#連続小説【アオハル】〜第二章・壁と腐った林檎 5 〜
あの日から俺は、勉強+ランニングをしていた。一番嫌いな事をやって行こうと思ったからだ。自分に勝つために雨が降っても行った。
その甲斐あってかは分からないが、期末テストでは自己最高得点を達成する事が出来た。たしか…合計で400点は越えていたと思う。いい流れで入試当日を迎えれたのは最高だ。
「忘れ物はない?」
「筆記用具も受験票もある。大丈夫。」
家から試験場まで車で1時間は掛かるので忘れ物をした時点で終わり。今までの努力が水の泡となるがそれはクリア。後は全部出し切るのみであった。
会場に着くと真っ先に目に入ってきたのは、憧れの高橋さんの姿。ビシッと深緑の制服を着て受験生を出向かえているようだった。俺は高橋さんの姿を見ただけで今日のやる気が爆発的に上昇した。
「おはようございます!」
「おはようございます。優人君久しぶりね。今日は頑張ってね!」
「名前覚えててもらってありがとうございます!頑張ります!」
高橋さんが敬礼しながらそう言ったもんだから俺も敬礼して返答してしまった。
話は変わるが…高橋さんの敬礼しながら笑顔の頑張ってね!は犯罪である。例えるならば、奴隷になりたくない奴ですら進んで奴隷になりたくなる程だと伝えておこう。
それがあったからだと思うが、試験が開始されても緊張はせず最高の状態のままで、俺は試験を終える事ができたのだった。会場を出る時に高橋さんの姿が見えなかったのが残念だったが試験自体は手応え十分だった。
「試験はどう?できたの?」
不安顔で聞いてきたお袋。俺はドヤ顔で完璧だと親指を立てて見せたのだった。
それから数週間後…
俺の元には…
【不合格】
そう書かれた通知が届いていた…
その日を境に俺は学校にも行かなくなったんだ。
最後まで読んで頂きありがとうございます。 無理のない範囲で応援をしてもらえたら嬉しいです。 これからもチャレンジしていきますので宜しくお願い致します。