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艦これとヒロタのコラボシューアイスと21LADY(3346)の業績について

ども、ヒラコーショック前から提督業も営んでいるmassinaです。
今日は艦これが洋菓子のヒロタとコラボして艦これシューアイスを売り出したところ、大変良く売れているようなので、ちょっと業績インパクトでも計算してみようかという話題です。
(※私自身は外食産業や食品産業を担当したことがないのでこの分析は素人の分析だと思って下さい。)

■21LADY(3346)の艦これ銘柄化
全力2階建でもまとめられている通り、というか前段階として2階建の記事を読んでおいていただくといいかと思うのですが、今回艦これとコラボしてシューアイス出した洋菓子のヒロタは21LADYの主力事業でして、もう一方の主力セグメントのILLUMS事業は売却したので、2020年3月期からは21LADYの業績≒ヒロタ業績ということになります。すなわち、艦これシューアイスのヒットはとりもなおさず21LADYの艦これ銘柄化を意味し、またそもそも業績規模が小さいので業績に対するアップサイドもそこそこ目立つ可能性があるように思われます。

■艦これシューアイスは20万個以上売れた模様
艦これシューアイスは4月19日より東京2店、大阪2店の店頭で販売開始、数日で売り切れが出たこと増産体制に入ること5/1には10万個を突破し連休中増産対応すること、艦これ運営からツイートがありました。また5/13には通信販売が始まりましたが、2時間程度で完売、注文番号などから概ね10,000セット弱(店頭同様10万個程度の想定なら8,333セットになる)が売れたものと推測されているようです(このあたりは艦これまとめブログなどご覧下さい)。店頭とネットで合計して20万個は出ていることになろうかと思います。

■2020年3月期に売上で3%、利益で2-3割の貢献があってもおかしくない?
これを単に200円x20万個で4000万円の売上上乗せですねーで済ませても良いのですが、店頭で販売した分と、5/13の通信販売分ともう少し計算してみますと、シューアイスの限界利益率次第では結構な利益アップサイドあるんじゃない?という感じですね。21LADYのヒロタ収益は売上高20億弱、営業利益率は直近改善が進んでいるので4-5%ってところではないかと思いますが、そこに素直に乗せると売上で3%、利益で2-3割程度の貢献があってもおかしくない印象になります。(もちろんここで見込んでいる費用以外に広告宣伝費、増産分の人件費・水道光熱費などが乗ってきますので多少削る必要はあります。)
なんか利益インパクト大きすぎない?って感じもしますが、そもそも利益水準が低すぎるがゆえにそうなってしまう感があります。
【投稿後追記】そういや艦これ運営(DMM/KADOKAWA/C2)へのロイヤリティがあるはずなので売上の数%分費用が乗ると思います。
【投稿後もうひとつ蛇足】往々にして、一時的な売上の増はそのまま利益出すのではなく今までやりたくてもできてなかった方にお金使ったりするので、出来上がりの利益水準はそんなに高くならないことがあります。

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■上記試算の前提となる考え方
洋菓子事業のコスト構造については、どうなっているのかよく知らないのですが、上場企業としてはモロゾフ(2217)、不二家(2211)、寿スピリッツ(2222)、シベール(2228、上場廃止になりましたけど)あたりですかね、で、業態や規模が多少異なるとはいえ、このあたりの原価を参考にするよりなかろうと思います。

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艦これシューアイスの増産に関しては、この場合は設備増強したわけでも店舗拡張したわけでもないので、原価率をそのまま使うのはあまり適切ではなく、限界利益率を考えるべきで、変動費は材料費と経費の一部くらいでいいのではないかと思いますが、上記の洋菓子上場企業のうち単独決算で原価の内訳が出ているものから類推するのが妥当だと考えました。それでモロゾフとシベール持ってきたのですけど、売上規模や商材のミックスからするとシベールの方がより近そうですかね。ともあれモロゾフとシベールの間を取って材料比率を30%と想定しています。
通販分に関しては1箱3,700円でうち1,000円がS/H費(Shipping & Handling; 梱包費・輸送費)とサイトにありましたので、2700円x30%+1000円を費用として見ています。

そもそもヒロタって(ヒロタの過去の業績)
しかし、これを見てじゃあ21LADYが買えるのかというと、という話なのですが、結構ギリギリ感のある経営なのですよね。ヒロタ自体、2001年に破綻し民事再生に入り、その流れで2002年に21LADYの傘下で経営再建をしたわけですが、2005年には民事再生手続きが終わったものの、金融危機以降また赤字続きで、縮小に次ぐ縮小を繰り返しています。純然たるヒロタ事業の固定資産は不明ですが、セグメントの資産の金額しかり、連結の有形固定資産の金額しかりで、設備の老朽化も気になりますし、新製品の投入やらなんやらできるだけのキャッシュあるの?なんてことも気になりますね。いずれにしてもここ1-2年は縮小均衡の効果が出ているようには見えます。
長々書くのも読みにくいと思いますので以下にグラフのポイントを箇条書きします。

・売上高は金融危機以降、年間20億円程度で推移
・資金繰りはHUB売却で一旦持ち直すも、厳しい状態が続き店舗削減を進めていた
・2015年頃から店舗数絞り込みによる改善が見られ始めている
・直近では営業利益率4-5%水準が見えている
・店舗当たりの資産は資金繰りの改善とともに流動資産が増えてきているっぽい(高収益店舗だけ残していくとこうなるのはわかる)
・有形固定資産はひたすら絞り続けている(結果、資産回転率高い・・・逆に必要な設備投資をしていないとも言えるかも)

【注記】店舗数・店舗当たり資産について
店舗数推移はwebarchive.orgで古いサイト見ながら推測。セグメント情報の資産(長短合計)と連結の有形固定資産につき、それぞれ店舗数で割り算して求めています。連結の有形固定資産は雷門TPやイルムス買収時にヒロタ以外のものが入ってきていることになりますが、雰囲気をつかむために掲示しております。

ヒロタ事業売上高と店舗当たり売上高

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営業損益と営業利益率

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ヒロタ店舗数

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資金繰り(現預金水準とDays Cash on Hand)

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有形固定資産の圧縮と資産回転率

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店舗当たり資産

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