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近距離コミュニケーションの幸せ

これを知ってしまったら、知らなかったころには戻れない。

先日、飛行機に乗る距離の場所に用事があり、仲間数人で家を借りて合宿してきました。

これまでも泊まりで会議したりすることはあって、みんなでワイワイしたりアイデアを出したりするのは楽しいものでした。

ただ今回は、ツールを使って自己・他己理解する時間をつくったり、みんなで同じ家に帰ればいいという安心感が手伝って結構酔ったこともあってか、いつもはガッチガチの心の扉がゆるまり、これまでとは次元が違うほど心の距離が縮まった気がします。あの合宿前後で、関係性の質がかなり向上しました。

笑うし泣くし騒ぐし大変だったけど、本当に大事な時間でした。

振り返ると、一番付き合いが長い2人とは5年くらい前に知り合って、お互い心の扉が固い同士なんだけど何か気になる、というところから少ーしずつ歩み寄ってきました。

3年前に、疑い深い私の中でかなり距離が縮まる出来事があって、しょっちゅう会うようになり、「仲良くなったなー」と思っていたんだけれど、昨年末くらいからさらに坂道を転がるように距離が縮まって、当初からは想像もできないほど大事に思えるようになりました。

難しい私に歩み寄り、さらに得がたい関係を築いてくれたことがうれしくて、「生きていてくれるだけで幸せ」と思える毎日です。

私はずっと人見知りでコミュニケーションが苦手だと感じてきました。

でも「コミュニケーションが苦手」というのはちょっと主語が大きくて、本当に苦手なのは広く浅いコミュニケーションだったのかな、と思っています。最近は狭く深いコミュニケーション、いわゆる近距離コミュニケーションを取る人が増え、幸せを感じられる瞬間が増えました。

中学生の頃から私はよくしゃべるし正義感が強いし、卒業式で第二ボタンじゃないけど制服のリボンとか名札とかバッグとか?ほとんど全部の持ち物を後輩たちに持っていかれる感じで同級生や後輩に慕われるキャラでした。

だから、私がコミュニケーションに自信がないなんて、誰も知らなかったと思います。

今思うと、自分の中では当時のコミュニケーションではもの足りなくて、もっと距離を詰めたいと思える人が見つからなくて焦っていたんだと思います。

小学校の後半で県越えの転校をして人間関係がリセットされてしまったこともあり、一生付き合える友達って出会えるのかな?という不安な気持ちがありました。

これは、中学を卒業して高専に進学したあとに解消しました。女性は少ないながら本当に気が合う友達が見つかる確率がすごく高くて、本当に「一生大事にしたい友達」が数人できました。

「お昼に炊きたての米が食べたいね」と学校に炊飯器を持ち込んで毎昼炊飯をしたり、体育祭で女子全員二人三脚という新種目をいきなりやったり、寮に侵入してクラス全員分のバレンタインデーのお菓子を作ったり、無理やり理由を作って部活しか借りられない合宿所を借りたり、文化祭の実行委員で自由にしたり、大きい車で海に行ったり、毎日自由でめちゃくちゃ楽しかった。この出会いが得られた時点で、けっこう奇跡だと思っています。

みんな個性が強くて価値観はけっこう違うんだけど、根本的な受容性が似ていて感謝し合う気持ちがあるので、全く違う意見を言ったとしても受け止めてくれるし、どんな場面でも嫌な気持ちになることがほぼありません。私も何を言われても受け入れられます。

なかには客観的に「それは受け入れてはいけないのでは?」という話もあると思うんだけど、少しも迷わず受け入れられます。

法律も倫理も血縁も、普通の顔で、当然のように超えていきます。いつも味方。

だから、一緒にいると何をしていても安心できて、楽しめます。

やすーい居酒屋で飲む、話題のおしゃれレストランに行く、海外でドレスアップしてパーティーに出る、近所の温泉でダラダラする、自宅で持ち寄りごはん、イベントを運営する——。

どんな時間の過ごし方でも、元気をもらえる大事な人たちです。

ここまでの大事な友達、仲間って、もう大人になったらできないものだと思って全く期待していなかったけど、奇跡的にできてしまった、気付いたら到達してしまっていたというのが今の実感です。

仲間には、大人になって自分の気持ちをきちんと伝えて距離を近づけていくコミュニケーションが、こんなに幸せだと教えてくれたことに感謝しかありません。

楽しい毎日が終わるのが悲しかった高専生の私には、「大人になってもまだまだ楽しいよ」と伝えたい。

こういう近距離コミュニケーションが取れる人はそんなにたくさんは増やせないんだけど、1人でも増えるとぐっと生きやすさが上がって、これからの人生の楽しみが増えることを実感しています。

これから何か障壁に当たったとしても、生きやすさが上がった自分や、大事な仲間の力があれば、きっと楽しい乗り越え方ができる。そう信じられるようになったので、今は障壁が楽しみですらあります。

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