見出し画像

「私、1回死んだの。」十数年ぶりにあった女性の話がすごかった。

 週末、映画館で十数年ぶりに知り合いの女性にあって立ち話をした内容がすごかったんです。それを誰かにいいたかったのでnoteに書きます。

 ちょうど僕はこれから映画を観ようと入場するところで、彼女は観終わって出てきたところで出会いました。

「え?え?舛田さん?」

「おお〜久しぶり〜こんなところで会うなんて、元気だったぁ〜」

と、久しぶりを称えあう定番の会話をしようと思ったら、彼女から意外な答えが帰ってきました。

「私、1回死んだの。」

 え?どういうことってなりますよね。

 映画が始まるまで5分位しかないなかで、立ち話で聞くことなのかなと思いながら、「え?何があったの?」と聞き返しますよね。彼女も、僕に気を使ってくれて、映画が始まるから簡単に説明するね。といって早口で語ってくれたんですが、その話がすごかったんです。

 彼女は1年ほど前に、交通事故にあったというんですね。
 
 青信号になったので横断歩道をわたっていたら、車が突っ込んできたというんです。
 意識不明で病院に運ばれて、レントゲンを撮ったら顔も陥没して、首の骨と肋骨が折れていて、普通なら即死でもおかしくない状態だったようです。

 それで、意識不明だった間の彼女の体験がすごかった。

 車にはねられて、ドンっと衝撃があってから、彼女は宇宙空間に飛ばされたというんですよ。
 
 それが本当に宇宙空間かどうかわからないけれど、真っ暗闇ではなくて、深い青色の空間に浮遊している感じだったというのです。

 そこでしばらく、浮遊しながらいろんな事を冷静に考えたそうです。

 はじめに、今、自分は車にはねられて、大変な状態にあることがわかったそうです。

 そう思うと、横断歩道付近で倒れている自分の姿と1台の車が真下に見えてきて、救急車がきて担架にのせられて、病院に運ばれるシーンが見てきて、これで自分は死ぬんじゃないかと自覚したそうなんです。
 
 すると、自分が死んだあとに、子どもたちはどうなるんだとか、仕事はどうするんだとか、お金はどうなるんだとか、心配事が出てきたと言ってました。
 
 でも、その心配事も、子どもたちももう社会人になるし、自分の仕事も代わりはいるし、お金も死ぬのなら必要ないし、とひとつひとつ消えていったら、心にやすらぎが広がっていって、遠くの方に光が見えてきたそうです。

 それで、そこに向かっていきたくなって浮遊しながら、光にどんどん近づいていくと、もの凄く幸せな気持ちになって、光が近くなればなるほど、幸福感が強くなって、もう、死んでもいいかな、と思ったそうです。

 でも、次の瞬間に心の奥から、「これまで一生懸命生きてきたけれど、まだぜんぜん恩返しが出来ていない、もっと、多くの人の役に立つ人生を生きると決めて生まれきたのに」という感情がわき起こってきて、

その光に向かって、

「私はまだ死ねません!」

と叫んだそうです。

 そうすると、急にすごい勢いで後ろの方に引っ張られて、病室で寝ている自分の体にドンと戻ったそうです。
 戻ったら全身から痛みが襲ってきて、「いたい〜」と叫んだら、意識が戻ったそうです。

 しかも、次の日、首の手術をするのにもう一度レントゲンを撮ったら、首の骨はくっついていて手術をしなくてすんだそうです。その後のリハビリは大変だったようですが、顔も全身も元通り、事故前よりも元気になったそうです。

「それで私人生変わちゃって、あ、もう映画始まるよ。じゃあね。ばいばい」と去って行きました。

 その後、僕はいろんなこと考えてしまって映画がまったく入ってきませんでした。
 
 死は、突然やってくるものだし、人は生まれる前に、自分でやるべきことを決めてくるものなんだなと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?