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ブックデザインについて

ブックデザイン自慢合戦!というイベントを、歌人の穂村弘さんとやったことがある。好評だったし第二弾をやりたかったけど結局、そういう話にならなかった。もっと自分から動けば実現できたのかもしれない。今からでもやればとも思うけれど。なんか「需要がないのに私だけがやりたがっている」という状況は淋しい。私はけっこう需要を気にする。芸術家ではないなと思う。

遠くにいる人からは「器用貧乏」と思われてる可能性もあるけれど、貧乏なのは本当。器用では全然ない。餅は餅屋と根っこのところでは思っているから、ブックデザインは子供のころから異様に興味があるのだけれど必ずプロに頼んできた。印税の半分をデザイナーに渡した本もある。そうしないと出版できないほどコストがかかってしまったからだ。写真やイラストと組むことが多く、印税を全額(定価の10パーセント)もらってる本は少ない。挿絵的な写真やイラストには印税が支払われないケースが多いとも聞くけれど、私の意志でそうしてもらっている。短歌みたいなだれも興味を持たない本、見た目が命だと思っているのです。

いま『神様がくれたインポ』という連載をやっていて、常にテンションが低い。自分のテンションが上がる時っていつだろうと考えていて、「ブックデザインについて考えている時」と今朝、突然思った。

そうだ、『神様がくれたインポ』が単行本になることになったら、ブックデザインを自分でやらせてもらうっていうのはどうだろう。

ブックデザインのことを日本語で「装幀」「装丁」という。自分でブックデザインを手がけることにも名前がある。「著者自装」。もう歳なんだし、二度と本が出せないかもしれないし、インポなんだし、一冊くらいは著者自装があってもいいんじゃないだろうか。だめですか。

著者自装で有名なのは村上春樹の単行本版『ノルウェイの森』上下巻だ。赤と緑のやつ。クリスマスの時期、帯は金色だった。あの本は帯文も著者が自分で書いている。そして大ベストセラーになった。

『神様がくれたインポ』は大ベストセラーにはならないと思う。帯文は《100パーセントのインポ小説です。》かなあ。このタイトルでいいのか今も悩んでいる。せめてブックデザインくらいはプロに頼まないと売れないかも。だけど著者自装するなら、どんな感じかなあと、想像して楽しむ遊びくらいはしてもいいですよね。

リリー・フランキーさんの著者自装(『東京タワー』など)が大好きなのだが、リリーさんにブックデザインをお願いすることって、できるのか。他人の本のデザインを手がけてるの、松久淳さんのやつ(『マリコはたいへん!』)くらいしか見たことがないけど。

赤瀬川原平さんは他人の本のデザインや絵を手がけることもあるのかな。(訂正、「あったのかな」です。故人であるということをわすれていました)

津原泰水さんは著者自装(『11 eleven』など)に徹底度があっていい。室井佑月さんの最初の単行本(『熱帯植物園』)の装幀は、小説執筆の師であった津原泰水さんが手がけている。室井佑月さんは新潮社の「R-18文学賞」を結果として準備した作家だと思っているのだけれど、認識合ってますよね?(そして「本屋大賞」を結果として準備したのは松久淳さんと田中渉さんの『天国の本屋』)

ああ、本について色々考えてると少しだけテンションが上がる。この文に結論はない。どうです、さすがインポでしょう。毎週更新の『神様がくれたインポ』、とっくりにしめきりが過ぎている。早く書けよー。


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