夏の旅程

金曜日、会社から突然夏休みを言い渡された。首になったわけではない。首には多少なりたい。ブラック業界の中堅ブラック企業である。まさか夏休みがあるとは思っていなかったのだ。お金も多少たまっているので、海外に行こうと考えたわけだ。会社、そのようなブラックであるにも関わらず同期などにボンボンが多い。卒業旅行は別のグループと2度行ったとか、どちらも海外だった、とかふざけたことをこの前の飲み会で盛り上がってる奴らが居た。殴らせろ。少なくとも貯めたバイト代で、卒業旅行として免許合宿に行ったなどと言える状況ではなかった。親の金で楽々海外に行って、それで海外に言った経験が~、とか海外って価値観が~、とかホザク奴。俺が全く許さん。親の金で吹っ飛ぶ価値観なんて最初から薄っぺらいに決まってる。親の金で海外に行くのはいい。それはゆする。許す。価値観とか言い出すやつは相当にくたばれ。畜生め。

なので旅程を定めた。ヨーロッパである。俺の金で俺が行くのだ。ヨーロッパ、と一点盛りでパンフレットをもらってきたら信じられないぐらい高い。お盆の時期というのもあるが、それを少し外れた時期というのも平気で2,30万する。2,30万って・・・。学生バイトにスケールを合わせて考える。時給850円とすると、単純に30日、45日の労働にあたる。週3として、10週間、15週、簡単に2か月か3か月分の労働だろう。これもバイト代をまるまる貯金に当てたら、という換算である。スゲー・・・。個人的にはポルトガル行って、モロッコにフェリーで行ければいいな、なんて考えてたんだけど。なんてこった。なーんてこった!全ー然足りない!学生の卒業旅行一回分にも貯金が匹敵しないなんて!毎日作業着で野山にいてもダメってこと。お金持ちにならなきゃね、ヨーロッパにはけないんだよ。
みつを!!!!!!!!
くたばれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

結局身分相応にグレードダウンして、神戸から大分までフェリーで行くことにした。アフリカと九州は形が似てる。九州で行ったことがないのは、実は大分だけだ。別府。エマノンだ、鶴田謙二のエマノンと会えるかもしれない。これでなんとかなる。熊本にも行こう、通潤橋と熊本城にも行ってみよう。勝ったな。

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