最近、ハタチが終わるとき書いた詩、『いしょ２』みたいな気持ちでいます。

「詩歌をもとにしたお笑い」を追求して芸人事務所に所属していた二年間が終わってしまって。もう二十年以上マスメディアで詩人とか歌人とかの肩書でやっていて、自分の需要がどこにあるか全然わかんないんですよね今。真に好きなことだけして細々と生きさせてもらっていて有り難いし、ほかのだれにも真似できない人生だと思ってるんですけど。四十七歳。寺山修司が死んだ歳です。

枡野浩一は1999年にNHK『詩のボクシング２』に出場、短歌と詩を朗読してチャンピオンになりました。が、それ以降ほとんど自作の朗読をしていません。『くじけな』っていう詩集を出したときの、販促イベントではさすがに朗読しましたが。（それにしても文藝春秋から詩集を出してるとは、なんて恵まれた物書き人生でしょう）

ポエトリーリーディングほど、マニアでない人にとって退屈なものはないと思っていて。その手のイベントで「僕は自作朗読しないんです」と話して空気をわるくしてしまったこともあるのです。すみません。今回はつまらなくない部分ばかりになるよう工夫します。

というかゲストを呼びます。自分の好きな人たちをゲストとして紹介したくてイベントを企画したと言ってもいいくらいです。

まず、９年前結成の「あるきかたがただしく9」、略称「アルナイ」のギタリスト石原行雄さんが来てくださることになりました。これで、どう転んでも良い夜になることはまちがいありません。そのほかのゲストは、この記事の末尾に！

私の真の単行本デビュー作であり、初版1995年で今年ぴったり20周年という詩集『ガムテープで風邪が治る』の愛蔵版（帯文＝保坂和志）を、予約してくださったかた全員にプレゼントします。もしかしたら今回で枡野書店の在庫がほぼなくなるかもしれません。詩集にしては売れた本なので、古本市場に中古品は結構あると思いますが、ものすごく傷みやすい白い本（透明プラスチックケース入り。何も印刷されてない白い帯が付いてるのが正しい姿）だから、美品はもうほとんど残ってないはずです。

日時は11/3（火・祝）文化の日。夜8時から60分間の企画（ワンドリンク付き予約2500円、当日3000円）。お客さんが9名以内だったら阿佐ヶ谷の枡野書店でやるつもりでしたが、ツイッターで呼びかけてみたら10名以上希望者がいたので渋谷文化村の隣「サラヴァ東京」で開催します。使い捨ての手ぬぐいを包むビニール袋が赤い、瀟洒な店です。アルコールはもちろん、美味しい食べ物やコーヒーもあり、終演後ものんびりできるので良い出会いの場になりますように。以下の予約フォームから予約をお願いします。http://l-amusee.com/saravah/schedule/log/20151103.php 

以下、ゲストをご紹介します。

この会場「サラヴァ東京」を知るきっかけとなった、にがウーロンが三人そろって来てくれる！　というので、先日のコント公演『ライスケーキパウンディングパーティー』で爆笑しつつも感動した「あの有名な詩をモチーフにしたあれ」を、ゲストとして披露していただけたらと思っています。【以下の写真は枡野を含めて三人になっていますが、このとき不在だった坂元パルムさんのお顔は必見です！】

イベントタイトルは、にがウーロンにあやかろうと、「枡野浩一のポエトリーリーディングパウンディングパーティー『ガムテープ貼って寝たけど二十歳から二十七年治らない風邪』」にしました。詩人デビュー二十周年記念パーティーのつもりでやります。

そして、私の唯一の公式な「弟子」で、私より人気者のネット歌人・佐々木あららにも出てもらうことにしました。あんまり朗読のイメージないけど、やったことあるのかな？　私の一番売れた本『ショートソング』（集英社文庫）は、彼が企画・執筆協力してるから売れたのです。

さらに、私が芸人事務所に入る動機となった、ケジタンのお二人にも来ていただくことになりました！　シュールすぎてもはや「詩」になってるケジタンのネタの中でも、とりわけ言葉が立っている、大好きなコント作品をひとつ披露していただく予定です。ケジタン未見のかたは、びっくりしてください。キングオブコント予選でケジタンを初めて知った方々のつぶやきもご参照ください。

追記。最後のゲストが決まりました。私が今いちばん読むのを楽しみにしている日本語の書き手である漫画家・古泉智浩さんです。

Facebook　https://www.facebook.com/events/1263312960361349/

経緯まとめ　http://matome.naver.jp/odai/2144587245047548201