ラグビー

ラグビー界にこれからやって欲しい3つのこと

少し時間があいてしまいましたが、ラグビーW杯、とても盛り上がりましたね。私の家では何試合か子供たちと一緒にTVで観戦しました。
子供たちは松島幸太郎選手の足の速さに感動したみたいで、試合後から
「松島すごかった!」「相手チームの間を切り裂いた!」
と何度も話題に上がっています。ラグビーすごい。

「せっかくラグビーが盛り上がったし、ラグビーのことをマーケティング視点で考えて、何か書きたいな」
とW杯が終わったあたりから思っていました。
そこで今回は
「一体どうすればラグビー人気が維持されるのか?」
というテーマを考えてみたいと思います。

ラグビーを1つの巨大なRPGだと考える

これからのラグビー人気維持のことを考えたときに、必要だと思う視点は、
ユーザーの"ラグビー"との関わり(体験)全体を俯瞰して設計していく視点です。
この考え方は、Minimalチョコレートの山下さんの記事に影響を受けました(山下さん、ありがとうございます)。
どうすればラグビー人気を維持、向上できるか?という問いに対して
例えば

・代表選手のメディア露出を増やす!→人気を維持する!
・ラグビーを子供たちもっと普及させる!→人気を維持する!

的なアイディアはすぐ思いつきます。
しかしそのような考え方は、1つの"点"でしかないのではないでしょうか。
大切なのは、
ユーザーがラグビーに触れる→ラグビーを好きになる→ラグビーを好きでい続ける
という状態を多く作ることです。
ラグビーという巨大なRPGがあるとしたら、これから先、それを何年、何十年も楽しんでもらい続けるためにはどうすればいいか?
という問いが必要だと考えます。

人気スポーツはなぜ人気スポーツなのか?

人気スポーツはなぜ人気スポーツなのでしょうか。
この問いに対して、先述のようにスポーツをRPGに例えて考えることで、自分は腹落ちしました。
野球やサッカーなどの人気スポーツは
1.RPGへの入り口(接点)の多さ
2.RPGの奥行きの広さ

という2点において競合スポーツに対して優位なのではないでしょうか。
例えば野球で「入り口」と「奥行き」を考えてみます。

例)野球
■RPGへの入り口
・身近な人(親兄弟、友人など)の影響
・地域の少年野球チームへの参加
・プロ野球のTV中継
・スタジアムでの試合観戦
・高校野球のTV中継
・野球マンガ、アニメ、本
・中高の部活動
etc...
■RPGの奥行きの広さ
①様々な楽しみ方ができる
・競技者としての楽しみ方
∟年齢に応じたプレーする環境(少年野球〜草野球まで)

・観戦者としての楽しみ方
∟飲み会代わり、酒のつまみに
∟地域軸、チーム軸、選手軸など様々な軸で応援
∟家族や友人との娯楽イベントとして参加
etc

②体験が積み重なって、人生のストーリーの一部となる
複数の接点を持つ→だんだんハマる→人生の一部になっていく

例)飲み会代わりに試合観戦に参加する→応援方法の面白さからチームに興味を持つ→チームや選手の舞台裏のストーリーを知る→チームが気になる→また観戦する→ファン化

"野球"を試しに分解してみましたが、ポイントになるのは下記の3点になりそうです。
・入り口(接点)のバリエーション
・楽しみ方のバリエーション
・"野球"というRPGに参加しつづけられる環境(楽しむ→ハマる→最終的に人生の一部になる)

ラグビー界にこれからやって欲しい3つのこと

RPGの視点で考えたときに、ラグビーにはまだまだ足りないことがたくさんありそうです。下記の3軸を総合的に考えて施策を打っていって欲しいなと思います。

1.入り口(接点)のバリエーションを増やす
今回、W杯開催によって一時的にメディア露出が増えていますが、徐々に低減していくと予想できます。
これは、例えばオリンピックで金メダルを取った選手や競技のメディア露出が一時的に増え、徐々に減っていくのと同じです。
だから、継続的にラグビーと接触し続ける仕組みと面の広さが必要になります。(作るの大変そう…。)
メディアだけではなく、地域軸、選手軸、チーム軸などの複数の軸で、対競技者、対観戦者ともにアプローチして接点を増やしていって欲しいです。

2.楽しみ方のバリエーションを増やす
ラグビーを競技者として楽しむにしても観戦者として楽しむにしても、まだまだハードルが多いです。
ルールが難しい点だったり、競技者目線だと肉体的なコンタクトが激しそうなので怪我が心配だったりと、いくつかの大きなハードルがあります。
一方で、今回のW杯で試合観戦が盛り上がった事実を踏まえると、競技者よりも観戦者を増やす方がポテンシャルが大きそうですよね。
例えば、ベイスターズのマーケティング戦略のように戦略を作り、愚直に実行していけば、観戦者は増やせそうですし、たくさんの楽しみ方も生み出せそうです(採算が合うかは別)。

3.もっとストーリーに巻き込む仕掛けが欲しい
今回のW杯で国民の多くが"ラグビー"というRPGの序章に触れました。代表チーム、選手、監督をはじめとする関係者の皆さんのストーリーに心打たれました。
ただ、ここでストーリーを終わらせて欲しくないです(むしろ始まり)。
代表チーム内の話に留まるのではなく、ラグビー界全体にある様々なストーリーを可視化し、伝えて、ユーザーを巻き込んでいって欲しいです。
先日、ベイスターズの動画マーケティングの記事で書きましたが、私たちはスポーツを観戦しているようで、じつはその先にあるストーリーを観ています。そして、ストーリーに触れ続けることで、そのストーリーはファンの人生の一部になっていきます。
単に「面白い試合を見せよう」だけの視点ではなく、
関わる人の熱量を可視化し、ストーリーとしてユーザーに届け、ファン化、コミュニティ化を進める。
この素敵なサイクルを、回し続けて欲しいです。

以上です。
もうすでにラグビー関係者の方々が取り組まれていること、多々あると思います。今後のラグビーの盛り上がりに期待しています。
また書きます。

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