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温暖化と雪国のリアル

全国的にそうだろうけれど、今年の高畠の冬は異常な暖冬だと感じる。
いつもであればこの時期は毎日のように雪かきに追われているので暮らす分には楽なのだけれど。
地球温暖化、地球温暖化と言葉は聞けど、どこか異世界のような感じがしていた。しかし今年は実感として確かに感じているので温暖化と雪国のリアルについて考えてみる。

雪がないことによって特に農家さんや土木関係仕事がなくなってくる。
除雪、スキー場、燃料、雪でのトラブル、工事、雪を題材にしたイベント、雪国では雪が降ることを見越した事業も多く、経済もおのずとそれに応じて回る。消費税増税も相まって消費の冷え込みも大きいだろう。実際に従事する方の話を聞くと、今年は晩酌のつまみは刺身だったのが鯖缶だなんて話も聞いた。

来春からは水不足も心配だ。冬期間に蓄えられる積雪は春からの水田へ用いられる。台風のような大雨ではなくて、蓄えられていて自由に使える水というのがとても重要だ。またあたりを見渡してみると春に芽吹くような新芽が出てきたりする。温度変化によって植物だけでなく虫、動物、菌類などの生態系も大きく変化し、作物を作る人にとってはイレギュラーが多くなるのではないでしょうか。

しかしながらそれが温暖化反対の気運や、デモへはつながらないように感じる。何となくだけれど東北の人間は農民気質が強く、環境の変化にあらがうというよりは順応していく気がするからである。
それこそ山岳信仰や自然、景観への畏敬や愛があればまた違うと思うけれど、とりあえず近隣を見渡す限り、そういった文化はあまり残っていないように見える。農家さんの中でも昔から自然農や有機農業を行う人には反骨心のある方も多いけれど、そんなに数は多くない。

東北と地球温暖化を考えた時結局生きていける限界までは環境の変化には順応していくと思う。雪関係の経済は縮小するけれど、暮らしやすくなるし、その分冬期間の作物を作ったり、冬の備えを減らしたり、まぁいいこともあるよね。もっと暮らす人の生活や文化へ直接の破滅がない限りは、対抗するより順応するのが自然なアクションだろう。
日本の動きは東京中心に回るのもあり、地球温暖化に一人一人が本腰を入れて向き合おうとするにはまだまだ時間がかかるだろう。ただ異変はいつも辺境から起きていて、これから本格化していく予感はひしひしと感じる。

個人的にも大きな流れは突然自分が声をあげても変わらないだろうという諦めのようなものはある。ただ世の中が大きく変わるその日がきっとくるであろうと見越してその時自分はどうするべきかどう行動すべきか、いつも考えて、鍛えておかなくてはと思う今日この頃です。

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雨が降って虹が出る、いつもの1月には有り得ない景色。

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