一年前、最初の『#一人一人一人展』が、西荻窪「BREWBOOKS」で開催されました。

そして一年後の5/3、最後の『#一人一人一人展 完結編』が、座・高円寺のB2ギャラリー「アソビバ」でスタートしました。6/5まで。（絵の販売は西荻窪「BREWBOOKS」オンラインストアにて）

ということでスタートしました！　以下のBREWBOOKSオンライン支店もご覧ください！

枡野浩一の短歌

1　目黒選歌
こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう

2　目黒選歌
好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君

3　目黒選歌
気をつけていってらっしゃい　行きよりも明るい帰路になりますように

4　目黒選歌
ただひとつ悲しいことがあるだけで私の中のすべてが黒い

5　目黒選歌
だれからも愛されないということの自由気ままを誇りつつ咲け

6　目黒選歌
ハッピーじゃないエンドでも面白い映画みたいに　よい人生を

7　目黒選歌
さよならをあなたの声で聞きたくてあなたと出会う必要がある

8　目黒選歌
終わったとみんな言うけどおしまいがあるってことは素敵なことだ

9　目黒選歌
色恋の成就しなさにくらべれば　仕事は終わる　やりさえすれば

10　目黒選歌
さようなら　さよなら　さらば　そうならば　そうしなければならないならば

11　目黒選歌
さようなら　さようなら　また会いましょう　また別れたら　また会いましょう

12　目黒選歌
私には才能がある気がします　それは勇気のようなものです

13　目黒選歌
この夢をあきらめるのに必要な「あと一年」を過ごし始める

14　目黒選歌
どことなく微妙にちがうものだった　なくしたものを取り戻しても

15　目黒選歌
満月をつい何べんも確かめる　何べん見てもまんまるである

16　内田選歌
バイバイと鳴く動物がアフリカの砂漠で昨夜発見された

17　内田選歌
わけもなく家出したくてたまらない　一人暮らしの部屋にいるのに

18　内田選歌
こまぎれの　ゆめを　いろいろ　みた　どれも　かなった　けれど　ゆめ　こまぎれの

19　内田選歌
毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである

20　内田選歌
無駄だろう？　意味ないだろう？　馬鹿だろう？　今さらだろう？　でもやるんだよ！

21　内田選歌
みんな死ぬ　みんなどこかを病んでいる　きょうのところはまだ生きている

22　内田選歌
とりあえずひきとめている僕だって飛びたいような気分の夜だ

23　内田選歌
やんなくちゃなんないときはやんなくちゃなんないことをさあやんなくちゃ

24　内田選歌
無理してる自分の無理も自分だと思う自分も無理する自分

25　内田選歌
階段をおりる自分をうしろから突き飛ばしたくなり立ちどまる

26　内田選歌
手荷物の重みを命綱にして通過電車を見送っている

27　内田選歌
他人への怒りは全部かなしみに変えて自分で癒してみせる

28　内田選歌
階段にすわって朝を待ちながらゆうべの夢をうちあけ合った

29　内田選歌
前向きになれと言われて前向きになれるのならば悩みはしない

30　内田選歌
気づくとは傷つくことだ　刺青のごとく言葉を胸に刻んで


31　※先に描かれた絵に対しての新作
見つめ合う一人と一人　また一人　好きっていつもフェアじゃないから