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Aマッソ『滑稽』考察【ネタバレあり】

Aマッソ『滑稽』を、2023年2月25日に東京・草月ホールで開催された昼公演と、同日夜公演の配信アーカイブにて観劇しました。

公演内容の解説・考察まとめです。

※本記事は、公演の重大なネタバレを含みますのでご注意ください。また、考察は全て個人の解釈であり、公演の意図を必ず正確に捉えたものではありません。

・公演の概要
公演『滑稽』は、人間の笑顔を信条とする過激な新興宗教団体「Affirmation(アファーメーション)」が、団体の洗脳によって憔悴した信者のひとりである「菊田市子」を神格化するための儀式を目的とした催しです。

儀式の内容は、市子に向けて笑い声(団体は「嘲笑」と呼んでいる)を集めることです。

この目的は観客に明かされず、単にAマッソのお笑いライブであるという名目で公演がスタートします。

Aマッソの立場は団体側で、この「笑顔を集める」目的のために、2人はネタやトークをしています。

公演中、ステージ上には「滑稽」の2文字が映し出された大きなスクリーンが常にAマッソの後ろに降りており、幕間映像もそのスクリーンに流されますが、この奥には市子本人が祀られた巨大な祭壇が隠されています。

公演の観客は意図せずこの儀式に参加させられており、Aマッソのネタで笑うと、自動的に奥の市子へ嘲笑を捧げてしまう構図になっています。

ネタと幕間映像によって、Affirmationの存在とその行き過ぎた活動が徐々に明らかになっていきますが、これらの「舞台上で展開される世界」と、「観客側の世界」が実は地続きであることが公演が進むにつれ明白になっていきます。公演の最後に一度だけスクリーンが上がり、観客の前に初めて市子の祭壇が露わになります。笑い声を充分に集め、儀式が完了したような形で公演は幕を閉じます。

・編集版
この公演のオンライン配信は、公演の数日後に生配信アーカイブが置き換わる形で「編集版」が存在しました。
公演内容に対する編集は基本的にありません(ネタ中に登場する架空の電話番号にピー音が入る程度)が、映像の最後にはスマートフォンのシャッター音とともに、「笑顔のご協力、誠にありがとうございました」とナレーションが入ります。配信の視聴によるユーザーの笑い声も記録され、儀式の参加に含まれる、という意図のようです。

以下、細かい演出や伏線についての解説・考察です。

・ティザー映像

公演に先立って公開されたティザー映像です。映像の公開時点では「テレビ東京とAマッソが製作するお笑いライブである」こと以外の情報は一切明かされていませんでした。この公演のオープニング映像でもあります。

映像中、加納さんの声などで「ほほえみのつどい Affirmation」と繰り返し聞こえます。映像最後に表示されるモールス信号を解読すると「Affirmation」(=主張、肯定)になります。

「MENTAL BREAKDOWN(神経衰弱、ノイローゼ) 」→ 「SPIRITUAL AWAKENING(悟り)」は、弱った状態から信仰によって悟りを得ようとすることを示しています。
そのほか、「TRANCE STATE(催眠状態、恍惚状態)」、「SELF-HYPNOSIS(自己催眠)」といった単語がサブリミナル的に登場します。

幕間映像の劇中にこの映像は2回登場します。
①市子が「笑顔の誓い」を自分に言い聞かせるようにしながらこの映像を見ている
②メイキングで監督のコメント中、後ろに置いてあるPCに映像が映っている
これらから、このティザー映像はAffirmationによる制作のようです。

・黒い機械
入場時に会場スタッフによって観客の胸元に向けられる検温器のような黒い機械は、ドラマ内でともみが所持し、対象が無表情でないかを検査する機械として登場します。
公演の入場者は、発熱の検査ではなく、儀式の参加にふさわしいかのチェックをされていたことになります。
多くの場合、検温は額や手首などで行われるため、入場時に違和感を持った方が多いようです。

※公演当時、多くのイベントには、コロナウイルス蔓延防止の観点から入場時に検温がありました。

・ほほえみマスク
公演会場のスタッフ全員が着用し、入場時に観客にも配布され、開演前アナウンスやオープニングトークにおいて不自然なほど執拗に着用を促される「ほほえみマスク」(笑顔の口元が前面にプリントされた紙マスク)は、ドラマ内でAffirmationの信者が布教活動中に着用しています。常に笑顔であることを目指すこの教団の体質を表しています。
観客のほほえみマスク着用で、感染予防と同時に儀式への準備が整えられることになります。

・縄がしめられた岩
会場の舞台下両サイドに設置された「縄がしめられた岩」は、俊哉が市子に野木との関係を問いただす場面で登場します。

・観客
ドラマの衝撃的なシーンや公演終盤の不可解な漫才で、不自然に大きな笑い声をあげる観客が複数名存在します。
彼らは教団の仕込みとされています。後列の方で教団のポーズ(指を閉じたダブルピース)を取っていたり、ラストで「笑顔の誓い」を読み上げたりします。
祭壇が登場する直前に映し出される観客の映像でもその存在が確認できます(首から笑顔マークのメダルを提げています)が、この映像は公演ごとに舞台袖から撮影される実際の観客の映像になります。

・白いバン
終演後、会場の外にドラマに登場したものと同じ車種の白いバンが停まっています。市子を公演会場まで運ぶために使われたものと思われます。

※東京公演の後に行われた大阪公演の終演後には、劇中で市子が運び込まれた時と同じように、教団のロゴマークが車体に多数貼り付けられた状態で停車していたようです

・BGM
配信版では差し替えられていますが、公演(途中から)の転換BGMと、ドラマのエンドロールに流れる音楽は、AIの『ハピネス』です。
「君が笑えばこの世界中にもっともっと幸せが広がる」という歌詞があります。

・笑顔の誓い
信者が唱える「笑顔の誓い」(らひずみー ふぁにずみー おーは ぃでぃきあす)は、「Laugh is me. Fun is me. Oh, How ridiculous.(笑顔とは私。楽しいとは私。ああなんて滑稽なんだろう。)」を意味しています。祭壇登場時、笑い声のなかAマッソの2人が繰り返しこの文言を唱える音声が流れます。

公演終了後に会場のトイレに行くと、笑顔の誓いが印刷された貼り紙がされています。

・破顔様
教団の御神体のようです。黄色いドレスを着ています。赤ん坊のような人形で、顔は大きく開けた口に歯が2列に重なっており、指を閉じたダブルピースを掲げて座っています。
「破顔」は「顔を綻ばせて笑うこと」という意味です。
口の中心に小さなレンズのようなものが確認でき、監視カメラの役割もありそうです。(「破顔様は見ている」、施設の門に「防犯カメラ録画中!」)

東京会場2F席の前列には、破顔様に似た人形が両サイド4体ずつ、舞台を向いて設置されています。
(大阪会場では、通路近くの柵、会場出口上部などに複数体設置されていたようです)

Aマッソ特集の『クイック・ジャパン』vol.164(2022年12月27日発売)に掲載され、QJWebにて公開されている『村上の日記帳』では、村上さんが上京する前後である2009~2011年にかけて、自宅の窓の外に破顔様のようなものを確認した様子が記されています。

・冒頭の漫才
加納さんが「一社提供が好き」と発言します。これはAマッソの別の漫才『ドラマ』からの引用ですが、劇中ドラマはAffirmationの一社提供(提供だけでなく制作すべてが教団のみによるもの)です。
また「この公演は養鶏場の一社提供」であると言いますが、破顔様の衣装、コント『教育ママ』の衣装、教団のロゴマークなど、印象的に黄色(=卵の黄身の色)が使われており、養鶏場と教団の関係が連想されます。

加納さんが「多数決になびきすぎるとディストピアでは生き抜かれへんぞ」と言いますが、教団に洗脳され自我を失っていく様子を示していると思われます。

村上さんが「どんぶりでの食事は人類にとって進化というより退化」と言いますが、教団の共同生活における食事は食器一つのみで行われています。

・菊田市子について
市子は大学で教育学を勉強していましたが、弟である健太の死をきっかけにAffirmationに興味を持ち、大学を辞めて入信、九十九里支部で信者たちと共同生活を始めます。本心では教団にやや懐疑的であり、破顔様を投げつけたことで「無表情に侵された」として信者に足を折られ、風呂場に軟禁されます。やがて黄色いドレスを着せられて白いバンに運び込まれ、綻び様になる儀式のため、『滑稽』の会場へ向かいます。

公演中、本物の市子の姿が登場するのは、
①教団紹介VTR
②メイキング映像の『嘲笑前の市子様』
③公演ラストに現れる祭壇
の3回で、それ以外の市子は教団所属の女優「幸福えみ」によってドラマの役として演じられたものです。

市子には爪を噛む癖があり、教団紹介VTRや風呂場に軟禁されている場面でそれが確認できます。この癖はドラマにおいても役者によって再現されているほか、コント『教育ママ』でも「爪噛むな」と言及されています。

《入信前》
コント『合格発表』で、高校の国語教師として市子の写真が登場しますが、市子は現役大学生のため教育実習の可能性があります。

コント『教育ママ』では、村上さんが市子、加納さんが市子の母にそれぞれ重なる役を演じます。「弟の健太がいなくなったのはなぜか」と躁状態の母が繰り返しますが、市子は反応しません。母は、健太がいない今、心の拠り所は市子しかいないと訴えます。市子は母に健太の所在やいなくなった責任を問い始めますが、要領を得ない母とは会話にならず、泣き顔で走って出て行きます。

《入信後》
教団紹介VTRで市子は「教育学を勉強している」と発言します。集まりには「今回初めて参加した」とのことで、これが教団とのファーストコンタクトと見られます。

布教活動後の市子が母と施設の前で対面するシーンから、市子が大学を中退し母と一方的に決別したことが分かります。

コント『抽象』で登場する演劇のフライヤーの中に市子が写ったものがある(『ルマットおばさんの襲来』)ことから、市子自身もAffirmation芸術部(ドラマ制作を担当した教団内組織)に所属していたか、市子を題材とした演劇が制作されていた可能性があります。

公演ラストで祭壇に登場する市子は、憔悴しきった表情で十字架に磔にされ、教団のポーズをとらされています。破顔様と同じ衣装を着ており、首から笑顔マークのメダル(「ほがらかセミナー」で「チャックルが開く」と1枚授与される)を何枚もかけ、腕に無数の痣があります。バンに運ばれる時点では痣がないため、移動時か公演中に暴力を受けたものと見られます。

※「チャックル」は英語の「chuckle(くすくす笑い、含み笑い)」から来ていると推測されます

・健太の死因
市子の弟、健太の死因は、受験ノイローゼか受験失敗による自殺と推測されます。
コント『教育ママ』の「右から 右から 赤本が来てる 健太はそれを来世へ受け流す」から。
終始ハイテンションな加納さんの演技は、健太の死によって不安定になった母を表現しているように思われます。

ほがらかセミナー中、市子が健太の棺桶を見て泣く母の幻覚を見た際の「お母さんのせいで死んだんじゃん、お母さんの見栄と意地のせいだよ」という発言から、教育熱心な母が健太を追い詰めたと見られます。
(コント『合格発表』における村上さんは健太の示唆のようにも感じられます)

コント『教育ママ』内の「これから2人きり」、ドラマ内の市子の「私たちはお父さんへの当てつけだったのかな」などの発言から、市子と健太には他にきょうだいはおらず、父親は生活を共にしていなかったと推測されます。

・コオロギをつぶす俊哉
俊哉は掃除中にモップでコオロギをつぶし、笑みを浮かべます。今まで便所コオロギと呼ばれてきた自分と決別できると、この時点ではまだ教団に対して希望を抱いていたようです。
のちに轢殺される俊哉の行く末を暗示しているようにも思われます。

・にらめっこボックス
笑顔の口がポストのようになっている「にらめっこボックス」は、投書箱のようです。

ドラマで俊哉が起床した時、布団から落ちたティッシュを背の高いヒゲの男性に見られます。直後、ヒゲの男性はにらめっこボックスに紙状のものを投函します。その後、ともみは俊哉に「どうもあなたは、夜ひとりで淫らな行為に耽っているんじゃない?」と問いかけます。
ともみはこの情報をにらめっこボックスから得たと推測できます。

性欲は邪念とされ、教団の信条に反するものです。
共同生活のメンバー間で、教団の戒律違反を見つけた時に密告するためのシステムではないかと思われます。

「にらめっこ」というネーミングには、「互いに睨み合っている」こと、もしくは「相手を笑わせる」ゲームであるところから、「笑えない戒律違反者を矯正する」という意味合いがありそうです。

・ドラマの制作意図
ドラマは、教団が俊哉の殺害と市子への暴力を隠蔽し、さらに市子の儀式が正当なものであると主張する意図で制作されたと推測できます。

ドラマで金巻俊哉役を演じた、教団所属の俳優であるWARAは、俊哉の死について「杜撰な捜査で仲間が逮捕されたが、実際は事故だった」と発言します。これは、実際の俊哉が施設を出ようとして教団メンバーに轢殺されたことを、「破顔様のアルカルク」による出来事だったと主張しているものと見られます。
ドラマで、市子が破顔様を投げつけ、超能力的に足を折られた時も、周囲の信者は「アルカルクだ」と言いますが、実際の市子は信者から直接暴力を受けていたのではないかと思われます。

※「破顔様のアルカルク」とは、メンバーが無断で施設の敷地から出るなど、教団の教えを過度に違反した場合に下る天罰のようなものとされているようです

・ルマット
公演中に複数回登場する単語「ルマット」は、フランス語の「Le Mat」(=「愚者」。タロットカードに同名のカードが存在)から来ていると思われます。

①コント『抽象』で市子が写った演劇フライヤーのタイトル『ルマットおばさんの襲来』
②逃げようとした俊哉を市子に追いかけさせる際のともみの発言「彼を笑わせなさい、このルマット!」
③漫才『オカン』で村上さんの喋る順番に困惑する加納さんのセリフ「ルマットなってるやん私も」

以上3回この単語が登場しますが、文脈的にそのまま「愚者」に近い意味で使用されているようです。

・コント『抽象』の2人
コント『抽象』に登場する演劇セミナーの講師と受講生は、ドラマを制作したAffirmation芸術部に関連していると推測されます。

加納さん演じる受講生が「『言いたくなかったんだけど、どうもあなたは、夜ひとりで淫らな行為に耽ってるんじゃない?』みたいなセリフを書きたい」と発言しますが、このセリフは直後のドラマパートでそのままともみのセリフとして登場します。
(コント内で加納さんは「田中」と名乗りますが、ドラマのエンドクレジットに「田中」という人物は記載されていないため、ドラマとの直接的な関係は不明です)

加納さんのセリフ「やらなければいけない晒しがあるんじゃないですか、先生?」の「やらなければいけない晒し」とは、最後に祭壇で磔にされる市子を示しているように思われます。

・写真 de トーク!
このコーナー内で紹介される写真は公演ごとに異なります。以下は配信版で紹介された写真のみに関する記述になります。

このコーナーは、直前に流される過激な映像の箸休め的に展開されます。Aマッソがくじを引き、出た数字の年齢当時の写真を見てトークするコーナーですが、2人は「一緒に写っている友達は後に不倫していた」「当時自分はいじめられていた」など、ネガティブな内容も笑いながら楽しげにトークします。Aマッソの2人らしい振る舞いではありますが、「辛い時の笑顔が一層滑稽だ」とされる教団の教えに則ったものとも推測できます。

29歳の村上さんの写真(自宅で焼酎の大ボトルを持っている)についてのトークで「当時、お酒を飲んでいたら加納さんに『何から逃げてんの?』と聞かれた」と発言します。
この自宅は『村上の日記帳』に登場する、Aマッソが2人で住んでいた自宅と一致します。日記内で村上さんが窓の外の異変を感じ、不安感を抱き始めた頃と思われます。

・引き続き、ご協力お願いいたします。
ドラマのメイキング映像の最後に表示される「引き続き、ご協力お願いいたします。」は、観客に対する「そのまま笑い続けて、最後まで市子へ嘲笑を捧げ続けてください」という意味と推測されます。

ここまで約1時間50分、観客がAマッソのネタやトークを観て発した笑いは、全て市子の儀式への「協力」であったことがここで示されます。

・綻び様
市子は儀式を経て、教団において「綻び様」と呼ばれる存在になったと見られます。

一方で「綻び」には、「顔がほころぶ=笑顔」の他に「花のつぼみが少し開く」という意味もあることや、漫才『オカン』における村上さんの「市子はいま綻び様である」という旨の発言から、儀式が完了する直前の状態を「綻び様」と呼んでいる可能性もあります。(Affirmationのロゴマークには黄色い花びらのようなデザインがあしらわれています)

祭壇において市子は十字架に磔にされていますが、これはキリスト教からの影響とみられます。
(一説において、イエス・キリストはユダヤ教を批判した罪人として、ローマ帝国において反逆者のみに使われていた「十字架に磔にされる」という極刑に処されます。やがてイエスの死は「贖罪の犠牲」として礼拝の対象となり、キリスト教のシンボルとなります)

無表情に侵されたと見られる市子は教団において罪人のような扱いとなり、犠牲として刑に処されると同時に崇められる存在になったようです。

・漫才『オカン』
過去にM-1グランプリの予選などでAマッソが披露した漫才の構成を基としています。

「親大事にでけへん奴はアルカルク受けんねんぞ」「ルマットなってるやん私も」など、漫才内で教団の用語を複数使用していることから、Aマッソの2人はAffirmationの関係者であると見られます。
この他、「からごころ」「めっちゃ袖固い」「オートグラフ」「いちばんさんどうちょう」「ラフアゲイン」「ラフトモシュヒ」「コンソレーション」「AC」といった文脈にそぐわない不可解な語彙が多数登場しますが、会場内の信者の観客はこれらの意味を理解しているかのように笑い声をあげます。

漫才後半(「上京する前みたいになってんで」以降)、会話内の「オカン」とは村上さんの母親のことではなく、「オカンみたいに接してくれた先輩」であると明かされます。その人物は村上さんに唾を吐いたあと、村上さんをシバき、村上さんが「やめて」と言ったら怒った、と続きます。
また、その人物に対する村上さんの発言「今はもう先輩ではない」「人間とかそんなんじゃない」「綻び様やぞ今は」から、一連は市子の話であり、村上さんは市子の後輩であるということになります。(加納さんも彼女について「おかしくなったんか後々に」などと発言しており、市子を認識しているようです)

「その人物のことは笑いながら話さないと失礼」から、市子の話は笑いながらする必要があり、その笑いを「嘲笑」と呼ぶと推測されます。
メイキング映像でも、監督である城之内が笑いまじりに市子の話をする様子が確認できる上、この漫才の後半部分自体も、Aマッソ(特に加納さん)は異様に笑いながら展開します。

2人はひとしきり爆笑した後、観客に向けて「ご協力ありがとうございました」と言って漫才を締めくくります。

・村上さん
『村上の日記帳』において、村上さんは自宅の窓に不審な何かを見つけます。初めはカーテンで窓を隠すなどして見ないようにしていましたが、村上さんが笑うことでそれは成長し、破顔様の特徴と一致するものに変容していきます(日記内の時点において、村上さんは破顔様を知らないようです)。
上京後、村上さんは新居のベランダに自分の姿を確認し、話しかけるとそれも破顔様の姿へ変化します。
日記終盤、書き文字が崩れ始め、文体も陽気になり「面倒臭いことは考えないことにした」「過去の自分の写真がすべてあの顔(破顔様)に変わり、新しく撮った写真も同じようになった」ことが記されて日記は終了します。

村上さんがこの時点(2009~2011年)で教団と接触したかは不明ですが、破顔様の影響を受け、正気を失いかけていたようです。

・AマッソのAはAffirmationの頭文字
Aマッソはコンビ名の由来を明確にしていません。

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