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猿の子孫の惑星で

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「楽しさ」とは、我らのご先祖様である類人猿の性質に照らすとかなり判りやすいということをお伝えします。哲学科卒のコンテンツクリエーターとして30余年仕事をしてきた視点から、あらゆる… もっと読む
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記事一覧

第4回 造成地と特撮と小田急線

第4回 造成地と特撮と小田急線

今回は僕が子供の時、仮面ライダーの「中の人」にガムをもらった話。

 結論は、どんな形であれ文化に触れると現実的な対応力が増すよね。という事です。

 時あたかも1970年代前半。郊外ではニュータウンの建設ラッシュが、テレビでは子供向けの特撮番組が盛り上がっていた。特撮の中でも等身大ヒーローものは、僕の周囲では巨大ヒーローに少し押されつつも、二番手人気を誇っていた。

 そして正に10年計画のニュ

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第3回 「カネが欲しい」という単体の願望が叶わない理由

第3回 「カネが欲しい」という単体の願望が叶わない理由

 今回の結論は「もっとカネが欲しいという願望は叶わない」ということです。あるいは叶ったとしても大きな犠牲を払うことになります。何故でしょう? それは「カネが欲しい」というのは願望の代替品であって、根源的な願望ではないからです。

 まずお金=貨幣というのは、本当に欲しいもの手に入れたいものの媒介物なんですよ。だからそのお金を使って何を手に入れたいのか、ということが自分にとって切実に明らかにならない

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第2回 「遊びと人間」のその奥というか前というか

第2回 「遊びと人間」のその奥というか前というか

今回も結論を先に書きます。

 ゲーム屋界隈では基礎教養になりつつある、ロジェ・カイヨワの「遊びと人間」という研究書で、提示された遊びの4分類「アゴン」「アレア」「ミミクリ」「イリンクス」という概念ですが、この四概念の提示にあたって、言及されていないことがあります。

 それは遊びを楽し感じる「黙せる受容体」の存在です。脳と神経、身体で構成される、感覚器の総体ですね。その受容体は、我々猿の子孫の性

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第1回 「チーム」と「群れ」

第1回 「チーム」と「群れ」

 今回の結論を先に書いてしまいます。ヒトの「群れ」こそがいじめの温床であり原因です。「チーム」型の組織に昇華するか、「群れ」を離れてどこかの「チーム」に所属するのが、自分に振りかかるいじめ被害を避け、人生の無駄遣いを避ける方法だということです。

 「チーム」は、ハッキリとした目的を共有し、必要な才能を持つ人を集めて役割分担を行う組織です。それに対して「群れ」は、漫然と人が集まって時間と場所をダラ

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第0回 プロローグ 猿の子孫たち

第0回 プロローグ 猿の子孫たち

 唐突ですが最初に結論を書きます、人間は猿の子孫であることから逃れられません。また、本能は既に働きを止めているため、人間が今から自然環境に帰ることは不可能です。

 人間を除く動物たちは自然環境に適応し、季節と連動した天候の変化と気温に即して捕食し、生殖を行い種を継続しており、各々の個体に搭載された適応装置は、しばしば「本能」と呼ばれています。

 最初に「人間以外は」と書きましたが、我ら人間の祖

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