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2024年3月8日(金)「漁師料理・ホタルイカに関する各種料理」

今日の東京は朝方は雪と霙、その後曇り。夕方からは晴れ。
朝方の最低気温は0℃、日中の最高気温も10℃迄しか上がらず。この時季にしちゃあ、寒い日々が続いてますねぇ。雪降ってんだモンなぁ。と言っても、朝方の雪はほぼボタン雪でしたね。さて、

昨日は「内臓料理(動物)・レバー(肝臓)系料理」について書いてみましたが、本日は「漁師料理・ホタルイカに関する各種料理」について書いて行きたいと思います。

ホタルイカ。
ホタルイカは、主として新潟~鳥取辺りの日本海側で獲れてますが、実は相模湾駿河湾等の太平洋側でも獲れてはいるらしいです(量的には少ないようですが)。まぁ、今頃から春に掛けてスーパーにも並ぶ春の食材でもあるので、食材としては珍しくもナンとも無いモノではあるのですが。ホタルイカは西から順に出て来るようで、シーズン出始めの1~2月頃は鳥取や兵庫産が多く、真っ盛りになると(3月以降?)富山産が出て来る、と言う具合。ただ、数多く出る兵庫産なんかは型が小さく価格も安めなのですが、真っ盛りに出て来る富山湾のモノは、市場でも「地物」と言われて高値が付き、兵庫産の3倍位の値になるコトもしばしば。富山産はホタルイカの王様的存在なんですよ。

そんな富山のホタルイカですが、自分は数年前から季節になると富山迄ホタルイカを掬いに行くのが恒例となってます。ただ、コレが非常に難しい。ホタルイカは普段は200~600m前後の深海に棲息しているワケですが、富山湾では大体2月~5月の新月の時季になると産卵の為に大挙して浅場に浮上し、所謂「爆湧き」の状態になるのです。その爆湧き時にはホタルイカの放つ青い光で、浜辺は幻想的な光景が展開されます(ソコ迄の爆湧きには遭遇したコトありませんが)。ただ、そのアトには波によってホタルイカが浜辺に打ち上げられたりして、所謂「身投げ」の状態になります(フツーの身投げは陸から海へ、ですがホタルイカの場合には海から陸へが身投げなんですよね(笑))。

このような状態になるのは、上述の通り2~6月の凡そ新月前後の頃にそうなり易いのですが、色んな条件が整わないと「プチ湧き」やら「爆湧き」等の状況にはならない。その条件になりそうな日を目指して出撃するのが、ホタルイカ掬いの難しいトコロなのです。地元民ならば、その日の状況を見て随時出撃すれば良いのですが、遠隔地住まいの場合だと、そうは行かない。遠隔地住まいでも、1週間程度滞在可能ならば張り込めば良いのでしょうが、休みの少ない勤め人なんかだと、ネライを澄まして行かないとボウズだったり、獲れても少量だったりと、中々良い成果を上げるコトは出来ないんです。
その条件がまたキビしい(大前提は2~5月頃の新月前後で、です)。ざざっと列挙してみると…、
・暖かく穏やかな日が続き天気が安定している
・数日大雨が降っておらず、海水に濁りが無い
・軽い南風が吹いている
・海が穏やかで大きな波が立っていない
・満潮のピークが深夜から明け方にある

とまぁ、こんな具合ではあるのですが、何せ相手は自然、神出鬼没のホタルイカなので、上述の複数の条件に当てハマっていても外れるコトだってある。天気予報や天気図からある程度の予想は付けられるものの、最後はエイやっとハラを括って出撃するしかない。
過去6回出撃していて、2016年まずまず湧き2017年プチ湧き2018年爆湧き2019年ボウズ2022年1匹(笑)2023年ボウズと言う実績で、打率はほぼ5割ですが直近3回の成績が悪いですなぁ…(泣)。

今年は1月早々の能登半島地震なんかもあったので、現地に行くのは少々躊躇われる状況ではありますが、今週末は今年に入ってシーズン2度目の新月なので、富山湾のホタルイカが気になる…。
約1ヶ月前の2月の新月の際にも、富山湾では既にプチ湧きもあったらしいので、今週末も出るんじゃないかと気が気じゃあない(笑)。

とまぁ、前置きが滅茶苦茶に長くなりましたが、ホタルイカの漁師料理。
沢山獲れた時なんかには、一番は沖漬け、2番はしゃぶしゃぶ、そしてアヒージョかな。以前は築地市場なんかにも生のホタルイカが沢山売られていたのだけれども(今の豊洲でも時々)、ホタルイカには旋尾線虫と言う寄生虫がいて、コレに中ると1~3日のウチに腹部皮膚にミミズ腫れが出来る「皮膚爬行症」や嘔吐・腹痛を訴え、最悪の場合には「腸閉塞」を惹き起こすコトもあるので、内臓も含めてホタルイカの刺身を食うのは少々コワいんです(中る確率は10%未満のようではありますが)。
コレを防ぐ為には、旋尾線虫が寄生する内臓を食べないか、火を入れるか干すかの何れかでしょう。だから、富山では胴体と内臓部分を除く脚だけを使った「竜宮そうめん」と言う刺身があるんですよね。
その他大量に獲れてしまった時には素干しやみりん干しなんかにするのも良いかも。

因みに、食用として使えるのは、所謂「身投げ」いていない波打ち際からチョット離れた海中で元気に泳ぎ回っているヤツら。波打ち際近くのや身投げしてしまったヤツらは砂を噛んでいるコトが多いので、食用には向かないんです。が、釣りエサとしては優秀なので、地元民は身投げされたホタルイカを拾ってZiplockなんかに入れて纏めて冷凍して使っているようです。
さてさて、今年も行くかなぁ…。悩ましい。

今週はコレにて。
今週末も久々に雨も無い週末になりそうで、そろそろ春めいてくれるかな?
来週初は「醗酵食品・いぶりがっこ」について書いて行きたいと思います。
では、良い週末をお過ごし下さい~!


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