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7月25日(火)「有害鳥獣・イノシシ(捕獲編)」

今日の豊田も夏らしい快晴。
最低気温は24℃、最高気温は37℃迄上昇。
実は、今日から3日間お店がお休みなので、プチ旅に出ています。サカナと醗酵の旅です。詳細は別途(笑)。あ、いつもは色々とリンク貼ってますが、今日はその余裕無かったので、余裕出来たら改めて貼り直しておきます。
まぁ、暑いですね。でも、ナンだか夏休みっぽくて良いカンジ。さて、

昨日は「二十四節気・大暑」についてお伝えしましたが、今日は以前よりシリーズ化?していて前回お届けした「有害鳥獣・イノシシ(生態編)」の続編となる「有害鳥獣・イノシシ(捕獲編)」をお届けしたいと思います。

イノシシの捕獲方法としては、銃猟による巻き狩り忍び猟罠猟によるくくり罠箱罠があります。捕獲方法の主流としては巻き狩りとくくり罠ですかねぇ。
巻き狩りについては以前ご説明しましたが、所謂集団猟で、イノシシのいると思しきエリアを鉄砲を持った猟師でぐるりと囲み、猟犬や勢子(ヒト)等でイノシシを追い立て、飛び出して来るイノシシをソコで待ち受けている猟師が撃つ、と言う方法。
一方、くくり罠はイノシシが普段通りそうな獣道に目星を付けておき、イノシシに罠を踏ませるような工夫をし(イノシシがイヤがる枝や石をワザと置く等)、くくり罠の踏み板を踏んだ途端にイノシシの脚がワイヤーで締め付けられ、逃げられないようにする、と言う猟法です。

巻き狩りの際は、タツ/タツマ(持ち場)にいるハンターはイノシシが通るであろう獣道の近くにある大木や岩陰に身を潜めてじっと来るのを待つワケですが、犬に追い立てられたイノシシが逃げ惑う際に見付かってしまって、イノシシに文字通り「猪突猛進」されて太腿を牙で切られて失血死したり、イノシシを追い立てた犬に逆襲して、その鋭い牙で犬を傷付けて死に至らしめたり。結構コワいモンです。
銃猟での欠点は、基本的には動く標的を撃つモノなので、一番歩留まりの良いお肉とする為には、アタマ或いはネック(バイタルエリア)を狙う必要があるのですが、そんなに上手くは中らない。ヘタ撃つと、ドテっ腹に穴開けてしまい、お肉が内臓の内容物や血等で可食部分が少なくなってしまったりするコトもあります。
その点、優れているのはくくり罠。くくり罠に掛かったイノシシは基本的には生きているし、自由を奪われているので(と言ってもワイヤーの範囲内では動けますが)、止め刺しについては至近距離で撃ったり、ヤリで心臓部分を付いたり、場合によってはバット等で撲殺したりします(猟仲間の罠に掛かった場合の止め刺しは、圧倒的に銃撃が多かったですが)。
くくり罠猟の中でも一番優れていると思われるのは、「鼻括り」でしょうか。コレは静岡は天竜の片桐邦雄さんがやっている方法で、くくり罠に掛かったイノシシを、更にくくり罠と同じようなモノを棒の先に付け、イノシシの鼻に押し付けてワイヤーを掛けて固定、脚と鼻の2点を固定するコトで完全に動きを封じ、その間にガムテープで目隠しして、生け捕りにすると言う方法です。この方法だと、生きたまま解体所に運ぶコトが出来、止め刺しと血抜きもスグに出来る方法なので、良質のお肉を取ろうと思ったら、コレに勝る方法はないのではないかと思います。スゴい方法を考え付いたモノです。
じゃあ、箱罠(巨大ネズミ捕りのようなモノ)ならば生け捕り出来るじゃん、と思うかも知れませんが、多分ソレは間違い。生け捕りは出来るのだけれども、箱の中でとんでも無く暴れるんですよ、彼らは。もう、箱の中で顔面血だらけになろうが、鼻が折れようが、猪突猛進で鉄格子にぶつかって行くので、全身打撲傷みたいになっちゃう。箱内に閉じ込められたコトで、ストレスも大きいだろうから、ソレも肉質に悪影響を及ぼす(と思われる)。なので、箱罠で獲れたイノシシ肉にはあまり大きな期待を抱いてはイカンのだと思います。

と言うことで、良い肉質の、美味いイノシシを食べたいと思うのならば、鼻括りで獲ったヤツが一番じゃないかなぁ、と思います。以上、イノシシの捕獲編でした。

明日は、本日訪問した「醗酵食品東宝茶屋のサンマの馴れ鮓等」をお届けする予定です。


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