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コートールド美術館展〜魅惑の印象派は、ぜったい観ておくべきです。

 先月、東京駅にいて3時間ほど時間ができたので、美術館に行こうと思いました。

 近くの美術館というと、東京駅中にある東京ステーションギャラリーですが、休館日。残念。

 あとは、三菱一号館美術館。
 1894年にジョサイア・コンドルが設計した赤レンガの建物が魅力的な美術館ですが、たまにしか開館していなくて、僕は未だ入ったことがありませんが、ここも閉館していました。

 八重洲口のブリジストン美術館はアーティゾン美術館へリニューアル中です。ここもだめ。

 時間ももったいないので上野に行くことにしました。

 上野は、

国立西洋美術館では「ハプスブルク展」(2020.1.26まで)
上野の森美術館では「ゴッホ展」(2020.1.13まで)
東京都美術館では「コートールド美術館展」(2019.12.15)

 開催中でした。

 上野公園の中に世界が集まっている。
 凄いなあ日本はと思いながら、ここは迷わずコートールド美術館展です。

 結果からいうとこれが大当たりでした。

 展覧会の終了が12月15日までなのでひと月もありませんが、これは行っとくべき美術展です。

 なぜかというと、コートールド美術館は現在改修中ということもあって実現している美術館展なので、この機会を逃すと次がありません。

 イギリスまで観に行かなくてはならないです。

 ロンドンにあるコートールド美術館は小さな美術館ですが、印象派、ポスト印象派、セザンヌ、マネ、モネ、ルノワール、ゴーギャン、ゴッホと非常にレベルの高い作品を所蔵しています。

 レーヨンの製造で莫大な富を得たサミュエル・コートールドがまだそれほど評価を得ていたなかった印象派やポスト印象派の作品を自ら観て購入し集めたコレクションです。

 国立西洋美術館のモネやゴーガン、ゴッホ、ロダンの彫刻など約1万点の松方幸次郎コレクションも、造船業で得た富で集められたものですね。

 コートールド美術館のコレクションのなかで、観たい作品のひとつに、ゴッホの「耳を切った自画像」あるんですけど、これは今回なかったので、どこかに貸し出しているのでしょうね。

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 それでも、岡本太郎が強烈に影響を受けた、近代絵画の父セザンヌの作品が10点あったのは感動しました。

 よく観ると頭の大きさや手の長さなどアンバランスでありながら、視覚的には調和されている用に見える「カード遊びをする人々」が生で観れました。

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 同じく、当時、鏡に写った配置が理解不能といわれたマネの「フォリー・ベルジェールのバー」も観れました。これは、コートールド美術館でもほぼ貸し出ししない秘蔵作品なので、日本で観賞できるなんて幸せです。

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 ゴーギャンもよかった。

 これもほとんど貸し出しされない謎だらけの「ネヴァーモア」、タヒチ語で夢をあらわす「テ・レリオア」を観て、タヒチ滞在のゴーギャンに興味を持ちました。

 そして今回、最も感動したのは、モネの「アンティーブ」でした。

 自分自身が南フランスのアンティーブに行って太陽を感じているような感覚になって、しばらく動けなくなりました。

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モネはロダンに宛てた手紙で「アンティーブ」についてこう語ってます。

私は太陽と刃交えて戦っています。
この地の太陽はなんて太陽だ。
黄金と宝石で描かなくてはならないのです。

ぜひ観に行っていただきたい美術展です。

東京都美術館は12月15日までです。
1月3日〜3月15日まで愛知県美術館で開催です。

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