見出し画像

LZ A5 にはイヤホンの楽しさが凝縮している!

七福神商事さんのレビュー企画でLZ A5をお借りしました。LZ(老忠)は中国のメーカーで、A5の前機種であるA4もかなり良い評価を得たイヤホンと聞いております。
私はLZの製品を聴くのは初めてですし、1DD + 4BAといった多ドライバーハイブリッドをじっくり聴くのも初めてです。さてさて、どんな音を聴かせてくれるのでしょうか!

七福神商事さんのHPはこちら http://tsh-corp.com/home/

製品のクオリティ

SIMGOT EN700BASSの際にも感じましたが、昨今の中国産イヤホンのクオリティは本当に高いですね。雑な箇所は無く、丁寧に作られています。

筐体はガタや塗装の甘さ等はありません。mmcxコネクタもバチっとハマります。布巻きの純正ケーブルは柔らかく絡みづらいです。プラグの作りも良く高級感がありますね。交換ノズルもバリなど無く、塗装もしっかりしています。

付属の丸いケースは、これはHIFIMANのRE2000やRE800Jと同じものみたいですね。このケース良いですよね。

まあ、あとはLZのロゴはもう少し、こう、誰かカッコイイのを作ってあげて!

えっ、それ以上に言うことがあるだろうって?
それは七福神商事さんがしっかりとやってくれていますよ。ちなみに、私は以前にHONDA CB400SF Revoに乗っていましてね。ほんと扱いやすくて良いバイクでした。おっと、それは関係ない話ですね。

環境

主に使用した環境は次の通りです。
プレイヤー・HIFIMAN SuperMini
イヤーピース・純正Lサイズ、final Eタイプ M,L、Spinfit TwinBlade M
ケーブル・純正ケーブル、LZ LZX47191 3.5mm 4極 8芯銀メッキケーブル

音のバランス

初期状態で付いている黒フィルタをベースにしています。届いてから2日間聴く時間が無く、50時間程鳴らした状態から始めました。

高域:★★★☆
中域:★★★
低域:★★★

ドライバ一発のイヤホンに慣れているとちょっと不思議な感じです。とても5つのドライバーが入っているとは思えません。非常にクリアでキレが良く、特に高域の情報量が多いですね。ホワイトノイズもほぼ感じられません。
昔(UE 10proの時代ですね)のマルチドライバー機はドライバー間の繋がりがイマイチに感じられ、音がバラバラと聴こえてくるのが苦手でした。A5はそんな不自然さをほぼ感じられません。いやー、これは良い!

バランスとしては高域が印象的です。繊細だけどしっかり主張してきますね。低域はダイナミックらしい量感です。低域から中域にかけての繋がりに違和感がないですね。フラットなようでフラットじゃない、それぞれの領域がしっかり仕事をしています。

それでは、A5のお楽しみ要素?であるフィルターを換えてみましょうか。

青フィルターの場合

高域:★★★★
中域:★★★☆
低域:★★★

黒フィルターと比べると、高域の明瞭さ、広がりが上がりますね。金属音をより強く感じるようになります。

灰フィルターの場合

高域:★★★
中域:★★★
低域:★★★

黒フィルターと比べると、高域の強さが抑えられます。そのため、1つ音量を上げられる感じですね。一番聴きやすい音かなと思います。

赤フィルタの場合

高域:★★★
中域:★★★
低域:★★★

灰フィルタと比べて中高域の広がりが抑えられる印象です。広がりが抑えられると言っても音が篭もったり、不自然に高域がカットされるというものではありません。

私としては、黒フィルターがいいかなと思いました。これは上流の環境にも左右されると思います。SuperMiniは低音寄りの味付けですからね。

音の鳴り方

BAらしく、スッキリとしてメリハリのある中高域が気持ち良いです。特に弦楽器の響きがわかりやすいです。音の立ち上がりが早く、余韻も綺麗に抜けていきます。この明瞭さはマルチBAならではなんでしょうね。

低域はダイナミックらしいズシリとした量があります。スッキリした中高域に比べると柔らかいですね。柔らかい低域を引き継ぐ中域に違和感がなく、丁寧にチューニングしたんだなとわかります。

音は上下に高い感じです。左右は広くはないですね。しかしながら、音の響きが良いので不自然さ等はありません。

装着感

純正ケーブルの針金があまり言うことを聞いてくれないのでちょっと使いづらいですね。筐体は軽くて装着しやすいです。
しかし、装着には少し手間取りました。筐体(ロゴのある本体部分)を押し付けようとせず、ノズルを耳に差し込むイメージで差し込むと、しっかりと入りました。イヤーピースは保持力が高く、奥まで入るような物が良いですね。
私としては、Spinfit TwinBladeが装着位置も一発で決まりますし、音としても一番安定しました。

バランスにリケーブルしてみる

LZ LZX47191 3.5mm 4極 8芯銀メッキケーブルに交換してみます。同じLZ製ですな!(3.5mm 4極バランス対応が少なくて泣ける!ありがとうLZ!)


そして おとが ときはなたれた!

うわっ!なにこれなにこれ!すっごーい!こりゃーコトだ!!

抑えられていた音が一気に解放されたように左右への広がりが出た!低音やボーカルはブレずに、空間をたっぷりと使うような響きに大変身ですよ!

純正ケーブルでも解像度の高さを感じますが、細かなニュアンスが伝わるような、ボーカルに艶が出るような?
そして低域が引き締まりますね!量が減るように感じますが、情報量が増し増しになるので断然こっちの方が良いですね!

こりゃ大正解では!
是非ともバランスケーブルでも聴いてみてください!

まとめ

A5の価格帯(3万円前後)もなかなかの強豪が揃っています。シングルドライバーを上手に使った魅力的な製品が多い感じですね。
A5は5ドライバーを武器に競合達へ挑戦する意欲的な製品だと思います。そして、その武器は強豪達と渡り合える性能を持っていると断言出来ます。

A5の魅力は音の解像度と低域から高域までしっかり鳴らせる懐の広さです。そして、ノズル交換、リケーブル、イヤーピースと音の調整幅が広く、自分好みの音を探す楽しみもあります。

シングルドライバー派の方への多ドライバー入門としてもお勧め出来ます。何故なら、私もシングルドライバー好きだからなのです!


いろいろ聴いてみた

オーケストラや生演奏ではA5の響きの良さが十分に生かせますし、解像度の高さは繊細なニュアンス、隠れがちな音もしっかりと再生してくれます。しかし、全体的なキレの良さがゆったりと聴くのには向かないかなと思います。

打ち込み系の曲ではキレの良さが発揮されます。音を多く鳴らす曲でもごちゃつかないので気持ちよく聴けますね。キレが良すぎてちょっと聴き疲れしそうなところもありますね。

ボーカル中心の曲では、バックの演奏とボーカルがはっきりと聞き取れます。ちょっとくらいマスタリングの悪い曲でも強引に聞かせてくれる、そんな強さ?もあります。

どんな曲でも言える事なんですが、粗を感じやすいですね。黒、青のフィルターはその辺りがシビアな感じです。解像度が高かったり、音源の再現度が高いイヤホンの宿命ですかね。A5はフィルターで調節出来るのがいいですね。

少女終末旅行 オリジナルサウンドトラック
44.1kHz / 16bit alac
弦楽器やピアノ、コーラスの響きがとても豊かです。音の数は少ないのですが、解像度の高さ、高域の綺麗さが光ります。繊細で優しく、少し物悲しい、そんな少女終末旅行の雰囲気を余すこと無く味わえます。

Pacific Rim 
44.1kHz / 16bit alac
みんな大好きパシフィックリムのサントラ。しかしこのサントラ、なんか上手く再生するのが難しいんですよね。
音がギュッと固まっていると言うか、カテゴリー5のkaijuの様な重厚な中低音が支配しているので、特に低域の再現力が必要なんだと思います。
バランスケーブルで聴くと低域が良い感じに解れ、濃密なエネルギーを減じる事なく楽しめます。

Consolation / Karafina
44.1kHz / 16bit
いやー、カラフィナの良さが良いですね!バランスでもアンバランスでも楽しめます。変幻自在な梶浦サウンドを隅から隅まで捉えられます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?