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「週刊プラグインレビュー」Wild Blue Sound / Silencer

春というか、夏がやってきませんか?笑
相変わらず適切な恰好に困っている諸石です。

今月車を中古車から中古車に乗り換えて、色々カスタマイズしたいぞ~となっているうちに良い金額吸われつくしてゾンビと化している昨今です。

さて、今回は以前からリクエストをマシュマロにいただいていた、Wild Blue SoundのSilencerについて見ていきたいと思います。

それではやっていきます!
プラグインレビュー!!

Silencerとは?

Silencerをご紹介する前に、簡単にWildBlueSoundってどんな会社なのか・・?を見ていきたい。
この会社は、プロデューサーのネイサンライトナーと作曲家のジェフロナーによって設立された会社だ。映画やテレビの作曲、音楽制作、ビデオゲームへの提供など多岐にわたる活躍をしているらしい。
要するに、実際に必要だから作った・・的なニュアンスをやはり感じる。

で、Silencerはいわばリバーブの罪・・といえる部分に切り込んだ作品だ。
リバーブを薄くかけて運用・・とかなら気にならないかもしれないが、しっかりリバーブが必要だよね?というタイミングでは、リリースに当たる部分を伸ばしていくと、原音が濁ってしまう。

リバーブをかける前
リバーブをかけた後

このようにソノグラム(公式サイトより引用)で見てみると、元々あった周波数成分やダイナミクスがリバーブにガッツリマスキングされてしまう・・なんてことがままある。

これが原因で、リバーブは必要であるにも関わらず結構ドライに仕上げてしまいがち・・であったり、リズム楽器に「結局リバーヴうまく使えないよ~」なんてことはないだろうか?

僕はある笑

そこでSilencerは、原音をトリガリングして、次の音符にかかる瞬間にリバーブそのものを無音化するような機構になっている。

サイレンサーのTimeGate機能とリバーブをかけた様子

こうすることで、長かったり深かったりするリバーブの中に原音が埋もれてしまうことがない。
理屈上はよくわかる話だ。
だから僕らはサイドチェーンコンプをリバーブに使うのである。
ただ、それだとバイパスをしているわけではないので、完全にClarityが確保しているとは言いにくい。

いうなればそこに目をつけて、構造上、完全に音符の発生点をクリアにする・・・というのがこのプラグインの趣旨だ。
なお、その機構上、プラグインラッパーにせざる得ないわけだが、それをやりきっている。半端じゃない執念である。偉い。

機能面

さて、そんなSilencerであるが、機能面について見ていこう。
マニュアルを読みつつ、各機能をおさらいしていく。

TimeGateに好きなリバーブを召喚する画面。

シグナルフロー

DryとWETに必要な干渉を加えられるよう設計されている。


このように凄く考えられている。

TimeGateについて

TimeGateは以下の画像のような動作をしてくれる。

リバーブはトランジェントのときは黙ってくれい!という処理。

これは簡単に言うと、信号のアタックを拾って、リバーブの残響を消してくれるトリガリング機能だ。MIDIでのトリガリングも対応している。

各種ノブについて


MIX:50%まではドライ信号の音量に影響しないように調整されていて、それ以降はドライ信号の音量が下がるように設計されている。

Reverb:リバーブへ送る信号レベルのSEND


TRIG:トリガーの感度を上げる

HOLD:次のトリガーを検知できるようになるまでの時間。

下部のオプションスイッチを入れると、トリガーオプションが選択できる。


HYSTER

次のトリガーが適用されるまでに必要な音量変化を調整するノブ。

サイドチェーンフィルターの種類の選択
以下の3つから選択できる。

・FULL
・LP
・HP

これらは、ドライ信号やウェット信号には影響しないが、リバーブのトリガーのみに影響する。目的としたい音のトランジェントのタイミングを結果的に変えることになるので、クリエイティヴに使うことができるとのこと。

MIDIモードについて

MIDIを送ってトリガリングすることが出来る。

オーディオをMIDI変換してあげるとトランジェント信号を強く持っていない信号(例えばボーカルとか。)を正確にトリガーかけてあげることが出来る。

DAWにその機能がついてなくても、メロダインを使うと簡単にその機能を使うことが出来る。

STRIPについて

左側から色んなモジュールを追加が可能。

Weight、Airノブ

BBE SonicMaximizerをリファレンスにしたWeightとAirノブを搭載している。

Gate

リバーブにグルーヴを加える。

ドライ信号を検知に使っているので、パンチのあるサウンドを得られる。特にドラムに良いとのこと。

Spread

ドライ信号とウェット信号を反対方向にパンをして、3Dエフェクトを生成する。

Focus EQについて

WET信号の邪魔な帯域をディップさせ、ドライ信号の同じ周波数をブーストすることで、明瞭度を高めることができるEQ。

SideChainについて

ドライ信号を検知して、ダッキングするモジュール。
トリガリングのオプションと同様に、FULL LP HPと帯域を指定してウェット側の信号をダッキングするよう設定できる。

Choose VSTについて

プラグインマネージャーが起動して、指定したプラグインを追加する。

Show Reverb Onlyで、リバーヴだけにリストを絞ってソートできる。

ここで、リバーヴ後段に好きなプラグインを挿せる。
プラグインラッパーとしての側面が強い。


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使ってみた感想

正直に言って、リバーヴに関しては検証する必要性を感じないのと、プラグインラッパーの性質が強い作品なので、検証については今回は割愛させていただく。
実際にミックスで使ってみた感想について書いていきたい。

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