サービスデザイン事業コンサルタントという職能における創成記の終わりを示した、記念碑となるプロジェクト。

5.3 終わりの始まり:経営コンサルタントという「怪物」がやってきた。

怪物ってなんだよ、どんだけ怖いんだよ、サービスデザイナーってどんな人物像だよ、が語られてる章。

経営コンサルタントのビジネス組織の4つの特徴(怖いポイントっぽい)

1.デザインが大きく求められることを認識
2.即座に規模を拡大する。急に400人とかになったりする。
3.大手は買収を通じてデザイン能力を増強する。
4.契約の形を変える。人月計算から、成果報酬へ。

 L成果達成の可能性を高く見積もる
 Lクライアントは業務を委託するので直接進行しない
 L「達成するまで支払不要」は、中小には真似できない。

Engineが求めるサービスデザイナー像。

サービスデザイナーって、デザイナーとはついてるけど、デザインやクリエイティブのスキルが重要視されていない!
(従来のデザイナーとは全然違うぞ)

重要なのはコンサルティング能力。
L幅広いタスクの処理能力
L円滑なコラボレーション能力
L熱狂的かつ、影響を与えるチームプレイヤー

細かい人物要件は書籍のp116-117に。

5.4 サービスデザインコンサルタントの今後の展望

ドバイ空港のような理想的なクライアントを得た

規模の大きい重要プロジェクト増えた

大手経営コンサルタントがUXやデジタル領域から侵入してきた

憂慮すべき事態。怪物にこまった。

サービスデザインコンサルティングリーディングカンパニーは、どうやって生き残ればいいのかな?

規模感どうするよ:
あんまり関係ない。既存の「経済規模」が意識される。
小規模企業:事業規模は必要ない。
大規模企業:実績、拡張性、複雑なプロジェクトへの柔軟性

サービスデザインエージェンシーが市場を牽引し第一線に留まるためには、100名以上の従業員確保が必要。

スコープどうするよ:
これまで幅広かった。

自社の優位性とバランスを取りつつ、対応領域を限定的にがよい。

構造どうするよ:
コントロールを分散する必要がある
半自律的なスタジオ(支社)を複数設けることで実現できる

特性どうするよ:
クライアント視点での特性。
一般的に企業は「自らの強みを過大評価し、弱みを軽視する傾向」

サービスデザインエージェンシーは、自らの特性を印象付けるために、弱点を補っておくべき。

オープンネスでいいのか:
これまで)サービスデザインコミュニティは、意識的にオープンネスを保ってきた。

この姿勢を再考し、技術や利用方法に所有意識を持ち、安易に開示すべきではない時期がきてるかも。


まとめ

とりあえず、本読むだけでしんどかった。
図解っぽいスライドは、5-1で力尽きた。。。もう無理。。💦
けど、めちゃ興味深い内容だった。


気になったこと
・これだけ海外で実績のあるサービスデザインが、日本ではまだまだ、経営への投資判断をされにくい。妨げているものは何だろう。

・デザイナー視点では、アクセンチュアなどのコンサル企業でサービスデザイナーをやるのと、小規模サービスデザインエージェンシーでデザイナーやるのは、給与や役割や、待遇など、どう違うのかな

・日本語の「デザイン」からビジュアルデザインの呪縛を切り離すには、どうすればいいんだろう。

・これって、サービスデザインに限らず「ベンチャー企業」と「大企業」の構造じゃないかな。ベンチャーは生き残るためには、セグメントを絞って、ドメイン戦略を確立する必要がある、みたいな話に通じるのでは?

イベントでの意見

無理に「サービスデザイン」って単語を使おうとしなくていいのでは説。

「ビジュアルデザイン」「サービスデザイン」なんて表面的なラベルより、上流工程からしっかりユーザーの体験のことを考えて設計されていて、いいものが作れることが重要。

・インハウスデザイナーの存在が、経営視点でのデザインを阻害することもある説。

実は社内に「デザイナー」がいない会社の方が、経営視点でのサービスデザインが進みやすい、という事例がある。「社内にデザイナーいるから、デザインコンサルいらんやろ」ってなったり、「デザイナーとはこう」って社内のデザイナーが基準になって考えられたりしてサービスデザインへ、拒絶反応示したりすることもある。




もし、今回の本のことや、サービスデザインの勉強にご興味があるかたは、こちらのnoteからkiuraさんのSlackコミュニティにいらっしゃいませー!








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