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RekordboxのAutoMixのクロスフェードタイミングを変更


音楽プレイヤーとしてのRekordBoxのすすめ

RekordboxはパイオニアのCDJ用の楽曲管理ソフトですが、私はCDJは持っていないので、本来の使い方は全くわかりません。
iTunesのお気に入りプレイリストやアルバムをRekordBoxで取り込んでAutoMixで聞く、音楽プレイヤーとして使っています。
RekordBoxで曲を聞くと以下の利点があります。

  • Rekordboxから出る音は、なんかカッコよくなる。コンプレッサーまたはリミッターがかかっている模様。これは好みもあると思いますが、私は好きな感じ。

  • 元の録音の音圧が違う曲を流しても音圧を揃えてくれるみたい。
    80~90年代位に製造されたCDの曲は音圧レベルが低いものも多いが、現代の音圧レベルが高い曲と連続で流しても違和感が少なくなる気がします。この機能のため、前述したエフェクトが入っているものと推測。
    ※[環境設定]-[コントローラー]-[ミキサー]-[オートゲイン]にてこの機能の有効/無効を切り替えられる様です。

  • 曲を再生すると、ターンテーブルが回るし波形が流れて音楽を積極的に流しているという雰囲気にしてくれる。リスナーからプレイヤーというかDJになった様な気分。

  • iTunesでは、次の曲とのクロスフェードが効かない※ことがあるが、RekordBoxでは問題なくクロスフェードがかかる。
    ※iTunesではアルバムを通しで聞くとクロスフェードがかからない模様。

  • 別な曲を聞きたい場合にも、その曲を次曲待機中デッキにドラッグするとクロスフェードで切り替わるので音が途切れない。

で、使っていたのですが、不満が出てきました。

  • クロスフェードのタイミングが早すぎる。曲の終わり30秒前で次の曲に切り替わるので、曲を最後まで聞けない。エンディングがカッコいいのにとか、ラスサビ聞けなくて煮えきらないとか思っちゃう。
    ※楽曲解析をBPM/Grid(デフォルト設定)のみで行った場合。

  • クロスフェードの時間が8秒程度あり長い。次の曲の頭というかイントロに重なる時間も8秒となり長く、曲の途中から繋いでいる様な印象となってしまう。

  • テンポ(BPM)のオートシンク機能が働いてしまい、曲頭がプチプチと変な音になることがある。どの程度のBPM違いまでこの機能を動作させるかを設定できるが、±6%が最小。

AutoMixデフォルト動作

DJの方々が行うMIXでは、違う曲をBPMやビートを合わせて繋ぎ、ビートの流れを止めないという目的もあると思われるので、上記の仕様自体は分からなくはないですが、今回はその目的では使っていないので。

これらの動作を変更できる設定画面は用意されていない様なので、変更できないか調べてみました。

設定ファイルは [rekordbox3.settings]

※このファイルの中身を見たり書き換えたりする際は、必ずRekordBoxプログラム本体を終了してから行ってください。
※ファイルのバックアップをとり、問題が発生した場合はすぐに戻せる様にしてください。
※書き換える際は自己責任でお願いします。最悪RekordBoxが動作しなくなったり何らかのファイルが壊れたりする可能性がありますが、それらに対応できる方のみ行ってください。
※この設定ファイルの内容は公開されていないものであり、当方にて独自に解析したものになります。メーカーへの問い合わせ等は行わないでください。
RekordBoxのバージョンは6.7.4(2023/8/20時点最新)です。

Windows10での格納場所は以下になります。
・C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Pioneer\rekordbox6\rekordbox3.settings
[ユーザー名]はご自分のPCで使われている名前になります。
このフォルダ/ファイルが見えない場合や、ファイルの拡張子が見えない場合は、エクスプローラのファイル表示設定を変更する必要がありますが、その方法はここでは説明しません、ご自分で調査してください。

このファイルをテキストエディタで開き、AutoMixを検索します、300行目近辺にあると思います。

<VALUE name="AutoMixBeforeTriggerEndTimeMs" val="30000"/>
<VALUE name="kAutoMixCrossfadeRate" val="1"/>

設定を変え調査した結果、これらのパラメータの動作は以下でした。
・AutoMixBeforeTriggerEndTimeMs
 ファイル終わりからのクロスフェード開始時間(ms)
 デフォルト値:30000(30秒)
・kAutoMixCrossfadeRate
 クロスフェード開始から終了までの速度
 デフォルト値:1(約8秒)
デフォルト値では約8秒(手動測定)でした。小数点以下1桁が設定できることは確認しています。8秒にこの値を掛けるとクロスフェード時間になります。
※他にもAutoMix関連の設定がありますが、動作との関連を確認できたのは以上2つだけです。

なお、BPMのオートシンクを止める設定を見つけることは出来ませんでした。

色々試した結果、今のところ私は以下の設定で使っています。ファイルの終わり10秒前から、2.4秒かけて次の曲に切り替わる動作になります。
※繰り返しますが、書き換える際はRekordBoxを終了してから行ってください。これらの値は起動時に読み込まれる動作と思われるため。

<VALUE name="AutoMixBeforeTriggerEndTimeMs" val="10000"/>
<VALUE name="kAutoMixCrossfadeRate" val="0.3"/>

※値を変えて試す場合は、極端な値を設定するとRekordBoxが動作しなくなったり、処理負荷が増える可能性があります、ご注意ください。

設定を変えると、クロスフェードの位置と長さの表示も変わります。

クロスフェード位置と長さの表示が短くなった

フェードアウトの曲では大抵はこれで大丈夫なのですが、エンディングがある曲ではこの設定でも切れることが多いです。
どうしても最後まで聞きたい曲は、楽曲解析でPhraseを設定し解析、最後のPhraseの位置をエディットすることで好きな位置でクロスフェードを開始することが出来ます。まぁそれが本来の使い方なんでしょうけれど、iTunesライブラリのすべての曲でそれをやるのは実質無理。

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