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「週刊プラグインレビュー」HoRNet / Total EQ

今月2記事目の更新になります。
忘年会ラッシュ、大掃除、そして年末進行と続き、胃の疲れに年齢を感じる今日このごろを送っています笑

さて、今回ご紹介したいのは、HornetのMasterEQであります。
結構前に発売されたモノではあるんですが、なかなか面白い音色のハイスペックデジタルEQだな~と思い、今回チョイスしてみました。

それではやっていきます!
プラグインレビュー!

HoRNet Total EQとは?

HoRNetはイタリアの個人開発のプラグインベンダーで、想像の斜め上をいくプラグインを格安で提供してくれている。
どんなものがあるかというと・・・。

・ずっとウニウニ動き続けるグラフィックEQ
・インプットレベルが自動操縦のLA-2A
・同じくインプットレベルが自動操縦で年式の指定が可能なサミングミキサー的なモノ

といった調子で、目線と角度が一味違うプラグインをリリースしてくれている。

今回、紹介したいTotalEQは、Kirch-offしかり、基本的にはPro-Q3フォロワーのGUIを持った、モダンコード設計のEQ。

特徴は以下。

・すべてのバンドに対して、自動スレッショルド、自動アタック、自動リリース設定のダイナミックEQを設定できる。
・各バンドごとにアナログモード、SATモードを追加できる。
・グローバルにもアナログモード、SATモードの機能がある。
・同じ音量でEQをする、EQLOUDボタンを搭載している。

まぁ、これだけみてると、完全にProQ-3フォロワーであることは間違いないわけだが、もうちょっと詳しくみていこう。

機能面

それぞれの機能についてみてきたいところだが、HoRnetはマニュアルが存在しないメーカーなので、触りながら機能を紹介していきたい。

まず、このEQはPro-Q式なので、スペアナの画面上をダブルクリックして、EQポイントをつくる。

そうすると以下のような画面がでてくる。

Dボタン
ダイナミックEQをONにするボタン。

Mボタン
恐らくMuteで、そのバンドをバイパスするボタン

Lボタン
そのバンドだけの音を聞くボタン。
個人的にはショートカットキーをここでつけて欲しかった・・!

Aボタン
アナログモードをONにするボタン。

Sボタン
サチュレーションをONにするボタン。
有効にすると隣にスライダーがでてきて、どの程度SATを盛るか?の分量を調整できる。

フィルタータイプの切り替えについて
DMLASと書かれている3つのボックスの一番左をクリックすると、20種類のシェイプを選択、下のスライダーでQ幅を設定することが出来る。

StereoとM/Sの切り替え
標準の設定でStereoと書かれている場所をクリックすると、M/Sに切り替えることが出来る。

グローバルボタンについて

スペアナの下にグローバルで効くボタンが用意をされていて、一括でそれぞれのモードをONにすることが出来る。
が、ここが微妙にわかりにくい設計をしていて・・・。
例えば何のモードも使わずバンド1、バンド2、バンド3でEQをした後に、ANALOGやSATを押すと、全てのバンドのANALOG、SATモードがONになる。
同様に、このグローバルボタンを消すと、全てのバンドのANALOG、SATがOFFになる。

しかし例えば、
バンド1はアナログ。
バンド2はSAT。
バンド3は何のモードも使わない。

その状況でグローバルボタンのアナログを有効にすると、一括してバンド1から3のアナログモードが有効になる。
その上で、グローバルボタンからアナログボタンを無効にすると、以下の結果になる。

・バンド1ー何のモードも使わない。
・バンド2ーSAT。
・バンド3ー何のモードも使わない。

といった調子で、グローバルをON/OFFをするとこれまで使っていた設定のリコールがとれない。
しかし、かといって、Undo/Redoは設計されていないので、元々のばらばらに「ここはこのモード、こっちはこのモード・・」といった調子でつくっていた音の復元に時間がかかる。

なので、基本的には初期にこのグローバルボタンをつかって試聴してみるのが良い。

PH INV
フェイズ(ポラリティ)を反転させるボタン。

LINK I/O
インプットを上げたとき、アウトプットが下がる・・といった調子で、INとアウトの音量を自動で調整してくれるボタン。

EQ-LOUD
イコライザーでブースト/カットした音量と元のインプットの音量をそろえてくれるボタン。

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検証してみる。

まず、TotalEQのTHD-Nを測ってみる。

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