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富はよきものです。これを無視したり、否定したりしてはいけません。 そんなことをすると、手痛いしっぺ返しをくらうことになりかねません。 J・マーフィー

タイトルの言葉、

富はよきものです。これを無視したり、否定したりしてはいけません。
そんなことをすると、手痛いしっぺ返しをくらうことになりかねません。

これは「眠りながら巨富を得る」J・マーフィー著(知的生き方文庫版)

訳者の言葉、冒頭の2行です。

とても恐ろしいほどに威力のある2行です。

富を否定をしてはいけないと、といってます。

富を否定していませんか?

と、問われると、

「富を否定したことはありません」

と、答えたくなりますが、マーフィー博士は富を否定すると、手痛いしっぺ返しをくらうと言ってます。つまり、富を否定して生きてきたか否かは、はっきりと結果に出てくるということです。

富を否定すると、貧困で苦しむということです。

この本の訳者大島淳一さんは、日本の知の巨人であった渡部昇一先生が若き日のペンネームであるのは有名です。

渡部氏は、富を否定するとどんな手痛いしっぺ返しがくるのか、国レベルに置き換えてわかりやすく解説してくれています。

とても優れた「まえがき」なので抜粋します。

 二十世紀とは、いったいどういう世紀であったのか。それは、たとえば、アメリカが一人勝ちした世紀であったとか、植民地が独立した世紀であったとか、また、原子力の時代に入ったとか、いろいろな見方ができるわけですが、その本では、そういったいろいろな見方の一つとして、私有財産を否定した国と、それを否定しなかった国と、その中間にあった国との差がはっきりした世紀であったことを指摘していました。

 富というのは、古来、尊ばれてきたわけですが、マルクスにより、それはよくないものであるとされ、その思想によって私有財産を完全に否定する国家も生まれました。それがソ連であり、のちにソ連圏に入った東ヨーロッパであり、中国、北朝鮮、カンボジア、キューバであるわけです。ところが、私有財産を否定した国家がどうなったかというと、何もかにも無くしてしまうという結果が生じました。

 それに反して、私有財産を軽蔑しなかった国。それがアメリカであり、その中間にあったのが、日本と、イギリスです。

 このように見ますと、マーフィー博士がよきものとした富、つまり私有財産を完全に否定した国はとことん貧乏になり、国民は自由まで失いました。
 それに反して、私有財産を大切にした国は、その逆の繁栄の極に至り国民の自由度はさらに大きくなっています。その中間である国、たとえばイギリスは、私有財産を軽視した政策でおおいに富を傷つけ、国を貧しく不景気にしました。そして、それをやめる政策を実行したときから、息をふきかえすという、明快な答えが出ております。

 中国も30年前はとても貧しかったですが鄧小平の時代に、社会主義国家でありながら自由主義経済を入れたので、わずか30年ばかりで世界第2位の経済大国になったんですね。私有財産を許していながらいつでも取り上げることにできる状態にしているんです。
 
 日本は、バブルが崩壊してからず〜っと経済成長率が1%ちょっとなので、長年貧乏神に取り憑かれているのです。

 このように思想には力がるのです。
 人の人生から国家の運命まで根底から変えるほどの力があります。

 定期的に現実の状況を見て、富を嫌っていないかチェックして見る必要がありますね。心に仲にマルクスがいるのか、マーフィーがいるのか人生が大きく別れていきます。

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