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「先生は素人ですね、口を挟まないでください」と、親御さんが告げるべき時代が来た。

・かつてのプロで溢れかえっている今

「先生は素人ですね、口を挟まないでください」と、親御さんが告げるべき時代が来た。・・・というお話を書きます。

自分の価値観とスキルをアップデートしていない教師、先生がいたら、その人は素人同然です。

そう言われても仕方のない時代が来たからです。

「これまでそうだったのだから、これこそが教育であり、この指導が、この授業が、この道徳観こそが、教育である」と言ってしまうような、
今すぐにでも時代によって淘汰されてしまうであろうかつてのプロで溢れかえっているのが、先生職につく者の現状でしょう。

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・社会システムの中の学校

学校教育は、近代における社会のシステムの一部です。
ですから、その社会が要請するものが変われば、教育に求められるものが変わるのは当然なのです。

その意味で、社会のありようを見ることなく、「教育とは」とかつて正義だったそれを振りかざすのはどうあがいても時代錯誤でしかありません。

すでに子どもたちは先生を見切っています。
先生の方はつゆほども気づいていないでしょうけれども・・・。

いまや、かつてプロだったはずの多くの教師・先生が素人になってしまったのです。

親御さんも、多くの先生が現代の子にとっては素人同然であることを踏まえて、
我が子に教育として何を与えることができるのか?を思考する必要があります。


・学校化が地域・家庭にも広がる

誰にとっても答えの見えない非常に不透明な時代。

誤ってはならないのは、かつての価値観、共同体におけるかつての共通感覚、学校におけるかつての共通感覚、いわば「みんなこうだろう」「学校とは、教育とはこうだろう」を、親御さんがなぞってしまうことです。これでは親御さんまでも、先生と同じ道を辿ってしまいかねません。

近年の我々の社会における困難のひとつは、多くの場所が、学校化してしまったことにあります。

学校というシステムが家庭や地域にまでその触手を伸ばし、学校以外の場所までも、学校化・システム化してしまっているのです。

たとえば、「テストでよい点を取った子が優等生である」という評価基準が、家庭や地域においてももたらされてしまう。子どもたちはどこへ行っても、学校のテストの点数で評定をくだされてしまうわけですね。

だから、親御さんが同じ評価基準のみで子を判定してしまうことを避けなければなりません。家庭までもを学校化させてはならないのです。

ただでさえ時代錯誤の教育が実践されてしまっている中で、あろうことか家庭がそれらをなぞっても何のメリットもありません。むしろ、子どもに与えるダメージは深刻でしょう。

今後、親御さんは、学校の先生を目の前にして、
「素人に何がわかるんですか?」と、堂々と発言をしなければなりません。

社会の枠組みや環境、(学校)教育の意味を理解しないまま、
社会の要請には耳を貸すことなく自分たち教師が正しいと言い張っているだけの素人を信じるわけにはいかないのです。


・親御さんに求められる役割

無論、親御さん自身が同じ素人にはとどまっていてはなりません。子を導き、支える人の筆頭は親であるからです。

それにはまず、親御さんが先行して社会で起こっている変化に目を凝らす必要があります。
必要に応じて学ぶこともしなければならないでしょう。
「学び直し」が標準になる時代なのだから嫌がってはいけません。
古典を読み、社会を読む。そうすることで、子をどう導くべきか(またはそのためにどのように構えておくべきか)が見えてくるはずです。

もちろん、その前向きな気持ちがあるみなさんに、僕は助け舟を出し続けます。

かつてのプロは、
今、
ただの素人である。


社会が不透明になったこと、
入れ替え可能性の高いヒトが増え続けてきたこと、
今この瞬間に安定的な職業を探すのは難しいこと、
自己決定力と選択する力を養う必要があること、
管理統制指示命令で人も学力も育たないこと、
われわれの共同体はすでに空洞化したこと、
その共同体は昔と同じ形に戻らないこと、
リアルのコミュケーションに実りが期待できなくなりつつあること、
そもそもわれわれの共同体が他国のような血縁や階級、宗教によって形作られてきたのではないこと、

これらのことがすべて歴史的・学問的に自明であるとするなら、ではその上で教育が何をすべきか、学校というシステムをどのようなものとして再定義し運用していけるか、それらを考えていく道しか我々には残されていないのです。


・追伸 見極める方法

見極め方は簡単です。

教師にこう尋ねるのです。

「あなたは2015年以降、またはこの一年か二年で、今の子どもたちのために、指導法や授業のやり方をどのように変えましたか?何度変えましたか?」

その教師がこの質問にどんな答えを与えられるかで、多くのことが明白になるはずです。


(おわり)


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