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HCK DT100は育て甲斐のある子!?

NICEHCK…それは中国のオーディオ販売店で、中国産のイヤホンやアイテム等をAliExplessやAmazonで日本にも輸出しています。

中国のオーディオは…まあ…デザインとか作りとかいろいろアレな感じなのもあるのですが、SIMGOT、Astrotec、HIFIMAN、UniqueMelody、QueStyleなど、ハイエンドでハイクオリティな製品もまた沢山あるのです。
HIFIMANに至っては、594万円という超級のヘッドホンシステムなんてものも。

今回はHCKが2017年末だした福袋に入っていたDT100というシングルBAのイヤホンについて紹介します。
福袋にはDT100本体と3.5mmアンバランスと2.5mmバランスケーブルが付属してきました。現在はどちらかのケーブルを指定して購入するようになっています。

DT100はこんなやつ

非常に小型な筐体でドライバーはBA型が一基です。ドライバーは筐体内ではなく、ステムにほぼ納められています。
ドライバーを樹脂製のステムに突っ込んで、それを筐体内に突っ込んだ様な作りです。イヤピを交換していたらステムが抜けたという話もあった様ですね…

インピーダンスが42Ωと高いです。普段より音量を1〜2割程上げる必要がありますね。パワーを稼げるバランス接続や、アンプを使用すると良い感じになると思います。

しかしまあ、この子はとんでもない曲者でしてね。まともに聴くために試行錯誤が必要でした。

DT100の育て方

まず、200時間程鳴らします
こんなにしなくてもいいと思いますけど…50時間は鳴らしておきたいです。

次にバランスケーブルに交換します
私はLZの8芯銀メッキを使用しました。高品質のケーブルが良いですね。個人的には8芯のケーブルが良いと思いました。

最後にイヤピです
最重要です。イヤピ選びで全てが決まってしまうと行ってもよいくらいです。
一般的な軸向けのイヤピではなかなか入りません。ステムが太過ぎるのですよ!無理矢理入れるとステムが外れるのでは、という恐怖が襲ってきます。

純正のイヤピは取り外しは容易なんですが、音は良くありません。
手持ちのイヤピで装着出来たのはJVC スパイラルドットくらいです。final Eタイプ、SpinFit CP100は無理!radius ディープマウントはなんか行けそうでしたが諦めました!

しかし、スパイラルドットだと筐体が動いてしまってスイートスポットをすぐに外れてしまいます。音もまとまりがなく拡散してしまっている感じです。

じゃあどうすんのって訳なんですが、解決策はあります!HCKのダブルフランジ(AliExpressにあります)か、nobunaga labsのダブルチップを使うのです。
私はHCKのダブルフランジを装着する事で解決しました。

全域で音が引き締まり、中高域が出るようになります。やっと真の力が引き出せましたよ。

何故なのかしら

おそらくですが、ステムの先端にドライバーが入っているためだと思います。このため、筐体内で響かせる事が出来ずに拡散してしまうのかなと。
ステムの先端がイヤピの上端に達してしまっているので、ただ単に耳に固定するための状態になってしまっています。

音の感想

使用した環境は次の通りです。
プレイヤー・HIFIMAN SuperMini
イヤーピース・HCK ダブルフランジ
ケーブル・純正バランスケーブル

リケーブルの話とかしてきましたが、評価は純正ケーブルで行います。

音のバランス

高域★★☆
中域★★★☆
低域★★★

中域が強く、場を支配しています。低域はタイトで量はそれなりにありますが、極低域が鳴らないので中域に押されています。高域も沈みがちで印象は弱いです。

場の広さ

上下★★★
左右★★★☆
定位★★★★

中央にまとまっている印象です。広さ的には頭をすっぽりと覆う箱、の様な感じです。低域が軽めなのでやや浮ついた印象があります。

解像度・表現力

高域★★★
中域★★★☆
低域★★★

BAらしくキレが良くスピード感があります。音の線は細くあっさりとしています。

音の質

響き・余韻★★
抜けの良さ★★☆
柔らかさ★☆

響きの減衰が早い印象でスッキリしていているのですが、ドライで情報量が少なく伸びやかではありません。響かない故か、篭るようで篭らない、でもちょっと篭る、なんだかモヤモヤした感じです。なんかこう、もっと頑張れるだろう!!という感じが拭えません。

まとめ

なんだかあまり良い評価じゃないのですが、先にも述べた通り、8芯ケーブルに変えると渇いた大地に恵みの雨!まさに水を得た魚の如く豊かさを取り戻します。
上流に敏感な子なんだと思います。ネット上ではいろいろな組み合わせが報告されていますが、苦労されてる様子ですそれ故に、なかなかオススメしづらいですね。

バランス出力のあるDAPやポタアンを所持していて、もある程度ケーブルを持っていて、イヤピが沢山転がっていて、なんかイヤホンをいじり倒したいそんな貴方!貴方色に染め上げてみませんか?

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