詩No.110「ダイブ」
黒い縁の中に潜水
網を游ぐ日課
私たちと、私だけの庭は海
ある程度腹の脹れたPM2:00が虚しくて
暮らしを軸に回転するチャンネル
指先ひとつで旅に出るの
ああ
渦に呑まれて
呼吸よりも先に追った青い光を
溺れている
もうここが何処か分からなくて
でも楽しくて つまらない
それだけが確か
不意に笑った
私という誰かの声が聞こえて
息を吸った
その光の水面から顔を出した
そうだ、
私にも日常があった。
この黒い縁の中で
どれだけ遠くに行っても
私の手元には
何も残らない
また一つ
知識ばかりが増えていく
それを遣い
この手で何かを掴むしかない
旅に出る
靴紐を結び
今度はこの足で
未だ観ない世界を観に行くために
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?