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仕事をしていく上で、自分の「will」と呼ばれている「やりたいこと」や「成し遂げたいこと」が日々問われることが多くなってきました。新卒の採用時には、企業からは志望理由に加えて「やりたいこと」を問われ、企業に入っても「お前は何やりたいの?」と問いかけられ、リーダーになると、「ビジョンを示せ」という研修や役割が重くのしかかってくる(と感じている)マネージャーも多いのではないかと思います。
VUCAと言われる時代において、何が正解か、世の中がどういう方向に行くのかが全然見えない時には、やはりその人の「意思」「やりたいこと」が世の中をサバイブする唯一の道標であることは全くその通りだと思います。

一方で、そうそうやりたいことってみんな本当に持っているの?って思う時もしばしば。特に就活中の大学生に対して、そんな問いかけをしてみた所で、本当にクリアにやりたいことを持っている学生はほんの一握りだと思いますし(個人的な感覚値です)、明確に答える学生の中でも、就活テクニックとして、なんとか作り上げている、というのが実態なのでは?と思うのです。

もちろんこういうタイミングで自分を内省して、本当にやりたいことのタネを見つけることはとても価値があることだと思います。でもその時点で、それがないことをグイグイ詰めるよりは、「今はまだないけど、一生かけて探求していきます」というスタンスの方が個人的には共感するのも事実です。
そりゃあ、生まれてから、そんな問いかけを日々されてこなかったのに、急にそんなこと言われても・・・というのが日本の教育の実態。「将来の夢は?」と聞かれたのは、小学生の低学年。一方で、ドイツでは、10歳で人生最初のキャリア選択をするという仕組みがあるとのこと。さすがドイツ。

以前、働き方改革の取り組みを社内で行ったときに、仕事を効率化して時間に余裕が出来たら、「こういことがしたい」という人がたくさんいるのかと思ったら、実際には「特にないんですけど」と言う人が多かったのですが、それを知って、これが普通のビジネスパーソンの感覚なんだなー、と思ったのと同時に、それまでなんとなくモヤモヤしていたものが少しすっきりしたのでした。仕事で成し遂げたいことがある人ってどのぐらいいるんだろう?と思いながら、こういう問いかけを家庭、学校、企業でも日々行っていくことが、未来を作る働き方の一つの方向性なのだとも改めて感じています。

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