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イタリアと日本、ビジネス展開の違い その2(経験談)

大手から中小企業まで日伊通訳を担当させて頂き、日本の社会人として言葉にならないほどの貴重な経験を重ねていく中で、イタリアでの経験はないことにした方がスムーズに進むことを学んだ。
日本企業で学んだことを活かしてイタリアの企業に通訳する時に、文化の理解をした上で母国語で説明する方が納得できる。イタリアでのビジネスと比べてしまうと最初から地獄のような商談になる。完璧な日本語で話しても、完璧なイタリア語で話しても、全てが無駄になってしまう。言うまでも無く、言葉そのものよりも、行間や句読点、間の意味を理解し通訳する事でより完璧な商談になる。
以上のことを僕の経験談として具体例を挙げる。

イタリア企業が日本の展示会に出展した際の出来事だ。
日本のある企業側に商談を進めていくにつれ「それは難しいですね」という言葉がよく出る。日本企業同士だとその言葉は「NO」に等しい。イタリアの企業の場合は「低いが可能性がある」という意味に捉えられる。なので事前に大事なことは、イタリア側に感覚や価値観、見方の違いをしっかり説明しておくことだ。

もう一つ例を挙げる。
あるイタリア人のお客様はよく「直接社長に話そう」と言っていた。イタリア人の感覚では、社長に直接オッケーをもらえば成功、社長が全てなのだ。日本企業では真逆で、まず担当者を通し徐々に段階を踏んでようやく成功のスタートラインに立てる。

その違いを理解していないと、日本のマーケットでビジネスをする事は不可能である。


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