【事務職の未来】第3話 なぜ事務の給与は上がらないのか
なぜ事務の給与は上がらないのか。
前回も書きましたが、事務の仕事における評価のスタート地点が「100点満点からの減点方式」だからです。
どんなに頑張っても加点がない。
100点が120点になることはない。
例を出しましょう。
お客様からのサービス料を口座引落しにしているとします。
営業から「A株式会社のサービス料、今月は年1回の追加請求があるから10万円プラスで請求しといて」と言われたとします。
事務は自分の判断で去年の引落し額を調べると、5万円で請求していることがわかりました。
事務は営業に「去年は5万円で請求してますが?」と聞くと「あ?そうだっけ?あ〜B株式会社と勘違いしてた〜。じゃ5万円で。」という回答。
毎月きっちり口座引落ししてくださる大切なお客様にたいして、過大請求せずに済んだのは事務のおかげです。
これが、事務が水際で防いでいるということですね。
はっきり言って、この手の話はほぼ毎日発生してます。
もっともっと重要な事案もたくさんあります。
本来なら、これは完全な事務のファインプレーであり、加点要素なはずです。
しかし、こういったことを日記のように書き出して、「私は◯◯さんのミスを未然に防ぎました」なんて経営者に報告している事務なんて見たことないです。
改めまして、なぜ事務の給与は上がらないのか。
実はこれ、事務本人にも問題があって、端的に言えば「アピールが下手」だからです。
事務をやる人というのは性格がおとなしめの人が多く「私はこれだけ貢献してるんだから給与あげて!」と口に出して言えないんです。
そもそも営業のように、目に見えてわかりやすい成果というものもないので、アピールが難しいというのもあります。
経営者は、事務が直接「給与あげて!」と言わないのをいいことに、低賃金のまま使い倒す。
そして何より辛いのが、経営者は事務のことを「誰でも出来る仕事」と思っていること。
文句があるなら辞めていいよ?と根底では思っているのではないか?
この売り手市場にあっても事務は人気職種ですからなおさらです。
事務は事務の仕事を誰よりも誇りと責任を持ってやっています。
しかし、経営者にアピールできる明確な材料もなければ、アピールできるような性格でもない。
事務に対する、加点方式の評価方法があればいいのですけれど、それがなかなか無いのが現状です。
なぜなら、評価というのは基本「数値」であることが原則だから。
事務の仕事を数値で表すのは実に難しい。
これが事務の給与が上がらない理由です。
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NewsPicksでは(自称)凡人プロピッカーとして匿名でコメントしているキャシー大西と申します。
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