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コミュニケーションがないと死んでしまう。

「衣食住」。3つの要素は、暮らしていくことの前提となっている。でも、人間はそれら3つだけでは生きていけません。「コミュニケーション」が必要なんです。コニュニケーションは暮らしを豊かにするだけじゃなくて、人の生死に関わってきます。

精神科医のルネ・スピリッツさんは孤児院で調査を行ないました。戦争によって両親のいない子どもが多く生まれました。たくさんの子どもたちが集まる孤児院は衛生環境も整っていて、子どもたちに十分な食事も提供していました。なのに、94人中34人が2歳までに死んでしまったそうなんです。※1

それはなぜでしょう?

答えはコミュニケーションが足りなかったから。孤児院にはたくさんの子どもたちが集まりすぎて、お世話をする人の数が子どもたちの数に比べて圧倒的に少なかったのです。だから、ひとりひとりに話しかける時間は少なくなります。

人間以外の動物の場合、「食」と「住」が整っていれば、死ぬことはないそうです。でも、人間の場合「衣食住」が整っていても、「コミュニケーション」がないと死んでしまう。

もう、「衣食住」じゃなくて「衣食住コ」ですよ。なんだかしっくりこないですけど。コニュニケーションって漢字一文字にしたら、なんだろう?それはいいとして、コミュニケーションのあるなしで人が死ぬなんて、おそろしい。でも物騒かもしれないけど、おもしろいとも思うんです。逆にコミュニケーションで人を生かすこともできるわけですから。

周りを見渡すと、コミュニケーションっていろんな場所にある。そして、人間の中にあるコミュニケーション欲がいろんなお仕事を生んでいる。

今ぼくが自分の手帳でなくて、誰もが見られるインターネットで文章を書いているのは、人との関係を欲しているからだ。人がSNSを使うのもコミュニケーション欲が根っこにある。インターネットに関わるお仕事はコミュニケーション欲に支えられている。

喋ったり、話を聞いたりできるスナックもそうだ。「AIに仕事を奪われないのはスナックのママだ」と言う人もいるけど、たしかに、人間の本能に根ざした職業だと思う。もっと深読みすると、美容業界、人がお化粧をするのも、コミュニケーション欲が前提にあるかもしれない。きっともっともっとあるだろうけど、それはあなたに考えてもらうことにします。

今日も読んでくれて、ありがとうございます。
やっぱり感想や意見をもらえると、うれしいものです。

※1『パパは脳研究者』子どもを育てる脳科学 池谷 祐二


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