見出し画像

11月15日(水)「漁師料理・沖あがり」

今日の東京は終日曇り。夜には晴れて来るみたいですが。
朝の最低気温は9℃、日中の最高気温は13℃台まで。
最低気温は多少高くなったけど、最高気温は下がりましたね。今後は、朝は10℃未満、日中も20℃未満が続く様なので、本格的な秋到来と言うコトなのでしょう。
今日から本州での狩猟解禁。本格的なジビエの季節到来です。さて、

昨日は「有害鳥獣・狩猟/有害鳥獣駆除活動を再開したいのだけれど…」について書いてみましたが、今日は11月1日~12月25日迄解禁となっているサクラエビの秋漁の真っ最中なので、「漁師料理・沖あがり」についてお届けしたいと思います(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

サクラエビ
何とも美しい名前だし、そのお姿もとっても美しいですねぇ。
ただ、難点を言わせて貰えば、高い。以前は500gのパックは2,000円ホドで買うコトが出来てたけれども、今じゃあ豊洲でも3,000円前後とお高いエビになってしまってます。

サクラエビは日中水深200~350mの深海に棲息しているのですが、夜になるとエサとなるプランクトンを追い掛けて水深20~60mの浅場迄浮上して来ると言う習性(コレを「日周鉛直運動」と言うのだそう)がある為、サクラエビ漁は専ら夜間に行われるのが通常。漁法としては「船引き網」で、2隻の船で網を引いて漁獲する方法。サクラエビはヒトの手が触れると品質が落ち易いと言うコトなので、専用のホースを使って吸い取り、箱詰めされて運ぶ、と言う方法が採られているようです。
サクラエビ自体は恐らく東京湾以南から台湾に掛けて棲息しているのだと思われますが(主には東京湾相模灘駿河湾遠州灘か)、サクラエビを漁獲対象として漁を行っているのは駿河湾のみで、現状では水揚げも駿河湾の由比漁港・蒲原港・大井川港の3ヵ所のみでしか許可されてないようです(確かに、スーパーでは時々お安めの台湾産も売ってますよね…)。
しかも。資源保護の関係もあって、1年のウチに(毎年ある程度変更はあるみたいですが)2023年では春漁(4/2~6/9)と秋漁(11/1~12/25)の2回しか行われません(この設定も産卵期を避けてのコトのようです)。
年々漁獲量も減っているようなので、そりゃあ価格も毎年騰がって行きますわなぁ(泣)。

そんなサクラエビ。
通常は生で食うか、掻き揚げにするか、或いは塩茹でして釜揚げにするか、アヒージョ等と言う食べ方もあり、割りとそのバリエーションは豊かなのかも知れませんが、漁師メシとしては「沖あがり」で食すのだとか。
コレは駿河湾地域での郷土料理にもなっているようですが、要はサクラエビのすき焼き。
「沖あがり」と言う名の由来は、上述の通りサクラエビ漁自体がその習性を利用して夜間に行われるコトから、夜通し出漁していた漁師達が港に戻り、冷え切ったカラダを温め且つ大漁を祝う為に沖から上がってから食べる漁師メシ、と言うコトなのだそうです。
因みに、サクラエビ漁の歴史は意外に浅く、1894年(明治27年)に由比で鯵の夜曳網漁をしていた二人の漁師が、偶々その漁に使う浮樽を忘れてしまい、浮樽ナシで漁をしていたらサクラエビが大量に掛かり(普段よりも深いタナになってた模様)、その後サクラエビ漁がこの近辺で盛んになったのだとか。
ただ、サクラエビもご多分に漏れず、昨今では漁獲量の減少もあり、自主規制などの甲斐もあって少しずつではあるものの、漁獲量は増加に転じた模様です。

肝心の「沖あがり」のお味の方はと言うと。
そりゃあ、元々が甘くて旨味の強いサクラエビをすき焼きにするんだから、不味かろうハズはありませんね。作り方は至ってカンタン。醤油・日本酒・砂糖等を平鍋に入れ、煮立ったトコロで生のサクラエビ・豆腐を入れ、最後にネギを散らしてひと煮立ちさせれば完成。サクラエビの甘さを堪能したいので、砂糖はやや控えめにするのが宜しいかと。

今や高級食材となってしまったが故に、そんなにしょっちゅう口にする機会がなくなってしまったサクラエビは、ある意味未利用魚の一つでもあるのかも知れませんね(ソコ迄じゃあないか…)。
季節モノでもあるので、時季になったらお店でもだしてみたい食材の一つ、漁師メシの一つかも知れません。

明日は、日本を代表する?「醗酵食品・納豆」について書いて行きたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?