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#連続小説【アオハル】〜第四章・薩摩実業 2 〜

入学式が終わり生徒と保護者達はそれぞれの教室へと案内された。教室の扉の上に付いてる札には1総cの文字が貼り付けられていた。

(1総c…これが俺の教室か。気合い入れてナメられないようにしねぇとな…)

俺の席は教室後方の角だった。にしても席数が多い。1クラスで55席は詰めすぎじゃないのか?圧迫感がありすぎて窓を開けたい気持ちだ。

暫くすると担任の先生がやってきたのだが…入学式で見たあの教師だった。

(終わったな…1年生きれるんの…)

「おはようございます!」

「おはようございます!!」

「先程の練習の成果が出てて素晴らしい!改めて…私は松永です。1年間このクラスの担任となりますのでよろしくお願いします。話は変わりますが、クラスの中に髪の毛が明るい生徒が見受けられます。自覚のある者は明日にはしっかり黒くしてきなさい。あと髪の毛の長さも気になる者がいます。生徒手帳に校則について書いてあるので必ず読んで直してくるように。」

俺は校則の頭髪について書いてある文章を読んで固まった。校則では…

『男子生徒の頭髪は、パーマ等は禁止。極度の剃り込みなど禁止。極度な刈り上げ禁止。襟足の長さは詰襟に当たらないような長さ。もみ上げは短く。前髪は眉毛より10センチ以上の長さ。』

ちょっと待て!コレ、坊主以外の選択肢は無さそうなんですが…

俺は坊主ではなかったので確実に切らなくては明日ボコボコにされると感じた。とんでもない学校に入学してしまった気がしてマジで後悔したんだ。

一通りの説明が終わると解散となった。入学式後は重田先生が呼びに来てくれるそうなので教室で待機することになっている。

「優人。あんた中学みたいな事してたら大変よ。分かってるよね?」

「お袋…分からないヤツはバカだよ…雰囲気がマジなの位は分かるよ俺にも。」

「でも、これぐらいの厳しい学校の方があんたには向いてるかもね。工科学校も変わらないと思うからね。」

「自衛隊と同じって…給料も貰えないのに?最悪なんだけど…」

お袋と雑談をしていたら重田先生が呼びに来てくれた。どこかに案内してくれるそうなので、俺とお袋は先生の後に付いて行くのだった。

最後まで読んで頂きありがとうございます。 無理のない範囲で応援をしてもらえたら嬉しいです。 これからもチャレンジしていきますので宜しくお願い致します。