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10月19日(木)「醗酵食品・ねむらせ豆腐(椎葉村)」

今日の豊田は曇りのち晴れ。
最低気温は13℃、最高気温は25℃超。
日中は多少暑さも感じられるものの、以前のような「暑い!」と言うカンジは既になくなって来ているので、耐えられます。寧ろ、朝夕の気候が非常に心地良い時季になってきてますね。さて、

昨日は未観・未食・未捕獲の「有害鳥獣・ヌートリア」についてお届けしましたが、本日は先般の九州旅行で行った日本三大秘境の一つに伝わる「醗酵食品・ねむらせ豆腐椎葉村)」についてお伝えして行きたいと思います。

10月初旬に九州を旅して来たのですが、その中で全然観光地でもない、ただ日本三大秘境の一つと言われている椎葉村(しいばそん)に立ち寄って来ました(椎葉村以外の秘境は、岐阜の白川郷徳島の祖谷山だそう。また、椎葉村も含め三大秘境は全て平家の落人部落(偶然?))。
元々ココは、日本の民俗学の祖とも言われる柳田國男さんが、彼の有名な「遠野物語」を出す前にこの村を訪れ、古文書を読ませて貰った上で、古文書以外の口伝を取り纏めて執筆した「後狩詞記(のちのかりことばのき)」が自身を以てして「今日ではこれが日本の民俗学の出発点のようにいわれている」と言わしめる本を書き記した場所なのであります。
ソレにもう一つ。狩猟関係の書籍を読み漁っていた頃に出会ったのが飯田辰彦さん著の「罠猟師一代 九州日向の森に息づく伝統芸」。ココでは椎葉村の猟師である林豊さんのイノシシ罠猟についての色々が書いていて、「なるほど、椎葉村と言うトコロもオモシロいな」との感想を持ったのでありました。
と言うコトで、ココに立ち寄った次第。

ただ、行った際には然して他の村々と特段変わり映えのしない山村であったし、観たかった「椎葉民族芸能博物館」はお休みだったし、お目当てとしていた食堂は閉店してるしで、仕方が無いので随分と立派な「椎葉村観光協会」に行って美味いお店は無いかと尋ねたトコロ、「椎葉村物産センター平家本陣」で椎葉蕎麦が食えると言うコトだったので行ってみました。。
ココでは椎葉産そば粉10割で極太の椎葉蕎麦なんぞを食べたアトに、椎葉産の物産の数々を眺めていて見付けたのが「ねむらせ豆腐」。

コレはHPにも記載ある通り、椎葉村に伝統的に伝わる醗酵食品であり、日本のチーズとも言われるモノであります(コレに全くのno checkであったコトは不覚の致すトコロであります)。
元々はホントに椎葉村の各家庭で作られていたモノのようですが、2000年前後に椎葉村の語り部をやっておられた中瀬玲菜さんが2013年に作り始めて商品化、工場建物の老朽化と従業員の高齢化により2020年に辞めようとしていたトコロ、この事業をヤラせれくれと名乗りを上げたのが鈴木宏明さん。
その後は、TVでも大いに取り上げられて(朝イチ、ガイアの夜明け、青空レストラン、マツコの知らない世界等)、可也品薄状態になってしまったようです。

で、そのお味はと言うと、正に日本版のクリームチーズのよう。コクがあって濃厚で、旨味たっぷり。
椎葉村で作られる硬い田舎豆腐を水抜きし、昆布と晒(さらし)で包み、ソレを麦味噌に漬け込み(如何にも九州ですね)、1年間熟成・醗酵させて寝かせたモノがこれ。手間暇掛かってますね。
この作り方でマズいモノが出来る筈もない。醗酵させた豆腐と言う意味では、沖縄の「とうふよう」とか中国の激烈臭モノ豆腐の「臭豆腐」等がありますが、コチラは随分とお上品なカンジの出来上がりになっています。

いや~、日本には探せば色んな醗酵食品があるモンなんだなぁ、と今回痛感(単に、自分が知らなさ過ぎただけか…恥)。

今後も色々な醗酵食品の発掘に勤しみ、出来ればお店でも醗酵食品好きの方々とも共有して行きたいな、と考える今日この頃であります。
明日は、コレまた今回の九州の旅で訪れた「醗酵飲料(焼酎)・若潮酒造」さんについて書いて行きたいと思います。


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