リーダーの役割 2つの見方/都市部コンサルが語らない真のリーダー論
地方の最も大きな弱点の1つは、リーダーの不在である。
永遠のテーマとも入れるこれが、地方創生、地域活性化の一番の足かせになっている。
残念ながら、都市部(主に東京)の発信では、多少の遠慮があってか、それについて述べられることがあまりない。
また、地方自治体が迎え入れる都市部からのコンサルも、そのことがわかっていても、自分の雇用主を悪く言えば稼ぎに影響が出るのだから言及しないままである。
地方のリーダーの力不足と無知は、地方創生という合言葉によって、地方自治体が都市部コンサルの良きお財布に成り代わってしまったことで、明らかになった。
リーダー不在という大問題。
リーダー論無くして、地方の今後の生き残りはない。それほどに重要なものである。
これにはまず地方に住む者の自覚が必要であろう。
ここでは、リーダーについて述べておきたい。
地方発のそれである。
1つ目。
リーダーの役割とは、
「オオカミが来たぞ」と、
誰よりも先んじて仲間たちに告げることである。
変化に気づく、流れに気づく、違和感や危機感を覚える。そのとき多くの人は大抵「無視」を決めつける。見ないことにするのである。
もちろん最初から、そうしたことに無頓着な人も多いだろう。変わらない自分と変わらない毎日を続けるのだ。
リーダーはそのとき何をするか?
リーダーは、先んじて「そのことを大衆に知らせる」のである。
危機が迫っていますよ、このままいくと危ないですよ、それを我先に伝える。
それがリーダー役割のである。
周囲からどれほどバカにされようともそれをやれるかどうか?ひたすらそれをやり続けられるかどうか?が肝心なところである。
何せ、人が気づかないことや理解し得ないことを、大声で述べるのであるから、非常にタフな仕事なのである。
それこそ、理解者は皆無かもしれない。
訪れる孤独。
たとえそうであっても、本当にオオカミが来ているなら、何が何でもそれを叫び続けなければならない。
だからこそリーダーはいつも器が試されるし、その度量が問われるのである。
ただの無知者にも、ただの正直者にも務まらないのがリーダーなのである。
2つ目。
「仲間たちに、見たことのない世界を見せることのできる者」もまた、リーダーの定義となり得る。
他の人には簡単には見えないのだけれども、リーダーに見える世界、それを実際に周囲に見せていく。
もっと世にはこんなものがある、こんな世界がある。
未来はこのようにヒライテイル。
それを仲間たちに提示するのである。
それで初めて、そこにある社会や共同体は、次の時代を生きる命を吹き込まれるのだ。
他の人が目の前の現実に閉じ、こもった生活を続けること良しとせず、時間的にも、空間的にも、広がっているはずの、まだ皆に見えていない世界を提示する。
そこには、知識や経験、未来や世界を見渡せる高い視点、広い視野が必要となるだろう。リーダーが無知であってはならない。
リーダーは誰にも増して、抽象度の高さを要求されるのである。
二つの見方、
「オオカミが来たことを真っ先に告げること」
「仲間の知らない新しい世界を見せること」
これらに共通点は多い。
それらを考えるとき、われわれに必要なリーダー像が
見えてくるはずである。
リーダー論の一つとして挙げておきたい。
地方の生き残りはリーダーにこそかかっている。
都市部からどれだけ著名なコンサルを呼んでも、語ってはくれない。
だからこそ、目を背けてはならないのである。
我々は如何にして真のリーダーを選んでゆけるのか?
自問し続けたい。
(おわり)
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