詩No.112「ダウナーな夕方のオプション」
齧るシャーベットの
パインと舌触りは粒を感じて
纏ったブラウンのリネンシャツに
はらりはらり 零れ落ちたコーンを払った
少し離れただけで要らないものになるなんて
欲は時に都合が良くて
しかし人には不可欠なのかもしれない
酸味とオレンジが
この体内に似合うかは知らない
たまに摂る
嫌いではないそれを思い出すのが
それが良いんだ
感覚は時に速くて 遅い
その回りくどさと起伏も
しかし人には不可欠なのかもしれない
指先から
体温が下がるのを感じた
陽が沈む このオレンジが
体内に溶けていったそれと
まるで似て非なるものであること
識別なんて 所詮そんなもの
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?