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ゴールドジムを #マーケティングトレース

数ヶ月ぶりのマーケティングトレース。
今回は、あの有名な”ゴールドジム”をマーケティングトレースしたいと思います。
じつは3年ほど前から筋トレにハマり、ゴールドジムに週4回通っています。50キロちょっとしかなかったガリガリ体型も、現在は約70キロと、かなり改善させることができました。定期的に利用しているサービスだからこそ、いつかトレースしたいなと思っていました。
ということで、書いていきます。

筋トレ市場を取り巻く環境

筋トレ市場はここ数年、様々な要因で伸びているようです。

・政治面
健康増進法、受動喫煙防止法など、国を挙げた健康促進への取り組み

・社会/文化/ライフスタイル面
ライザップなどによる、筋トレブーム/2020年東京オリンピックの開催/24Hコンパクトジムの流行

・技術面
様々な筋トレに関する情報量の増加(WEBサイト,SNS,Youtubeなどを通じて浸透)

で、具体的にそれがどう数字に出ているかですが、
フィットネス業界のデータとトレンドをまとめている”Fitness Business”によると、ほとんどの主要なフィットネスクラブが売上高も会員数も伸びているようです(コナミスポーツクラブ以外。詳しくはリンク先を参照してください)。
2015年までのデータしかないのが残念ですが、おそらく2019年現在でも、横ばい状態の可能性はあっても、さすがに低下はしていないんじゃないかと思います。

ゴールドジムをSTP分析

ではそんな中、ゴールドジムはどんなSTPをとっているのか整理していきます。

・セグメンテーション
筋トレ ヘビー/ミドル/ライト層

・ターゲティング
筋トレヘビー層

・ポジショニング
筋トレ関連の器具・設備が圧倒的に充実。本格的なトレーニングをしたい人が満足できる設備。
トレーナーも全員トレーニーで、トレーニング、コーチングがうまい。

ゴールドジム = ストイック, 本格的にトレーニングする人が行くジム
というようなイメージを持っている方も多いかと思いますが、まさにその通りで、一般的なジムであるようなジャグジーやプールはありません。
ほとんどをトレーニング器具への投資に回している筋肉質(?)なスタイルです。

ゴールドジムの4P

上記のようなポジショニングの中、どのような4Pをとっているのでしょうか。

・Product
充実したトレーニング設備と質の高いトレーナー
(逆に、プールやお風呂など、トレーニングに直結しない設備にはあまり投資しない)

・Price
月会費 相場1万円に対して1.3万程度

・Place
人口の多い都市圏を中心に全国展開(一部FCあり)

・Promotion
地域広告/紹介制度/ユーザーによる口コミ、UGC
※マスはやってない

筋トレヘビー層が満足するレベルのトレーニング設備を揃えており、他のジムでは見ないような珍しいマシンも、ゴールドジムなら普通にあります。
また、トレーナーも全員トレーニーで、非常にトレーニングに詳しく、フォームチェックをしてもらったり、トレーニングメニューを一緒に考えてくれたりします。
よって相場より少し高い金額でもユーザーは集まり、UGCも結構出てます。インスタでは、#ゴールドジム が75万件あります。

自分がCMOならどうする?

細かい数字が公表されていないので、今回は課題を仮定して思考を進めます。
課題:昨今の筋トレブームで新規会員は増えているが、会員全体の継続率が悪化していると仮定

この課題の根拠は先ほどの”Fitness Business”のデータです。
この課題をどう分解し、どう解決策を出していくか、整理してみました。

課題仮説1
既存会員の継続率が悪化している

要因仮説1-①
1店舗あたりの会員数が増加し、1人あたりの満足度が低下している。(混んでいて施設が使いづらい、マシン・器具を使うまで時間がかかる)
<解決策案>
・施設数(店舗数)の増加→一店舗あたりの会員数を分散
・来店時間帯をずらすキャンペーンの実施
(○時〜○時に来店すれば特典がある、など)

要因仮説1-②
他のジムに乗り換えている会員が増えている
(低価格で24時間営業のコンパクトジムの増加など)
<解決策案>
・24H営業店舗数のアップ
・マシン、トレーニングの質に直結する設備投資の拡充

・既存会員の帰属意識を高める施策の実施
(例:定期的に、会員内で一定の結果を残した人を表彰するキャンペーンの実施、ヘビーユーザーがライトユーザーにトレーニングを教えるプログラムの実施、一定期間通ったら会員ランクが上がって特典が増える仕組みなど)

・スポーツマッサージ・トレーニングフードなど、アスリート志向のユーザーニーズを満たすサービスを施設内に併設(ハードル高そうだけど)

・スパ、サウナなどの施設を充実することでヘビーユーザーのエンゲージメントが上がり、継続率が上がらないか?は試していきたい

課題仮説2
新規で入会したライト〜ミドル層がヘビー層に育成できていない。

要因仮説2
入会初期入会から1週間〜1ヶ月での離脱者が多い
<解決策案>
・ライト層→ヘビー層の早期育成ステップ施策の策定
(例:初回から複数にわたるパーソナルトレーニングプログラムを無料実施、トレーナーとの定期MTG実施プログラム、など)

・新規入会から、○週連続で通ったら、インセンティブが付与されるキャンペーンを行う

だいたいこのような感じになるかなと思います。
本来であれば、入会経路×会員の行動データが欲しいです。
いつ会員が離脱しているのか、経路別に会員の継続率に差があるのか、などわかればもっと精度の高い課題仮説がたくさん出せそうです。

以上!!
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